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現役データアナリストが生成AIで分析してみた


※ 酔った勢いでこの記事を書いているので所々おかしい箇所があるかもです。後日気が向いたら加筆修正します。

1. イントロダクション


みなさんは生成AIを日常生活などで使っているでしょうか?有益な利用方法は数多くありますが一番有名なのは多分にクリエイティブな作業への利用でしょう

  1. 小説やゲームのストーリーを考案するときにアイディアをふくらませる為に使う

  2. 広告や記事・動画のサムネイルなどのクリエイティブの生成に使う

などもっと多くあるはずです。一方で生成AIはデータの要約や分析にも秀でていると言われます。今更ですが現役のデータアナリストがビジネス分析にChatGPTを使って見ようと思います

2. 分析課題の設定


ダミーデータを探してくるのも面倒である上にまさか所属会社のデータを使うわけにも行きません。せっかくなので分析課題自体もChatGPTに生成してもらいました

GPTからの"分析依頼"は、どうやら自社商品の売上が予想以上に伸びないので価格設定が適切であるか分析してほしいというモノのようです

余談ですが実務でビジネス分析に携わる方ならばおわかりでしょうが、多くの場合我々アナリストが分析依頼を受ける時はこういう形で依頼される事が多いです

我々アナリストはこういう依頼を受けた時は「まずは売上が伸びない原因を突き止める依頼が先で、価格をいじくり回すのはその先の話だろうが!」と心のなかで文句を言いつつ依頼をこなします。なのでここでもそれに倣いましょう。

3. データを用意する

まずデータを用意しましょう。これもGPTに生成してもらいます。

実務では以下のような簡単なデータはありませんがあくまでもこの記事を書く為の分析なのでこの程度で良いでしょう

4. 仮説を立てる


さて、分析する時はまず仮説を立てる必要があります。ここもGPTにやってもらいましょう。

先ほどGPTが生成したデータをベースに仮説を立ててもらいましょう。それが以下のスクショです(実際には仮説は5つ生成されましたが割愛してあります)

仮説1を見ると、どうやら自社製品の価格が競合よりも高く、よって顧客が競合製品を購買してしまっている為ではないかと読み取れます。可能性の一つとしてはありそうですね。仮説2は広告効果の悪化とこれももしかしたら可能性としてあるかもしれません。

どうやらGPTが生成する仮説は現時点では全く的外れとは言えなそうです

5. 仮説の検証方法を立てる

さて、検証すべき仮説のリストは作れたとしましょう。次はそれをどうやって検証するかを計画することです

もっと具体的にはどういうグラフを作れば仮説の検証になるか?です。これもGPTに全乗っかりして考えてもらいましょう

6. 仮説検証

仮説1の検証をするためにGPTに従ってデータを可視化してみましょう。スプレッドシートにデータを取り込んで次のようなグラフを作成しました

GPTのアドバイスに従って自社製品を青で、競合製品を赤で示してあります

これを見ると、B社及びC社と自社製品を比較した場合、自社製品の価格が最も高くシェアが最も低いので顧客は価格の安いB社及びC社を選ぶ傾向があり、よって自社製品のシェアが相対的に低いという可能性があるかもしれません

一方でA ~ C社の製品より自社製品は価格が低いにも関わらずシェアは低い状況です。顧客がA-Eと自社製品を横並びにして比較するとき彼らは価格以外の理由でA ~ C社製品を選んでいそうです

また、その他にも競合製品同士の比較もする必要がありそうです

このようにグラフの作成とグラフから情報を読取るの作業は現状のChatGPTを使う限りは人間がやる必要がありそうです。ただし将来的にはこの辺もGPTにグラフのスクショを入力して解釈を読み取らせる事も出来るようになるはずです(geminiはもうできる?未検証)

7. データの解釈

自分の解釈が妥当かどうかチェックする

GPTは画像をアップしてそこから情報を読取る事は出来なそうなので、次のようにグラフから私が読み取った解釈を入力しGPT先生にチェックしてもらいましょう

次がGPTの出力になります。最後の結論のところだけ抜粋するとNext Stepとしてどのような分析をすれば良いかもアドバイスしてもらえました。凄いですね。

全体的に、これらの解釈はデータに基づいて妥当であり、特に価格が市場シェアに与える影響についての理解が正しいです。価格以外の要素(ブランド力、製品品質、サービスなど)も含めたさらなる分析を行うことで、戦略の改善点をより明確にできます。

別観点での解釈があるかチェックする

そして、自分のデータ解釈に抜けている点があるかどうかもチェックしてもらいます(本当はあと4つ出力されているのですが紙面の都合上割愛します)

競合のうち自社製品と同程度の価格であるD及びE社と比較する視点や顧客にも様々な分類が可能である点など先ほど私が読み取った解釈とは別の視点を提供してくれていそうです

ここで重要なのは、GPTは正解を出力するとは限らないので、あくまでも自身が見落としていた視点を獲得する為と考える事なのかもしれません

8. GPTを分析につかってみてどうだったか

まず良かった点です

1. ぼくは市場シェアと価格の分析は全くの未経験だったが、仮説を出してくれたことでどのような方針で分析していけば良いかが即座にわかった
2. データの解釈の妥当性のチェックや別視点でのデータ解釈の提案がとても便利だと感じた
3. GPTにこのようにサポートしてもらうことでせいぜい数分~10分程度で市場シェアと価格の分析に関する知見が蓄積されとても効率的に理解が進んだ
4. データ分析の初学者が使うには的確な質問を投げる必要があるのでハードルが高そうだが、ある程度の分析経験のある人が分析業務のバディとして使うなら業務効率化は達成できそう

うーんと思った点

1. 当然だけど、GPTの威力を有効活用するには、具体的にどういう質問を投げるかが重要でありその質問を思いつくにはデータ分析の経験が必須と感じた
2. よってビジネス分析の初学者がGPTを使うとアナリストと同じアウトプットが出すのは難しそう。ただし、この記事のようにGPTを使った成功事例をストックしていくことで初学者が一人で分析してアウトプットを出せるようになるかもしれない
3.
仮説リストやデータの解釈などGPTの出力が正しいかを常にチェックし判断する必要がある。これにもデータ分析の経験が必須と感じた

9. 生成AI時代のデータ分析

データアナリストがGPTを使って簡易的に分析をやってみて、今後ビジネス分析やBIと呼ばれる分野がどうなるのかを簡単に考察してみる

  1. 初学者が知識経験まっさらの状態でGPTを使ってビジネス分析をするのはハードルが高そうだが、経験者が適切にリードする、この記事のような事例を組織にストックしていき参考資料として使えるようにするなどのサポートがあれば分析経験のないBizの人でも分析を回せるようになる

  2. 分析をやったことのない人がGPTで分析するにはビジネス分析に関する知識が必要(とはいえGPTが教えてくれそうだが)

最後に生成AI時代のアナリストに求められるのは、簡単には次のようなroleなのではないだろうか

- Bizメンバー + GPTでは手に負えない複雑な分析(例えば因果推論、時系列データのモデリングetc)
- GPTを使った分析業務の設計やサポート体制の構築、GPTを使った分析結果の妥当性をチェックする仕組み作り
- Bizメンバーの分析コーチング
- 競合も生成AIを使って分析をしてると、プロダクト改善においての競合差分を生むのは人力の分析になるはず。データアナリストは競合差分を生み出す事を今以上に意識する必要がある

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