見出し画像

Squarespaceで作る音楽アーティスト向けウェブサイト ep.02

Squarespaceを利用するきっかけ

その存在は以前から知っていました。NY発のSaaS型サイト構築サービスでオシャレなビジュアルで海外でよく使われている。くらいで特に使い道も見当たらず。どちらかと言うとShopifyでも同じことはできちゃうし。日本語もサポートされてないし、検索しても情報がまず見当たらない。使う予定もないのにお金は払いたくない。

ある日、クライアントの音楽レーベルから相談があり、サイトをリニューアルしたいと。理由はTumblrベースで10年経過して、そろそろ時期的にストリーミングのウィジェットとか埋め込みたいからであった。その条件は「低予算」「EC機能は必要がない」「作品数が100点以上」「こちらでも操作したいが、できれば更新作業もおまかせしたい」

一言だけ言わせてもらえば「その予算でウェブサイト構築費込と年間管理費だと採算合わない」まぁ音楽レーベルの出せる予算は、IT業界3年目エンジニアの日給程度なのかと。断っても良かったが、バーター的な案件もあるし。採算度外視でしたが、頭を下げてお受けしました。

WordPressでする程でもない

サイトを作りたいとなると、まず思いつくのは「WordPress」でしょう。ただ予算・管理的にWPにすると後々面倒臭そうなんで躊躇しました。月額2,900円の「WordPress.com」使っても、月1回程度の更新しかないのに?ってなるしなぁ。他の音楽レーベルって何使ってるのかなとググって、コード見ると「WP」もしくは「Shopify」が大多数。

そんなとき、「Bandzoogle」と言う音楽業界に特化したサイト構築サービスを発見。早速サインアップして試してみると……

遅くて使いづらい。アカン。テンプレ古い。3時間でお別れ。

日本語対応している「Wix」も良いけど、テンプレ変更するの難しいし。動作的にもっさりしてる印象があったので、スルー

「Studio」「Webflow」は使ってみたいけど、逆に良すぎてこちらがじっくり触りたいから保留。

そしてSquarespaceと出会ってしまった

英語圏では「Wix」と比較されてるのが「Squarespace」だったので、サイトをチェック。あら?驚くほどスタイリッシュ。決定的だったのはこのCM

やばっ!ZendayaとAndré3000が出てる!

特設サイトもSquarespaceで稼働させてるの?素敵やん!

価格は「月額$14」(現在は$16。当時の為替レート114円)しかも30%ディスカウントクーポン出てるやん。ドメイン込みで年間コスト15,000円以内で収まる…… EC機能は要らん。3日で作ったら予算はクリア。(本業はヨーロピアン・ジャズの制作ディレクターですが?何か?)

14日間お試しあるし、アカウント作って触ってみましょう。

「流石に3日で作れるわけないかぁ。100アイテム登録有るし。」
と、テンプレ見たり、ダッシュボード触るくらいで……

あかん。楽しいわ。こんなんできるやん!

そんなこんなで作業に没頭し、サイトを作るお仕事は14日で無事に片付きました。表示される部分は日本語使えて特に問題なし。

独自ドメイン取得して、おまけでSEO対策もして、サイトを公開して……
(やればできる子)

おしまい。

おいおいおい。ただのサイト作った自慢やんけ!

と、なりますが、本当に凄いのは2022年夏のアップデートからでした。

その名もFluid Engine

ShopifyのコードはLiquid「液体」、ヘッドレスコマースのフレームワークはHydrogen「水素」。で、こっちはFluidは「流体」の意味。ドラッグ・アンド・ドロップでサイトをリアルタイムで作っていく感覚。スライドでプレゼン資料書くようにとにかくレスポンスの速さが半端ないです。ノーコードもここまで進化したのかと。とにかくスムースに素早く進行できてしまう。

ここまで読んで「ちょっと気になるな」「試してみようかな?」ってなりました?まだまだ書ききれていない部分ありますが、来年までのロードマップではさらなるアップデートが用意されており、機能面も改善されていきます。

検索しても日本語のリソースありません。
ご興味のある方は一度試してみませんか?お問い合わせください。

EC機能はちょっと残念

ビジネスプランの中にはEC機能も付いてます。しかし国内利用には向いていないのが実感です。理由は会員登録、チェックアウト画面が英語表記でシステム上カスタマイズが不可能な点。Shopifyでも姓名が逆で国内では使えないアプリがあるのと同じで、使えないところ。プランと別にメンバーシップ機能の有償オプションも寄付機能もありますが、基本的に決済や登録に関係する部分は全て英語のみです。

それとSquarespaceがターゲットとしているEC機能は「オンラインサロン」や「レストラン予約」などのサービスを販売することを目的にしています。
モノを売るのであれば、Shopifyの方が断然使えます。ShopifyアプリのようなAdd-On的なプラグインもありますが、種類も少なく特に入れなくても問題ないようなものばかり。決済方法はPayPalとStripeが使えます。

別オプションでメンバーシップ機能もありますが、有料会員機能の場合はPatreon使ったほうが良いかも。

サポートしている言語の国限定で越境ECサイトを作るのには向いてますが、正直言ってShopifyのBuyButton付けるほうが簡単です。(それならShopifyで良いやん。ってなる。)

これはアイデア次第で何にでも使える

そりゃ海外アーティストが使うわなぁ。と感心するばかり。
サイトの作り方は全く新しいものの、慣れれば簡単。(英語でも)
LP制作業者にもこっち使ったほうが良いですよって教えてあげたいくらい。
月額9,800円サブスク感覚でサイトが持てます(30社限定)の動画広告が高く感じるくらい。

ここまで進化するとワクワクしてきます。
ちょっと長くなりましたが、次回は事例紹介します。

次回に続く