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アテンション・エコノミー(#7)
アテンション・エコノミー(注意経済)という言葉を知らなかったのですが、最近知ったので思ったことを書きます。
アテンション・エコノミー(英: attention economy)とは、インターネットが発達するなどした情報過多の高度情報化社会においては、情報の優劣よりも「人々の関心・注目」という希少性こそが経済的価値を持つようになり、それ自体が重要視・目的化・資源化・交換財化されるようになるという実態を指摘した概念[1][2]。関心経済(かんしんけいざい)とも。
本来、価値がない物が価値を持ってしまった。ような現象だと思います。ただ、いったん価値を待ってしまった以上、それは社会の中で交換されてしまうという重大な問題になってきます。貨幣が貨幣である理由と同じように、きっかけや起源がどうであれ、人々に認知され、流通してしまうと、中身がなくても、偽物でも、それが本物になってしまうのですね。これは、『ある災害が起きたら◯◯が店頭から消える!』という現象にも近いです。その嘘情報によって◯◯がお店から少なくなり始めると、次の段階には買い占めによって本当になくなってしまいます。
いま現在、個人事業主や中小企業の経営者の方とお話すると、いかに人々に認知させるか、広告やSNSなどでいかに目立つか、を重要視され力説される方が本当に多いです。落合陽一さんはYouTubeの『NewsPicks』の中で、アテンション・エコノミーを"人気の奴隷"と表現されていましたが、まさにその状態だと感じます。私も実店舗を運営していたこともあって、色々と思うことがあります。
リアルで会って、対人で本質的な話をしようとした時に、なかなか伝えられないもどかしい場面というのが幾度となくありました。場当たり的な、打ち上げ花火のような手法が一番。という風潮は本当に危険だと思います。(短期的に見ると正しいは正しいですが)怪しい詐欺まがいのことに引っかかるリスクも高いです。
ただ、そこを避けていかに経済活動するか、という問いに対しての答えは非常に難しいような気もします。なにより付け焼き刃では通用しないので、売上が出るまでに時間がかかります。閉塞化し、経済成長がストップした社会ではより一層、難しい気がします。SDGsや生物多様性、自然農法、自然食品、自給自足生活、教育すらも、大きな畝りに取り込まれて、商品化されていきます。
もっと抽象的な範囲を扱った、言葉や知識、概念、思考こそが、商品化しづらい最後の希望なのではと思いますが、商品化しづらい=売上が立たない。ということにも直結するので、まだまだ、深く研究する必要がありそうです。
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