8時15分 ヒロシマ 父から娘へ
現在「8時15分 ヒロシマ 父から娘へ」という映画が公開されています。
私も先日鑑賞してきました。
私自身広島出身ではありますが、両親ともに広島以外の出自のため、血縁者に被爆者はいません。ですが広島の子どもたちは、小さいころから学校で平和教育を受け、原爆の恐ろしさについての知識は備えています。逆に東京に来てから思うのは、原爆のことを(じゅうぶんに)知る人は少ないということでした。
この映画は、被爆者である美甘進示さんの壮絶な体験をモノローグによるドラマとインタビュー映像を中心に、リアルな映像表現と巧みな場面構成で描いた短編です。
実は、進示さんのお嬢様で本作品のエグゼクティブプロデューサーを務められた美甘章子さんは、私が不妊カウンセリングの研修でサンディエゴに短期留学した際に大変お世話になった臨床心理医の先生なのです。まだ心理臨床家として駆け出しの私に、プロの臨床家とはこういうものだという姿を強烈に印象付けてくださった大恩人です。
いつもエネルギッシュでさっそうとした美甘先生の背景に被爆二世という出自が強く影響していること、その影響は決してネガティブなものではなく、レジリエンスとゆるしを獲得するためのものであったことを知り、映画を見て納得することしきりでした。
この映画の原作本は出版当時にすぐ読んでいたので内容自体は知っているものでしたが、映画はまた違った気づきや思いを与えてくれるものでした。
全国の単館系の劇場で上映中です。ぜひ多くの人に見てもらいたいと願っています。
原作本はこちら