子供を産むことについて
私達は結婚を控えたカップルだ。
私達にはこれから無数の未来がある。
・仕事して子育てをする未来
・大きい犬や猫や文鳥を飼う未来
・田舎に小さな家を建ててのんびり暮らす未来
・お互いの趣味を一生懸命に生きる未来
共に生きるパートナーであることを確約したあとでも生き方は無数に選べるはずだ。
私は湖の近くに小さな家を建てて、在宅の仕事で生計を立て、猫を飼い、ギターを弾き、スケボーができるばあちゃんになりたいので、彼にそう所望したところ、快く引き受けてくれた。
いまは在宅でできる仕事で食べていけるように、外でも働きながらスキルアップ中である。
私は現在23歳。
友達の多くは新米社会人として社会経験を積んでる子が多いが、結婚した子や子供がいる友達も増えてきた。
みんなそれぞれの生き方があり、とても喜ばしいことである。
私は子供を産む人生について少し考えることにした。
猫や大きな犬を飼い、湖の近くに住み、ギターやスケボーをしながらでも子育てできるのだろうか。
そもそも私は子供がほしいのだろうか。
彼とは数年付き合ってきたが、子供について話し合う機会がよくあった。
まずは経済的問題、そして、私達の精神的問題、そして教育環境について、が主な議題であった。
そして、最近よく二人で考えるのは、
この世に生命を生み出すなんてエゴ以外の何者でもないのに、なぜそんな簡単に生み出すことができるのだろうか。ということだった。
子供を産みたい、というのは完全に私達のエゴである。
産まれてくる子供に両親の特徴を伝えて、経済状況を相談し、時期を決め、うちでいいですか?と聞いて産むわけではない。
そんなの子供に申し訳ないし、私達の独断で幸せにできるかもわからないこのご時世で産むくらいなら、私達夫婦は私達夫婦二人だけで幸せに暮らすのもありなのでは?と思っていた。
これまで子供を産んできた人はどのようなエゴ以外の理由を見つけたのだろうか。
そこで母に聞いてみた。
私のことをなぜ産もうと思ったの?
(これは怒って聞いているわけではないときちんと前置きをした)
母は「友達の赤ちゃんが可愛くてね〜結婚してすぐ赤ちゃんが欲しかったのよ」
と答えた。
ありがとう、とその場では答えたが、納得のいかない答えだった。
可愛いから産むのか?
友達が赤ちゃんを産むから産むのか?
まだ納得がいかない。
この世に新たな生命を生み出すことへの納得がいかない。
しかも母は壮絶な子育て経験をおくることになる。
父が最悪だったからだ。
(他の記事で紹介してますのでぜひ)
それでもあなた達を産んでよかった。
生きる糧になった。
お母さんのところに産まれてきてくれてありがとう。
などと母は言うが、
私は普通の家庭に普通に産まれたかった、と思ったことは正直少なくない。
母には感謝しているし、母の偉大さについて尊敬もしているし、今では母のもとに産まれてよかった、と思っているが、
普通のお父さんのところに産まれて、浮気や借金もせず、暴力を振るわれず、警察にお世話にならず、普通に会話のできるお父さんと楽しくお買い物とかしてみたかった、と思う日もあった。
やはり、子供を産む理由にしては「可愛いから」では少し足りないような気がする。
周りの親経験のある人に聞いた答えをまとめてみる。
・親に孫を見せたかったから
・子供を持っている友人が羨ましかったから
・昔からお母さんになりたかったから
・結婚したら子供産むことが当たり前だと思っていたから
・子供を産むと自分も成長できるから
・できちゃったから
ここまで聞いてわかった。
エゴではない理由はないのだと。
子供を産むことは完全にエゴであるのだ。
そして、最初の疑問に戻った。
そもそも私は産みたいのか。
母に孫を見せたいとか、友達が産んだからとか、可愛いからとか、関係ない。
私は私の遺伝子と彼の遺伝子が入った子供と会って話をしてみたい。
触れ合って生活をしてみたい。
彼の子供であるのなら欲しいと思う。
完全にエゴだ。
エゴであることを分かりきった上で私は彼の子供なら産みたいと思っているのだ。
だから、私達の子供は私に感謝する必要なんて1ミリもない。
産まれて少し物事がわかるようになったらきっとこう伝えよう。
お父さんとお母さんが産みたかったから産んだ。
お父さんとお母さんの遺伝子が入っているあなたと生活をしてみたかった。触れ合ってみたかった。お互いが大好きだったから。お父さんとお母さんの都合であなたを誕生させたから、あなたは私達に感謝する必要は1ミリもない。
お母さん達の都合なんだから、あなたに迷惑かけるわけにはいかない。お金も環境もしっかり準備した上で産むことにした。この社会で生きていけるだけの力をつけるまで私達が責任持って育てる。毎日ご飯を作ること、家事をすること、教育資金、すべてにおいて私達の都合であなたを産んだからこそするの。だから将来、親のために孫を見せたいとか、親のために近くに住みたいとか思わなくていい。親のためにいい子になろうなんて思わなくていい。あなたはあなたの好きなように生きて。私達もあなたに迷惑かけないように、老後の資金もきちんと貯めるから、あなたは親のことなんて忘れて好きに生きて。私達の都合であなたを産むことを選んだけど、きっと幸せに生きて。どんな姿でもどんな性格でも、私とお父さんの子供であることに変わりない。私達のところに産まれてきてくれてありがとう。愛してる。
私達はお世辞にも良い環境で育ったとは言えないカップルである。
だから、きちんとした家族の形や、教育についてはこれからしっかり学ぶ必要がある。
でも、産みたい理由や、覚悟は決まった。
あとは準備をするだけ。
もし私達の身体がきちんと妊娠出産に適している身体だとわかったなら、
私達は結婚後の未来に子育てを追加することにした。
エゴはエゴだよ。
だから幸せにする覚悟を決める。
それに見返りはいらない。
これは完全に私達のエゴだから。
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