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ガキ大将はどうしようもない件について

小学校のクラスには、たいてい一人はガキ大将がいる。
周りの子を支配し、ガキ大将の言うことは絶対である。

さらに、ガキ大将がクラスの空気までコントロールし、不穏な空気を作っている。


結論から話そう。今のガキ大将はどうしようもない。対処不能である。

昔のガキ大将は、教師がコントロールできた。当時は体罰に寛容だったので、首ねっこを掴んで、教師には絶対に逆らえないようにする。
その上でその子をコントロールし、指導をして、よい方向へ導けるようにしてきた。

しかし、今の時代は制御不能だ。
なぜ、そのような結論になったのかを解説する。


①教師の立場が低すぎるから
今の教師は立場が低すぎる。
体罰はダメ、強い言葉もダメ、廊下につまみ出すのもダメ、、、
昔のような、首ねっこ掴んで廊下につまみ出したら、即刻ニュースになって、教育委員会が謝罪するだろう。

では、実際はガキ大将をどうしているのか?
・信頼されるように、その子の話を聞く。
・一緒に遊んで、信頼を掴む。
・悪いことをしたら、優しく注意する。
・それでも悪いことをしたら、その子の心に響くように諭す。

・・・これだけでいかに教師の立場が低いかが分かるだろう。
ガキ大将はどうなるか?教師を舐めてかかってくる。
だって怒ったりしない人だから。

ずる賢いガキ大将は、さらに揚げ足をとってくる。
教師のルール違反を見つけて、ひたすら責める。
授業から追い出したら「そんなことしていいんですか?」と脅してくる。
ドラマのようなガキ大将は実際にいるのだ。


②親が親ではない
時代の変化で、親も変わっている。
でも、今の親は、親ではない。
親ではない親が、親をやると、子どもはガキ大将になる。
どういうことか?

ガキ大将はなぜ生まれるのか?から説明しよう。
子どもは二つの顔を持っている。親の前で見せる顔と外で見せる顔だ。

親の前で見せる顔は、その子の本性だ。だって親という最大の愛をもらえる人が目の前にいるから、甘えることができるのだ。
甘えたり反抗したりすることで、その子は親から愛を得ている。

外で見せる顔は、「良い子の顔」である。
人は誰だって、良い子でありたい。子どもも同じである。
人に優しくしたり、勉強をがんばったり、苦手なことにチャレンジできるのは、愛というエネルギーを消費しているからである。

普通はこの2面の顔を使い分ける。
しかし、親から愛をもらえなかったら、どうなるか?
他の大人から愛をもらおうとするので、外の顔が「本性」になってしまう。

教室で暴れているガキ大将は、反抗という技を使って、教師という大人から愛をもらおうとしているのだ。


じゃあ、親ではない親はどういう親なのか?
今まで見てきた中から話すと
・共働きで、子どもが寝た後に帰ってくる。
・勉強や宿題を全然見てくれない。
・休日に一緒に出掛けたり遊んだりしていない。
・親が精神疾患で不安定。
・そもそもわが子に興味がない。
などをしている親が平気でいる。

いろいろな背景があるので仕方ない点もあるが、子どもを産んだ以上は、責任をもって愛を注いでほしいところである。

つまり、
親から愛をもらえない

他の大人から愛をもらおうとする

でも教師はスキンシップができない。
(そもそも愛は注げないが)

他の方法は「反抗」をして愛を確かめるしかない。

反抗を繰り返す

ガキ大将になる
という構図が出来上がるのだ。


③子どもが多忙すぎるから

今の子どもは忙しい。ベンチャー企業の社員かと思うぐらい予定が詰まっている。
習い事はもちろん多い。週7で習い事に通い続けている子も珍しくない。

帰宅が21時を超える子もよくいる。
そんな子は、そこからごはんを食べて、宿題をして、明日の支度をして、風呂に入って、、、と続き、寝るときには日付を超えている。
そして、6時とかに起きて、学校へ向かうのだ。
明らかに多忙である。心の余裕がない。

小学生は、習い事でスキルを身につけるよりも、社会に出るために。いろいろなことを学ぶ大切な時期であると思う。
人との付き合い方、いじめをすると人は傷つくこと、食べ物を残したらもったいないこと、社会は協力し合わないと生きていけないこと、、、など様々だ。
(よくこのことを「ソーシャルスキル」と言う)

その大切な時期を習い事で詰めると、子どもは習い事中心の生活になる。
そして、社会に出るためのスキルがいつまでも育たない。
だから、現代の子は平気でごはんを残すし、ケンカをしたら仲直りもできない、他人と協力し合おうとしない、平気でいじめをする、、、

子どもの多忙化については、そろそろ法整備をすべきだと思う。
資本主義のよくないところだ。


④そもそも障害である可能性も
「発達障害」。一度は聞いたことがあるだろう。
ADHD、ASD、ギフテットなど、、、近年では有名になった。

そもそもガキ大将は発達障害の可能性がある。

「ケーキが切れない少年たち」という本が一番分かりやすい。

非行や犯罪をする少年少女に、ケーキを3等分する問題を解かせる。普通はベンツマークのように書くが、めちゃくちゃな切り方をする子がいるという。

そんな子は、私たちの当たり前が当たり前ではない。
その当たり前を私たちは押し付けてしまっていることがある。
押し付けられた子は、いつまでも「普通」ができない苦しみから、反抗することしかできなくなる。
こうしてガキ大将が生まれることもある。

別に発達障害が悪いわけではない。
発達障害に気付かず、大人が叱り続けてしまい、その子自身の辛さに誰も寄り添えないことが問題である


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