Autumn leaves│Chris Whiteman
9月がはじまり、あと4ヶ月で2022年も終わってしまうんだ。
毎日は重たいけれど、振り返ると案外と軽いもんで、あっという間に日々は過ぎている。先人たちが「毎日を大切に」と言っている文句も、アラフォー来年アラフィフにもなれば、当然のように次世代に伝えてあげなければ、という不自然な使命感に駆り立てられる。だからオヤジはオッサンと言われて嫌われてしまうんだろうが、それが世の常。繰り返される所業は無情、社会の窓は開きっぱなし。
Jazzライブでは季節モノの曲をよく演奏してくれるが、セッションに行くといつでも聞けるのがこの曲。マイナーサウンドからスタートする、元はシャンソンなのだろうか、幅広いジャンルで重宝されている、数少ない曲だ。聞きすぎると飽きてしまうが、自分が演奏することを踏まえて聞くと、猛者たちに見事に思いをかき回されてしまう。こんな単純なコード進行を、なぜこんなドラマティックな表現で、後世に残せるんだろうか、と思うものもあれば、シンプルにフレーズを弾いていく猛者もいる。
後者のほうが私は好み。
脱力して聞けるし、どんなドラマがあるか、演奏者の端くれとしてはなんとなく理解できるからだ。基礎的な入り口から、「ここ聞いてよ」というところは短く的確に強調する。素敵な心がけだと思う。
猛者はアーティストの頂点で、雲の上のそのまた上にいるから、聞いてる方は恍惚になるが、そうではなく庶民的(失礼、そういう訳ではないが・・・)なミュージシャンほど、惑溺性のあるフレーズをハウスに落とし込んでくれるような気がしている。
Chris Whitemanというギタリストが好きなのだが、シンプルスタンダード曲アルバムがないので、寂しい。Youtubeでソロギターを弾いているので、ジャズギタリストを目指す若者たちに大変おすすめなミュージシャンだ。忙しくてアルバムがつくれないのか、興味がなくて作らないのか、はたまたPat Methenyみたいな楽曲ができるまで作らないのか・・・。私としてはそんなことはしなくていいので、いつでも聞けるジャズ・スタンダードアルバムを聞かせてもらいたいし、発売したら日本公演も来てほしい。
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