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お店は、街に対して出してくれるベンチのようなもの

小さい自治体でもリアルな空間に、カフェ、飲食店などお店を出される方々はたくさんいます。
お店だけでなく、起業して各種イベントやサービスを作る方もいます。

おそらく単体で計算すると、採算性はあまりない事業も多いと思います。
かといって、無関係な人間が『儲からんぞ』と、そこ指摘しまくる。というのは、完全に、高見の見物の消費者&労働者の思考です。

マイパブリックな空間は、初めはそれ自体で稼げないのは当たり前です。
もちろん、『これで一儲けするぞ』という店主もいると思います、大手企業なら当たり前ですが。
しかし、大多数の個人事業主はおそらく、自分やその他大勢のためです。
地域や身の回りの活気や繁栄、生きやすさのためです。

ベンチや公園の目的に近いと思います。

サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて』のなかで、主人公ホールデンがなりたかった者は、ライ麦畑で遊んでいる子ども達が、崖から落ちそうになると、捕まえてあげられる存在でした。
歩哨のような存在。
境界と境界の間に立つ存在。

一つのことが、連鎖して、大きなうねりに変わることがあります。
きっと、原因と結果の関係はもっと複雑で、何が原因で、何が結果かなんて判断ができません。

誰でも腰掛けられるベンチを作ることは、すごく大変で、すごく時間もエネルギーも使います。

理念や思いだけで起業してはいけない。お店を出してはいけない。という人間は山ほどいますが、再起が図れる範囲内でやるのであれば全く問題ないと思います。
何が成功するかなんて、わかる人間は一人もいないですし、成功の定義も期間もバラバラです。

歩哨がいなくなったとき、そこには誰もいなくなります。


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yuta / Asyl Plus Project
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