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中途退職した小学校教師の最終日①
この記事は、前回記事の話の続きである。
この記事からでも十分趣旨は理解できると思うが、興味のある方は、ぜひ↓↓の記事も読んでほしい。
これから書く出来事は、ルール違反の内容ばかりである。
これは私自身の「感情」によって動いている行動ばかりである。
マネするなよ。バレたら間違いなく処分だからな。
【午前中】元教え子と久々の再会
出勤は、午後からだ。
なので、午前中は元教え子に会いに行くことにした。
教え子と言っても、途中で放り出した子ではない。去年まで担任した子である。
理由は、別れの言葉を何も言えなかったからだ。
私は去年まで担任した子たちが大好きだ。
素直で勉強も活動も前向き、何よりも休み時間になるといつも私の机に集まる、、、あの時間が今でも忘れられない。
そんな子たちに別れも告げずに去ってしまったことが心残りだった。
ではどうやって会いに行ったのか?
とある1人の子が、休日に開催される、とある工作教室に通っていた。
ここでは、Aくんと呼ぶ。
会社が宣伝目的で開催しているらしく、誰でも来ていいとのこと。
Aくんからずっと誘われており、教師であるときも何回か遊びに行っていた。
ここに行けばAくんに会える。そう思って向かってみた。
「勝手な感情で会いに行くってキモい大人だよなぁ」
とか思いつつも教室近くの駐車場に到着。
午前中に着いたが、Aくんはまだ来てないとのこと。
しばらく車の中で待ってみることに。
空はだんだん暗くなり、雨が強く降りそそぐ。
Aくんとの再会
1時間ほどたったころだろうか。
子どもが駐車場から走って私の車にやってきた。
目が合って、Aくんであることに気付いた。
教室の先生が、私が来たことをAくんに知らせてくれたらしく、ダッシュでやってきた。
「れれ先生。お久しぶりです。」
雨が降り続いているのに、傘もささず、丁寧な言葉で挨拶をするAくん。
実に3ヶ月ぶりの再会であった。
格好は変わらず、背丈が少し伸びたぐらい。
教室に入り、Aくんと話すことに。
A「あの、、、教師本当に辞めちゃったんですか?」
れれ「うん。12月で辞めちゃった。」
A「言いずらいと思うんですけど、担任のクラスが原因ですか?」
れれ「うん。そうだね。」
れれ「辞めたことは知ってたの?」
A「お便りをもらって知りました。最初の何日かいないときは『コロナかインフルかもね』って友達と話してたんですけど、何週間もいないときから『結構やばいやつじゃない?』ってみんな騒いでました。」
A「辞めた理由を聞きたかったんですけど、担任の先生に聞いても、教えてくれなくて。もしかしてあのクラスが原因なんじゃない?って予想してました。」
A「やっぱりあのクラス、大変だったんですか?」
れれ「うん。Aくんのときのクラスより断然大変。隣から見ててどうだった?」
A「はい。僕たちより上級生なのに、全然上級生らしくないなって思ってました。でもれれ先生がいなくなってから、すごく変わったんですよ。委員会の仕事もやってくれるようになったし。」
れれ「まあそう思うよね。それぐらい大変だったんだよ。」
再びこの場所で再会を約束することに
A「れれ先生はこの先どうするんですか?」
れれ「〇〇という場所の小学校から誘われてるから、そこで先生を続けるよ。」
A「じゃあ。引っ越して地元に帰るんですね・・・」
A「実は僕も引っ越すんです。3月に転校することが決まってしまって・・・れれ先生にこのことを伝えたかったんです。」
れれ「え!?それは残念・・・じゃあこの教室も来れないんだね。」
A「いや。この教室は好きなので、なんとしてでも来ます。そんなに遠くないはずなんですけど、まだ場所が決まってないので・・・」
A「れれ先生は〇〇だともう教室は来れないですよね・・・」
れれ「いや。来るよ。Aくんにも会いたいしね。」
A「じゃあ、またこの教室で会いましょう。たぶん〇〇くんも来れると思います。他の友達もれれ先生に会いたいって言ってますよ。」
れれ「それは嬉しいね。お互いに転校してもここで再会しようか。」
A「はい!」
その後は、前のクラスの話や趣味の話などで盛り上がり、気づけば1時間が経過していた。
こういう子どもとの雑談が一番好きだ。時間があっという間に過ぎ去る。
次の予定が迫っていたので、教室を去ることに。
教室の先生からは
「またいつでも遊びに来てください。れれ先生。」
と温かい言葉をもらった。
「れれ先生。またね。」とAくんから言葉をもらい、
教室を去った。
次に会えるのは、何ヶ月後。いや、何年後だろうか。
あと余談だが、Aくんと会ったことで、「復帰してもよかったのかな」と少し本気で思うようになってきた。
Aくんがいたクラスの思い出が一気に蘇ってきて、懐かしさともう行けない悔しさで頭の中がぐちゃぐちゃになった。
でも今更遅いし、現実を見たらそう思わなくなるだろうから、もういいことにする。
【昼】保護者とも再会
車に乗ろうと思ったとき、
「あの。れれ先生ですか?〇〇の母です。」と声をかけられた。
家に手紙を届けてくださったお母さんとたまたま会うことができた。
やっぱり学区内はすごいね。いい意味でも悪い意味でも子や親と出会う。
ここではBさんと呼ぶ。
手紙をもらったことを感謝しつつ、話題は今のクラスの話に。
どうやら、担任が変わってからクラスの空気はより重くなってしまったみたい。
生徒指導が担任になってから、とても厳しくなったみたいで、子どもへの当たりもキツいそう。
学校に行きたくないと言っている子も増えて、欠席もそこそこいるらしい。
実は私に会いたいと言っている子はたくさんいるらしく、
保護者会では「卒業式にれれ先生を呼べないんですか?」と質問があったそう。
校長は「?」のような顔をしたそうだが。
前に校長は電話で「クラスは落ち着いた。」と話していたのは、
いい意味でも悪い意味でも・・・という意味だったのかもしれない。
真実は分からないが。
私が次の予定が迫っていたこともあり、話は途中で切り上げた。
でも続きの話を聞きたかったので、次は場所を変えて会うことにした。
【午後】学校の私物引きとり
午後は元職場の学校へ行き、私物を引き取りに行った。
この日は休日なのだが、「同僚と会うと気まずいだろうから」と学校を開けてくれることになった。
今考えると、同僚に会わせないのは、校長の作戦でもあるのだろう。
会わせたくないんじゃないかな。
学校に到着し、まず、校長室で事務関係の手続きをした。
校長と会うのは3ヶ月ぶりだった。
心境を聞かれるのかと思ったが、そんなことはなく、淡々と事務手続きを行い、すぐに片付けに入った。
職員室、教室、ロッカーなどにある私物をまとめ、掃除機と雑巾できれいに。
大体3時間ほどで終わった。
最後に校長にチェックしてもらい、OKだったので、
「じゃあこれで終わりです。帰っていいですよ。」とのこと。
このまま帰ってもよかったのだが、最後に
「私が辞めたことを校長はどう思ってるんですか?」と聞いてみた。
校長の答えはドライだった。
・私はあなたと一緒に仕事ができなくて残念。
・教育公務員なら責任もってふんばって1年間はやるべきだと思う。
・あなたが休職中、クラスの子は「必死」だった。
私の気持ちに寄り添う言葉が欲しかったわけではないが、
寄り添う気など微塵もないことが分かり、
「そうだ。この感じがこの学校を辞めたかった理由だったんだ。」
とあらためて実感できた。
もう言い返す気など起きない。
だって、考えや立場が違いすぎるから、話し合う土俵にすら立ててないからだ。
「自分を守れるのは自分しかいない。」
あらためて自分に強く思った。
「そうですか。分かりました。では失礼します。」
そう校長に告げて、そそくさと学校を去った。
【番外編】翌日に保護者+〇〇に会った
上にも書いたが、翌日に担任していたときの保護者と話す機会があった。
そして、まさかの〇〇とも会うことになった。
追加で書こうと思ったが、思ったより文字数がいってしまったので、
今回はここまで。
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