発達障害者に対する職場の本音や偏見にはどのようなものがあるか?

こんにちは。明けましておめでとうございます。ADHDのred_dash です。1月も半分を過ぎようとしていますが、いかがお過ごしでしょうか。

 今回は、発達障害者に対してどのような偏見が存在しうるか? という観点で記事を紹介します。読んでいて、私は悲しくなりました。それでも、障害当事者は職場の本音や偏見の存在を知っておいた方が良いと私は考えます。備えるためです。


「知的障害者の仕事に成果を期待しなくていい」「障害者は障害者同士で一緒にいた方が幸せ」――。あなたはこう思ったことがあるだろうか。 これは、私が障害者雇用の取材する中でよく耳にした言葉で、珍しい考え方ではない。同じような意見をよく聞いた。「面倒なので障害者と関わりたくない」のが本音だろう。
 その本音に応えるかのように今、「働く障害者」と「働く場所」をセットで企業に提供する障害者雇用の「外注ビジネス」が広がっている。
 国が定める法定雇用率を満たそうと、さまざまな業種の企業が「外注ビジネス」を利用している。そうすれば、障害者を受け入れる環境を整えることなく、数字上はコンプライアンス遵守の姿勢を示せるからだ。
 外注ビジネスの先駆けとして、人材派遣会社の子会社が千葉県内で2011年に始めた「企業向け貸農園」がある。

障害者と関わるのは面倒? 外注ビジネスで露呈した「社会の本音」(山田 奈緒) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)




「特性がある人と向き合い、『理解しきれない』という感情を抱いてしまう。発達障害の知識がありながらも、当事者と接したことがない人は、そうした悩みを持っていることがあります」 
 中尾さんによると、発達障害の傾向がみられても、医師の診断を受けていない人は「グレーゾーン」と呼ばれます。本人に自覚がないまま就職し、仕事でミスを重ねるなどして、初めて特性が判明するケースも少なくありません。その場合、人事上どう処遇するかといった課題が持ち上がり、職場が疲弊しがちなのだそうです。 
「本来であれば、当人の言い分を聞き、個性に合った教育や研修を受けてもらうべきでしょう。しかし最近は、多くの企業が人不足に直面しています。社員一人当たりの仕事量も増え、十分なリソースを割けない。そんな状況に陥っているように見えます」

配慮は大切「でも終わりがない」発達障害と就労、疲弊する職場の現実 | withnews(ウィズニュース) | 気になる話題やネタをフカボリ取材(ウニュ)


 「発達障害」という言葉はよく聞くが、どんな症状なのか。木津谷さんが企業の経営者や人事担当者が集まる場所で発達障害の話をすると、決まって返ってくるリアクションがある。「会社にトラブルメーカーがいる。きっと発達障害に違いない」というものだ。(中略)大人になるまで、これらの発達障害があることがわからないことも多い。周囲の人間関係などでカバーされていることも少なくないからだ。そもそも「発達障害」が知られるようになって日が浅い。とりわけ「大人の発達障害」を正しく診断できる精神科医は、首都圏でもまだ多くないという。
 著者自身は発達障害を「生物の多様性」と考えている。脳内の情報処理や制御に偏りがあり、「異種の脳機能」を持つので、同じ人間であっても、定型発達者(健常者)とはカテゴリーが違う。定型発達者が多数派の社会には適合しにくいというわけだ。
 多様性は、もちろん定型の人にもあるが、発達障害がある人はさらに複雑だ。同じアスペルガーに見えるAさんとBさんの特性が180度違うこともあるという。
 発達障害は先天的な神経発達障害なので、生来の特性を治すことは不可能。特性に合わない仕事をさせて「できない」と決めつけるのはフェアではないと指摘する。

「発達障害=困った人」ではない 『職場のあの人、もしかして発達障害?と思ったら』 | J-CAST BOOKウォッチ


 発達障害に対する理不尽な捉え方、偏見は存在します。正直、私も障害に対する後ろめたさや劣等感を感じることはあります。それでも「発達障害=困った人ではない」ことを私たち自身が忘れないこと、信じることで偏見は少しずつ薄れるのではないでしょうか。偏見は、偏見を信じる人が減るほど薄れます。

 障害があるから私たちが悪いのではありません。私たちが好き好んで障害を持って生まれたわけではないのです。”障害は社会と個人との間にある”だけです。堂々と生きていればいいのです。

 それでは、良い一日をお過ごしください。

red_dash

※本記事は2020年3月10日に加筆・修正しました。red_dash が2020年3月10日現在までに収集した情報に基づき作成されていますが、情報の正確さを保証するものではありません。

※リンク切れ、事実と異なる記載などを発見された場合は、どうぞご連絡ください。よろしくお願いいたします。

※3番目の記事では、職場と発達障害の関係についての本が紹介されています。興味がある方はご購入ください。


参考

障害者と関わるのは面倒? 外注ビジネスで露呈した「社会の本音」(山田 奈緒) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69028


配慮は大切「でも終わりがない」発達障害と就労、疲弊する職場の現実 | withnews(ウィズニュース) | 気になる話題やネタをフカボリ取材(ウニュ)
https://withnews.jp/article/f0191101001qq000000000000000W08u10101qq000020006A


「発達障害=困った人」ではない 『職場のあの人、もしかして発達障害?と思ったら』 | J-CAST BOOKウォッチ
https://books.j-cast.com/2020/02/24010888.html

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red_dash博士
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