Column Vol.7 〜DXとGX デジタル化と脱炭素化社会に向けて DXについて・前編〜
こんにちは、レラテック株式会社の中里です。レラテックでは、風況調査に係る観測や解析、シミュレーションを広く担当しています。
世界中で洋上風力開発のプロジェクトが着々と進行している中で、AI技術が飛躍的に向上しています。昨年末に米OpenAIよりリリースされたChatGPTは、まるで人間のように自然な対話形式でAIを使うことができるツールとして、話題を呼んでいますよね。
さて、今回私がレラテックのコラムで紹介したいトピックは、「DXとGX デジタル化と脱炭素化社会に向けて」です。
デジタル技術の発達に伴い、企業のビジネスに取り込み新たな価値を創出する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の重要性が叫ばれて久しいですが、その一方で、レラテックが取り組む再生可能エネルギーにも関連する、世界的なカーボンニュートラルの潮流の中において「GX(グリーントランスフォーメーション)」というワードも頻繁に聞くようになりました。
これら両ワードですが、恥ずかしながらそれぞれが持つ意味とその活用法についての実例を調べたことがありませんでした。
今回は私自身の勉強の意味も込めて、このトピックについて考察できればと思っています。
まずは「DXについて」のコラムです。前編・後編に渡って、そもそもDXとは?とその実例をお届けします。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXとは、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念で、直訳すると
”ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる”
という意味になります。
かなり広義的な意味を持ち、ビジネスの領域に限った話ではなく、人々の生活全体に焦点を当てていることが特徴になります。
日本では、DXの焦点をビジネス領域に当ててわかりやすく定義したものが、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」(通称 DXガイドライン)として、経済産業省より2018年12月に発表されています。
それらには、
”AIやIoTなどの先端的なデジタル技術の活用を通じて、デジタル化が進む高度な将来市場においても新たな付加価値を生み出せるよう従来のビジネスや組織を変革すること”
と記載されており、より具体的な行動や目標がガイドラインとしてまとめられ、企業のDX化を後押ししています。
DXと似たような意味で扱われるワードに「デジタライゼーション」というものがありますが、これはデジタル技術を用いて、電子化や自動化を行うことによる効率化が目的になるので、デジタライゼーションはDX化を行う上での一つの手段になります。
つまりDXは、業務そのものの変革や新たな付加価値の創出を行う、「変革」を目指すことが目標であると考えます。
進化するDX
株式会社野村総合研究所のホームページにて、DXの手順をわかりやすく解説していますので、参考資料としてご紹介します。
ここでは、DXの「変革」について複数の段階に分類し、それぞれの変革において実現すべき項目や目指す成果についてまとめられています。
今回いろいろと調べる中で、DXの実現においては、まずは一つ一つの「変革」を確実に積み上げていくことが重要であると実感しました。
特にDXのキモでもある、「ビジネスモデルの変革」については、前段のプロセス変革やインフラ変革が確実に達成された上で、初めて成功に繋がるのではないかと思っています。そのためにも現状のビジネスモデルの見直しやプロセスの理解は、DXの実現に欠かせないと実感しました。
次の後編では、DXを実現したさまざまな業界の事例をご紹介します。
レラテックでは風況コンサルタントとして、風力発電のための「観測」と「推定」を複合的に用いた、最適な風況調査を実施いたします。