【ネタバレあり】蒼の彼方のフォーリズム みさきルート 感想

あおかなのみさきルートをプレイしたので感想を
明日香ルートは、ド真ん中ストレート王道スポコンだったのに対して、
みさきルートは、他人と競うことの恐さに向き合った心理的な強さを垣間見えるようなお話でした。


みさきについて

彼女は正直作中でも言われてましたが、良い意味で面倒な女の子でした。
明日香は楽しいことにまっすぐで明るい女の子だったのに対し、みさきはどこか飄々としていて、でも負けず嫌いで弱さを隠しながらも必死にもがいていた女の子でした。
あと、おじさんみたいな変わったことをいう子だなとも思いました。
(そこが良いのですが)
とにかく弱い部分が前面に出ていて、そこが魅力的に映るように描かれていてとても良いキャラだと思いました。

物語全体のながれについて

晶也の幼いころの挫折の原因になったのがみさきだと分かるシーンは良かったです。
徐々にヒントをストーリーの中で提示していき、確信へと変わる流れは読んでいて予想はできるものの、これが分かったときに晶也とみさきはどう反応するんだろう……とワクワクしながら読むことができました。
(そのシーンが夕方の誰もいない学校の教室という場所なのもノスタルジーな感じが出ていてすごい良かったです。)
そして、そのあとの晶也の「挫折した責任をとってもらうぞ」というシーンはFCをやめようとするみさきに対して晶也とみさきで重なる部分があることを実感させられてすごくよかったです。
(そのシーンの中でも特に、晶也が「俺を助けてくれ、みさき」というシーンが晶也の情けなさ、弱い部分をみさきにさらけ出し、それにみさきが「ーーいいよ」という流れがお互いの似た者同士の同盟というか少し歪だけどより深い関係性になるのに一役買っていて見ていてすごい良い話の進め方だなと思いました。あと、後ろで流れている落ち着いた雰囲気の主題歌もめっちゃよかった。)
ここで、物語として晶也とみさきが「FCに対するマイナスな感情に対して目を背けなくてよい場所に行けるか?」というセントラルクエスチョンが提示されていて、これがラストシーンに繋がっていくのも全体として話を見た時によくできているなと思いました。
そして、みさきが明日香との試合前に大事なことに気づくシーン、試合に負けたくなくていつも逃げたいと言っていたみさきがどんなことに気づくのかなと思ったら「勝つことはどうでもよくて、勝ちたいという気持ちがあたしにとって大事なんじゃないかってそう思う」と言われて晶也と同様最初は理解できませんでした。
ですが、試合を通して明日香が何をしてくるか分からないことに対して、恐れを感じつつも楽しいと思ったところで晶也が「勝ちたいって気持ちが好きなんだ」と気づく場面、そこで晶也は恐れというかプレッシャーというか、マイナスの感情と向き合うことができたのかなと思いました。
そこからの熱い試合展開、そしてそれに合わせたカットイン演出、シネマティックノベルとspriteさんのほうでは称されていましたが、その名に恥じない良い演出で心が躍りました。
そして、真藤さんとの試合後の会話で真藤さんも試合に対する恐さを持っていることを晶也は知ります。結局恐さはみんな持っているものであったのです。
最後のシーンで晶也は恐れを持ちながらも飛ぶことを決意します。
この真藤さんとのシーンがあったことで、自分の中の恐れの感情に整理を付けて飛ぶことを決意したのだと私は思いました。
(最後のシーンが晶也の幼いころのみさきとのFCをするシーンの焼き直しになっているところもエモくてめっちゃ私的にポイントが高かったです。)
そして、今度はみさきが晶也を空へと連れていくというラストが、もう対比とか色々ここまでの展開が相まって綺麗な流れになっていてとにかく最高でした。
(エンディングのみさきの曲もめっちゃよかったです)

まとめ

蒼の彼方のフォーリズムのみさきルート、正直めっちゃよかったです!
音楽も演出もイラストもシナリオも全部ピタッとかみ合っていて、今まで見てきたストーリー・ノベルゲームの中でもトップクラスの出来でした!
EXTRA2もどんな話かは詳しくはしりませんが、ものすごくやりたくなりました!(晶也が選手復帰とかしてくれたら個人的に胸熱展開です!)




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