【ネタバレあり】終わる世界とバースデイ Happy Birthday, Epilogue 感想
HAPPY BARTHDAY
未来へと続く願いの言葉……。
・トウヤたちの業
事故が起こるまでの経緯を見てきましたが、正直誰も悪くないのが何とも言えない閉塞感があるなと思いました。
トウヤたちは入莉に会いたいと思うのは、当然だと思いますが入莉を復活させようとすることで入莉の死と向き合うことが出来ずに停滞してしまっていたように思います。
入莉の意識体、クローンをいくら作っても本物の入莉にはなりえないことを二人のトウヤは薄々感じつつも後戻りできなくなっていたように感じます。
その結果生み出されたのが、カサンドラ・意識体入莉・織塚でした。
これは悪いことばかりではないのですが、悲しみを多く彼女たちに背負わせてしまった業を二人は背負っていかないといけないものだと個人的に感じました。
・入莉(意識体)
トウヤたちが知る入莉のことを私自身、この終わる世界とバースデイのプレイヤーはそこまで詳しくしりません。知っているのは意識体の入莉ちゃんです。
世界が終わる中で冬谷が入莉のことを意識体としてみることができ、冬谷イリとして名前を付けたシーンはとても良かったです。
・エンディング
HAPPY BARTHDAYのシーンは最高すぎました。
『今日からまた、新しいあなたの始まりですね』
トウヤがイリに新しい名前を付けたように、誕生日が来るたびに新しい自分が始まるという表現が詩的ですごく心に来ました。
『忘れないでください。
わたしの未来は、あなたと共にあるということを』
このセリフは「レコンキスタ」でもあった魂の継承を感じさせるセリフでした。どんな辛い現実であっても未来へ、幸せへと向かっていく、そんな力強さを感じられる言葉だと思います。好きなセリフです。
・まとめ
粗削りやご都合展開な部分も多少ありましたが、世界観や雰囲気、展開、CGなど光る部分も多くありプレイして良かったと思える作品でした。
なんといってもラストシーンのHAPPY BARTHDAYのシーンはすごく良かったです!
全体的に完全なハッピーエンドではなく、どこか暗い雰囲気も常にありましたが、これもこの作品の味だと思います。
世界が終わっても、次の始まりに向けて……Happy Birthday!