不妊のこころ (6)「二人目はまだ?」攻撃

 不妊治療でお子さんを授かったある女性は、出産後に近所の人にこう言われ、がくぜんとしたそうです。「かわいいお子さんねえ。で、2人目はまだなの?」

 彼女はこれまで、さんざん「子どもはまだ?」攻撃に苦しめられてきました。大変な不妊治療を経て、出産し、ようやく、もう子どものことは言われないだろうと思っていたのに、「2人目はまだ?攻撃」が待っていたなんて! 今度はこのプレッシャーと闘わないといけないのでしょうか。

 本当に余計なお世話ですよね。お子さんがまだいらっしゃらない不妊の人からは「1人いるからいいじゃない」と言われ、きょうだいがいる人からは「きょうだいがいないとかわいそうよ」「一人っ子はわがままに育つから…」と、しきりに2人目の子どもを持つことを勧められるのです。

 不妊治療でお子さんを授かったご夫婦にとって、2人目のお子さんを考えることは、またあのつらい治療の日々を繰り返さなければならないのかと、その道のりの長さを思い途方に暮れるかもしれません。また、あまり知られていませんが、1人目は自然妊娠でも、2人目が授からないというご夫婦もいらっしゃいます。

 「2人目不妊」の方の居場所は本当にありません。どこにも属することができない、よるべない孤独感が彼女たちを襲います。お子さんがいるご夫婦でも不妊で悩んでいる可能性があるのです。このような「見えない不妊」の存在も知ってほしいと思います。


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