~阻むなら、壊してしまえ、そのバリア~ ☆6野良レイドの立ち回りの新理論
野良レイドにおける新理論確立に向けて
はじめに
こんにちは、ご無沙汰しておりました、たろすです。
以前に野良レイドに対する独り言をひっそりつぶやいた訳ですが、今回はちょっとした研究課題が降ってきたのでその検証結果と育成論を書いていきたいと思います。
タイトルはワンパンとは対極の速攻戦術「最速テラス論」及び「準最速テラス論」です。
前置き 「最速テラス論」「準最速テラス論」とは?
最速テラス論とは野良レイドにおいてポケモンを可能な限り「攻撃技のみ」で構成し、攻撃以外の行動を可能な限り縛る戦術を指します。
つまりポケモンのフィジカルのみで殴り掛かるため変化技や応援回復などは原則として使用しません。
最短の手数でテラスタルを行い、ほぼポケモンのフィジカルだけでバリアに切り込み破壊します。
また積み技などの変化技を(可能な限り)縛るという原則上、基本的に高耐久、高火力のフィジカルに優れるポケモンに有効な育成論であり、いままでテラレイド適性が無いといわれてきた「伝説のポケモン」に対して有効に働く理論となります。
準最速テラス論の場合は上記に加えて「変化技、応援などのチャージを行わない動きを1度だけ使用を許した上で行動を効率化する理論」で、デバフ+バリアへの切り込みに加えて「つるぎのまい」等の1ターンでバリューを大きく出せる技の利用を考えます。
ただし☆6レイドはバリア破壊がしっかりしていれば試合展開が極めて高速化することを考慮すると、テラスタルが1ターンでも遅れるだけで試合展開にそのまま置いていかれる現象すら発生しうるので最速テラス論は野良レイドにおける「フィジカル重視で最速最短を目指す立ち回り」、準最速テラス論は「技重視で対応力を意識した最短の立ち回り」という考えになります。
この後の背景考察がかなりの量になってしまったので早速だが長ったらしい前置きをすっ飛ばして本題を見たいという方は目次より(本題)までスキップしてください。
最速テラス理論考案の背景
背景1、変化技とテラスタルの関係
まずテラレイドの原則として覚えておかなければならないのは
テラスタルには「攻撃でダメージを与えると得られるチャージ」が3つ必要です。(チャージを奪われると1減る、無効化されるとチャージは貯まらない)
ポケモンの「タイプ・使用技」と一致するテラスタルでなければバリアに対して有効な火力を出せません。(使う技とテラスタルが不一致の場合はダメージが大幅に軽減される)
以上のルールにより変化技とテラスタル速度はトレードオフの関係にあり、基本的に変化技や応援など「ダメージを与えない行動」を行うほどテラスタルできるターンが遅くなります。
積まずに殴るという事はテラスタルが早くバリアに有効ですが、序盤での火力には全く期待できないうえ「並みのポケモンではこれをやるとカスみたいなダメージで終わりかねない」というリスクもあります。
また、反対にデバフをしたり積むという行為はダメージを上げる目的としては有効ですが、つるぎのまいで6段階まで積むという事はテラスタルまでのターンがつるぎのまいを使用した3回分だけ遅くなるという事を意味しており、「テラスタルができないということは確実にバリアに阻まれる」ためバリアに到達するとテラスタルできるまで途端にダメージが出せなくなるデメリットを負います。
最速テラス論の趣旨の理解にあたり、
「変化技とテラスタルまでのターン数はトレードオフの関係にある」をという事だけでも是非覚えていただきたいです。
背景2、野良レイドの現状
テラレイドは詳細な仕様について「ゲーム内でもまともな説明は何もしてくれない極めて不親切な設計」であるために、ライト層や中級者レベルであっても「チャージ」「テラスタル」「バリア」の3つの要素の関係についての理解が進んでいないと思われます。
そのため
「野生の光個体」、「テラレイド産の流用」でどの道テラスタルが不一致なので最初からテラスタルを使用する気がない。
たとえ一致テラスでチャージが溜まっても「テラスタルとバリアの関係すら知らない」のでテラスタルの存在すら忘れている。
「ワンパン」以外に倒し方が分からず、ワンパン戦術やアシストパワー戦術等を用いてひたすら積んで(デバフして)火力を過剰に盛ってからでないと殴らないため、いつまでもテラスタルチャージが貯まらない。
と言った風に「程よく積んで手早くチャージを貯め、可能な限り一致でテラスタルを使用する」という仕様に基づく最適解を求めるような考えがないため、この上記のいずれかの極端な動きをするパターンが多い傾向にあります。
つまり上記の通りでチームの誰もがテラスタルをしない状況になると
「時間制限があるのにいつまでもバリアに対する有効打が撃てない」
→「応援切れ等による耐久限界がきて瓦解」
→「火力も耐久も足りずあえなく時間切れ」
という悲惨な連鎖反応に陥るわけです。
なので、「積みすぎ、積まなすぎはあるのか?」という疑問から、「どの程度積んでから殴ると最適なのか?」というのを突き詰めた結果が今回の「最速テラス論」及び、「準最速テラス論」となります。
背景3現状の役割の限界
テラレイドでは「現状の役割(戦術ロール)」としては大まかに以下のものがあると考えています。
積みアタッカー
カイナなど積み技が主軸となるアタッカー
攻撃が仕事であるため味方を守る能力は無く、またはらだいこ以外は積みすぎるとテラスタルが遅くなりがちという弱点もあります。
また回復手段を持っていなければ体力は減る一方になるため必然的に支援無しでは生存不可能な場合も多いです。
対応範囲:短期~中期戦サブアタッカー
アシボなどのデバフを得意とするアタッカー、サポーターであるが一応テラスタルによるバリア破壊による後半の攻めもある程度請け負います。
構成上、攻撃と防御の切り替えができるため幅広い状況に対応できるロールですがどうしても技スペが足りないので火力と耐久のどちらかが中途半端になりがちなのがネックです。
対応範囲:短期~中期戦純サポーター
「ひやみず」「バークアウト」等、サポートにおいてキーとなるデバフによる火力抑制を行う特化型のサポーター、基本的にバリア破壊に貢献しないためテラスタルをしない味方が来ると時間が切れになりがちという明確な弱点がある上、使用者の盤面管理の技量が問われるのが特徴です。
「特定相手の封殺」や「耐久難の味方を救う事」においてはピカイチであり、対応力のおかげで常に野良レイドにおいても一定の需要があるため、最も汎用性が高いロールと言えます。
対応範囲:中期~長期戦火力強化サポーター
「デコレーション」「らいめいげり」「アシッドボム」「コーチング」など防御デバフや味方バフを用いて味方の火力を能動的に上げる手段を持つサポーターであり、バリアの影響を受けない火力強化の手段を持つタイプを指します。
「バリア貫通という強力無比な効果」を持つ分、使い手が限られており、また火力強化を含めた高度な盤面管理能力を要求され、全体的にポケモンの癖が強い傾向にあるため、運用難易度が非常に高いのがネックです。
対応範囲:ワンパン・速攻~中期戦ワンパン狙い
いやなおと、うそなきなどの変化技デバフを多用するサポーターおよびアタッカーを指します。最初からワンパン狙いのため「後先を考えない短期決戦の戦術」が多くワンパン失敗時のバリアの影響を大きく受けてしまいます。
マルチを前提としながら失敗すると立て直しができないため「ワンパン準備中に攻撃をする人=ワンパンの邪魔をする余計なことをする人」であり火力強化以外はお断りという極端な味方への戦術のニーズを持っています。そのため基本的に味方との統率の取れない野良レイドにおいては相性の良い味方が極めて少ないのが実情です。
注:純サポーターは火力は出さないのでギリギリ余計なことはしない判定とします。
対応範囲:ワンパン・速攻持久戦狙い
「アシストパワー」、「ドレインキッス戦術」や「てんねんドオー」といった遂行速度を犠牲に生存を優先した戦術です。
見た目ものほほんしたポケモンが多いだけあって「耐久は抜群だがあまりにも遂行速度が遅いため」遂行速度の速い戦術がすべてがかみ合いづらいです。
サポーターで守る場合もサポーターの方が先に力尽きる場合もあるため応援などの有限リソース管理に注意が必要といえます。
対応範囲:長期~超長期戦火力難の初心者(火力無し、耐久アリ)
初心者が使う「カイリュー」「メタグロス」がわかりやすい例です。
有り合わせのレベル技や抜群を突けるだけのサブウェポンでひたすら殴るだけであり、尚且つそのポケモン自体がレイド産であることも多いためテラスタルも最初から使わないか使っても不一致テラスが殆どです。
下手をすればレベル不足、物理特殊の技分類を間違える、タイプ相性や一致技ボーナス、果てには技威力すらなど完全に無視する等、ポケモンの攻撃面の基本にすら全く沿っておらず、技威力を犠牲にする方法をすべてやってしまうため火力自体が皆無な事例すら少なくありません。
ただしそういう初心者に好んで使われる大柄なポケモンはなんやかんやで耐久は硬く生存はするため、攻撃力をあげる火力サポーターの恩恵を受けやすく、反対に生存力を重視する純サポーターの天敵と言える存在です。
対応範囲:超長期戦耐久難の初心者(一応火力あり、耐久不足or自爆型構成により耐久ナシ)
初心者が使う「リザードン」、「マスカーニャ」、「ルカリオ」等がわかりやすい例です。
選出におけるタイプ相性を誤っているか元々のポケモンの耐久が極端に低い、もしくはリスキーな高威力の技を躊躇なく使い、挙句の果てにインファイトやフレアドライブで自爆を行うため、とにかく自分からデス数を稼いで制限時間を問答無用で奪うため意地でも長期戦をさせてくれない存在です。
ただし初心者のポケモンであれば必ずしも積み技を使うわけでもないため耐久難のポケモンで出せる火力自体は基本的にたかが知れています。準サポーターで生存させてあげるか自爆なら火力を盛って自爆1回あたりのバリューを高めてあげるのが基本的な対処法です。
対応範囲:短期戦
特にこのロールの中で野良レイドとは切っても切れない初心者には「火力難の場合」と「耐久難の場合」の大まかに2系統があると考えており、耐久難の場合は耐久を、火力難の場合は火力をそれぞれ補うべきというのが今までの考えでした。
しかし、この補助の仕方ではテラスタルをするかどうかを「完全に味方に依存している状況」にあるため、誰もテラスタルをしない場合はたとえいけいけドンドンを維持して火力サポートに徹したとしても他人のテラスタルが溜まり次第切らない以上、依然としてバリア破壊という側面では苦しい状況に立たされます。
また、サポーターはテラレイドで最も重要な「テラスタルが他人に依存している」という問題を抱えているにも関わらず、反対に「バリア特化して対処するための役割」というものが存在していないのも現状の主な戦術ロールの大きな問題点と言えるでしょう。
戦術ロールどうしの相性表(個人の独断と偏見)
◎戦術的にシナジーがあり噛み合う、極端な事例を除きキャリー対象
〇戦術的にやや噛み合わないが戦術の衝突もしない、多くの事例でキャリーできる。
△致命的に噛み合わない部分があり、戦術目的どうしの衝突が起こる。一応キャリー可能
✖戦術目的が合わず互いに足を引っ張るため両立できない
ただし、この野良の即席チームにおける「サポートのニーズを読むこと」自体がテラレイドをやりこんでいないと相当困難なのものあり、理論を突き詰めるほど高等テクニックである実態が明らかになってきたため中級者やライト層にはあまりオススメできる代物ではありません。
あとワンパン狙いの項目を見ていただくとわかる通り、「大多数の味方とかみ合わない非常に孤独なロール」であることが分かります。
つまりワンパンは「同じタイプの味方とのみ」相性が良く、味方の協力ありきが前提となるのでみんなの統率が取れず各々が好き勝手に動く野良レイドはこのうえなくワンパン狙いには向かない環境なのです。
それでは表に最速テラスを入れるとどうでしょう
バリアを真っ先に破壊するためテラスタルが遅い、しない味方であれば多くの場合で噛み合います。ただし、ワンパン狙いの戦術は最速テラスの対極の存在であるため、殴ってバリアを誘発する狙いである以上は共存は不可能という点に注意しましょう。
(本題)最速テラス論の実践法
そもそも最速テラス論の実践にはどういうポケモンが向いているのか?
最速テラス論の実践のためのポケモン選びの一番の前提としてズバリ種族値が高い(フィジカルに優れている)ポケモンを使うことです。
また変化技をあえて縛る関係上、積まなくても火力が出せる事を重視するため、ノーリスクかつ高威力の技を持っている上に「種族値が高い=伝説のポケモンの適性が高い」傾向にあります。
最速テラスを行うポケモンの技構成は?
まず野良レイドではテラスタルをしてバリアに切り込む以前にその段階に至るまでの「味方の生存が不可欠」であるため、チャージ用の技とテラスタル後に放つバリア破壊用の技は可能な限り別枠として考えます。
伝説ポケモンはドラゴンタイプが多いことから生存用の技として相手の攻撃を下げられるワイドブレイカーを使えるポケモンが多く、「ワイドブレイカー」及び「ひやみず」、特殊受けなら「バークアウト」などの火力デバフを持つ技を基本的にテラスタルチャージの技に選びます。
またバリア破壊用の技は「できる限り高威力の技」を選んだ方が良いですが使用にリスクを伴う技が多いため、事故防止の観点も兼ねてノーリスクで高威力の伝説ポケモンの専用技をオススメしています。
また持ち物については詳しくは後述しますが、音技をバフ付与(音技を全てフレアソングに変換できる)可能なのどスプレーが存在するため、特殊アタッカーに限り「バークアウト」や「ハイパーボイス」をのどスプレー発動用に搭載することもあります。
解説:バリア破壊に突出させるのならハイリスクハイリターンな技を採用しても強いのか?
この問いに対する答えはリスクについて全く考えなくても良い訳ではなく、リスクの種類によっては踏み倒しの検討が必要な点を考慮しなければならなりません。
一例を挙げるならほのおタイプの技の高威力リスク技で「だいふんげき」「フレアドライブ」「だいもんじ」「オーバーヒート」「ブラストバーン」などがありますがこれらを採用するとしてもそのリスクをどれだけ踏み倒せるかが技の採用の際に検討するべき要素になるでしょう。
だいふんげき→使用後に操作を受け付けなくなり、技の終了時に混乱するが操作を受け付けない事が結果的に演出スキップの時間短縮につながるため最速テラスでは逆に「スムーズにバリア破壊ができる点」でメリットとなります。
バリアさえ破壊してしまえば混乱するデメリットはあまり気にする必要がないため最速テラス論では最有力候補です。
だいもんじ→他より命中率が不安で連続で外せば折角の大ダメージがパーになるリスクがあるので命中を補う必要があります。
反対にこうかくレンズ等で命中さえケアできれば「目立ったデメリット」はなくなるので他の技と比較すればリターンが少ないものの十分な採用圏内となりえます。
オーバーヒート→特攻を代償に支払うため以後は攻撃の威力は大幅に下がるリスクがあり、支払い用の特攻アップをしておくか白いハーブを使わなければデメリットを踏み倒せない。ただしバリア破壊後の終盤であるため攻撃が激化するタイプでなければあまり問題にならないかもしれないです、ただしラウドボーンなど「支払い用の特攻アップを作れるなら」無理なく使用出来るため、ごく一部のポケモンで採用候補になりえます。
ブラストバーン→行動不能のリスクを踏み倒す必要があるがバリアを破壊したターンだけ相手は動かないので互いに行動不能であれば「演出スキップでターンを素早く経過させること」でデメリットをほぼ踏み倒すことが可能です。
またハイリスク技の中でも最も高威力であり、バリア破壊がしやすいという点ではトドメの一撃としての採用候補になりえなすが欠点として御三家しか使用できない点が挙げられます。
フレアドライブ→「攻撃は最大の防御のはずが自爆は最大の地雷」なので論外。反動ダメージで力尽きると制限時間という最も重い代償を払う事=制限時間切れによる敗北に近づくため、、テラレイドでは特性いしあたまなどで反動ダメージを消さない限りはデメリットを踏み倒すことは不可能と言っていいでしょう。
性格は?努力値は?
火力がとにかく欲しい関係で性格は意地っ張りか控えめ安定で、最速テラスの場合は「AB+CD」のいずれかで必要な方に極振りします。
「H振り」はどのように扱うかはまだ検討中の段階です。
持ち物は?
最速テラス論の1番の特徴は有用とされる持ち物がテラレイドの常識に反したものになっており、かなり特殊である事です。
アッキのみ(タラプのみ、○○シード、ひかりごけ等)
無回復で生き残る生存の神器
○○シードは「フィールドに反応」、アッキ、タラプは「対応する分類の技」を受けると反応して耐久をアップすることが可能で主に防御受けの補助に使います。
どれもバフであるため強化解除を受けると効果が消失するのでドオーなどの「序盤強化解除持ち」には注意が必要です。
それを考慮しても有り余る程の恩恵があり、防御バフ+攻撃デバフを乗算することで相手からの被ダメージを強力に抑制します。
入手手段が鬼退治フェスの報酬なのがネック
とつげきチョッキ
「変化技を封じられる」制約がつきますがそもそも変化技を使わないのでデメリットも無問題(モーマンタイ)、もれなくマジックルーム以外では無力化されない永久特防アップがつきます。
回復系きのみ
耐久アイテムの定番ですが強化解除まで猶予がある場合のアッキのみやとつげきチョッキでバフデバフの乗算防御受けを意識した方が効力がずっと高いので優先度はこれらと比較すると下です。
あくまで事故でも耐える前提ですが反対に序盤強化解除や不意の急所事故に強いのがアッキにない利点と言った所でしょうか?
のどスプレー
最速テラス特殊アタッカーの神器
音系の技を全て「フレアソング」に変換します。
ミライドンやラウドボーン、黒バド→バークアウト
レシラム、ホワイトキュレムやハラバリー→ハイパーボイス
ミュウツー→サイコノイズ(バグがあるので使用には注意が必要)
を起点に発動できるため攻撃しながら特攻アップを行う事でテラスタルの遅延を防ぐ事が可能です。
こだわりメガネ(ハチマキ)
今後の開拓次第ですが技は最低でも「チャージ用」と「バリア破壊用」の2つの技を使いたい場合が多いため、採用できる範囲は狭いです。
冷水、ワイドブレイカーしか使わない最速テラスのやり方ならこのアイテムも最適解と見てもいいですがワイドブレイカーは同時に逆鱗も使いたいのが実情…現状はほぼ冷水のみで火力を出しながら戦えるカイオーガの専用アイテムと言えます。
今後の開拓次第。
ものまねハーブ
相手の積み技をコピーして奪い取ります。
そのまま火力の足しにしたり耐久を補ったりできます。
相手の行動パターン依存であり、中級者向けの道具と言えるでしょう。
ねらいとしては「ビルドアップ」や「めいそう」を奪い取りたいです。
じゃくてんほけん
サブウェポンの不一致抜群くらいなら耐久力で受けきれてしまうからこそのじゃくてんほけん。
まだ机上論の段階ですが弱点を突かれやすい「白バドレックス」や「ブラックキュレム」でじゃくてんほけんを発動できた場合はほぼ全てのテラスタイプに等倍で対応できるほどの凄まじい火力を発揮します。
緻密なダメージ計算ができないと扱えない代物ので上級者向けの道具です。
火力アップ系アイテム
フィジカルで受け切る関係上これと言った持ち物がない場合はタイプ毎の火力アップアイテムを持たせる選択肢もあります。
ただし、いのちのたまは「演出による遅延」が発生するためNGです。
こうかくレンズ
火力を捨てて安定を取るならと言うところですが火力を犠牲にしすぎるとコンセプトが崩壊する恐れがあるのであくまで「命中不安が嫌で採用しないと気が済まない」という安定思考の人向けです。
おんみつマント、かいがらのすず
まず前提としてテラレイドにおける最強アイテムと言われる貝殻の鈴、隠密マントは残念ながら余程のことがなければ使いません。
貝殻の鈴はダメージを回復に変換することで耐久における安定性が大幅に上がりますがこれは「回復量が十分になるレベルの与ダメが安定して出せる事」が前提条件です。また、テラスタルを素早く行う=攻撃技以外を使わないだけでなく物理的な所要時間もある程度考慮に入れるため、余計な演出はカットする必要があります。
つまり最速テラス論のポケモンはいくら殴っても回復量が大した事がなく、むしろのどスプレーやアッキ、とつげきチョッキに枠を回す選択肢もある以上は「回復による安定」より「毎ターン強制的に発動する回復演出で貴重な時間をロスするデメリット」の方が大きいと考えています。
また隠密マントは万能アイテムとされがちな部分がありますが最速テラス論では他に優先的に持たせるべきアイテムが明確に存在するのと最短のターンで仕留める事を前提とするため確率が高いわけでなければ不測の事態は考慮しません。
よって追加効果によって厄介な相手へピンポイントメタを必要とする場合を除けば無理に採用しなくて大丈夫です。
最速テラスでの野良☆6レイド試合展開の基本
最速テラスはワンパンの対極の理論であり、バリアを素早く破壊する事でレイドボスをスムーズに攻略しようというコンセプトを持った理論です。
つまり最速テラスを用いた場合は味方の練度に依存せずともそもそもの遂行速度がかなり早く、主戦場である☆6レイドでは5〜8ターンもあればほぼ決着に持って行く事が可能です。
一例としてメガネ冷水カイオーガなら地面テラス相手であれば「雨乞いが持続する5ターンかその次の6ターン程度で決着がついてしまうレベルの火力」であり、冷水連打だけしていればゴリゴリ相手にダメージを与えて勝てるほどやるべき事が極めて単純です。
つまり味方は最短で4ターン生きていれば良く、バリア区間以外の部分を自分以外の3人で削り切れば良いので味方に求めるハードルは最低限100レベルで普通に殴ってくれる事ぐらいまで下がります。
カイオーガではない場合は大抵どういう動きをするといいのか?
単純に5ターンまでの動きが決まっていればいいので
基本はたったこれだけです。
最速テラスの派生として準最速テラスの場合は
といった具合に「つるぎのまい」等を1回はさむと火力的に安定する場合があります。
ただしテラスタルが1ターン遅れることになるためこちらは便宜上「準最速テラス」という呼び方をしている動きになります。
ただし、「つるぎのまい」は1度使った場合は「バリア破壊技を2回以上」使えないとターンロスとなるため無駄なく動くという観点では無駄な積み技で単にテラスタルを遅らせただけになるというリスクを抱えています。
こちら側の動きの例を挙げるならSVを語る上では外せないコライドン、ミライドンのどちらでも最速テラス論は実践が可能です。
コライドン@アッキのみ
ワイドブレイカー×3→格闘テラスタル→アクセルブレイクぶっぱ
ミライドン@のどスプレー
バークアウト×3(のどスプレー発動)→電気テラスタル→イナズマドライブぶっぱ
とこういう風に動かします。
基本的に使う技はチャージ技と専用技のみ
ね、簡単でしょう?
コライドン、ミライドンは晴れとエレキフィールドを発動し、その状態の間だけ能力が強化される特性を持っています。これらの特性を有効活用する場合、「晴れ」も「エレキフィールド」も5ターンしか持続しないため強化が続く5ターンで素早く決着をつけるのが最も効率的な動きと私は考えました。
ミラコラはただでさえこれらの特性の無条件ボーナスのおかげで基礎火力が最高水準に高いため、積み技を使用せずとも最速テラスでバリアに切り込むだけでバキバキに破壊しに行けるのがミラコラの最大の強みと考えています。
最速テラスの利点、欠点について
利点
基本的に味方に対して強大な火力やテラスタルを要求しない
自分でテラスタルを行いバリア破壊をするので味方がテラスタルを切らなくても影響を最小限に抑えます。
またマルチプレイでは普通のメンツなら最低限100レべ4人で殴れる利点があるので味方への火力要求値も極めて低く、まともなアタッカーが一人でもいれば残りの2人がまともに攻撃しなくても十分な火力を賄えます。バリアという障壁を取り除くためテラスタルをしない味方、特に積みアタッカーのパワーを最大限に活かせる。
上記の通りバリアという障壁を取り除く最大の理由は討伐時間の短縮であり、敵をスムーズに倒す事で時間的アドバンテージを発生させることができます。バフ消える際のロスが少ないためテツノカイナなどが苦手とする強化解除受けが良い
ポケモンのフィジカルに比重を置いているため強化解除でバフを消されても火力がカイナ程大きく下がるわけでもありません。
テラスタルまで行けたのであればそのまま殴ればわりとあっさり勝てます。あらかじめ基本的な運用が決まっており、相手さえ選べばよい
攻撃デバフが主になりますがチャージ技→テラスタル→バリア破壊という動きで一貫してルーチン化されているため、選出相手や相性を間違えない限りは試合中に味方に合わせたりするような協調性のある動きについて考える必要はありません。
バーサーカーのごとく「バリアごと」相手を殴り飛ばしましょう基本的に短期決戦であるため1戦あたりの労力が低い
実質的に5~8ターンで決着がつくため制限時間の要求量が極めて少ないのが最速テラスの魅力であり、この遂行速度の暴力によってデスペナルティすらひっくり返すことができます。
野良の協調性の無さによって引き起こされがちな積み技の使い過ぎやプレイングの問題で誰もテラスタルせずにバリア破壊がいつまでたっても終らない「遅すぎる展開への明確な回答」となるプレイスタイルであり、試合時間が減るという事は周回効率の上昇を意味するため集中力を維持しながら長くたくさん野良レイドに潜る際に役立つでしょう。自爆や耐久難と言った味方が倒れた際の制限時間ペナルティに強い
テラレイドはバリアを超えたらほぼ勝ちというゲーム性なのでデバフで遅延してテラスタルをしてバリアを破壊する時間を捻出できれば味方のデス数はあまり深刻に考える必要はないです。
むしろ「デス数がかさむ前にとっとと殴り倒す事」に特化している点が最速テラス理論の強みと言えるでしょう。不一致抜群程度ならフィジカルで雑に受けられる
下の例に挙げる伝説系のポケモンに限りますが努力値をしっかり振っていれば元々素の耐久でも不一致抜群程度ならエール1回程度で持つくらいのレベルで硬い事が多いです。
マルチのレイドでも類を見ない「じゃくてんほけん」や「のどスプレー」が採用候補になるのはフィジカルのおかげです。いやしのエールやいけいけドンドン等の火力バフの恩恵が極めて強力
そもそもフィジカルモンスターを最低限の火力で効率的に動かすための理論なので火力を盛れば劇的にパワーアップします。
伝説のポケモンはバフがちぐはぐしている場合が多く、火力を盛りたくても盛れなかった故に積みアタッカー使いから冷遇され、フィジカルが重要な最速テラス理論に最適だったという背景がある以上、結局は味方頼みにはなりますが火力バフをもらえた場合はすさまじい破壊力を発揮します。
最速テラスで味方に依存しているのは「火力支援」と言っても過言ではないでしょう。
欠点
最強レイド攻略には向かない(重要)
この記事を読んだ人への最大の悲報かもしれません。
★6野良レイドの周回というニッチな分野に対してひたすらに合理化、効率化、最適化を行った理論であるため最強レイドに最速テラス理論を無理やり持ち込むぐらいなら素直に「最強レイドの専用の育成論」に従いましょう。実際の絵面は地味
積まないで殴るという事は火力は出るにしても「はらだいこ」や「アシストパワー」のような極大火力で一気に削り飛ばす戦術の豪快さと比較すればかなり地味です。
ただしテラスタルをしていない味方を差し置いてバリアをゴリゴリ削りにかかる快感を覚え始めたら最速テラス使いの仲間入りと言えるでしょう。状態異常や特性による搦手を使うポケモンに弱い
1ターンだけロスするなら対処も不可能ではないですが耐久面の要求値が跳ね上がるため素直にサポーターに対処させた方が無難です。
準最速テラスでスキルスワップ、ちょうはつやミストフィールド、しんぴのまもりを両立してキッチリ対処できるかが今後の課題です。デバフ解除を多用、デバフに耐性のあるポケモンに弱い
デバフ解除を多用するポケモンではボーマンダやカビゴンなどがおりこれらのポケモンに強く出るのは厳しい部分があります。
またアーマーガアのミラーアーマー、コノヨザルなどのまけんき、カラマネロの使うあまのじゃくスキスワなどは天敵と言える存在です。火力が高すぎるポケモンに弱い
デバフによる火力抑制が必要最低限であるため火力が高すぎるとデバフを貫通してぶち抜いてくる場合もあります。
カイリュー、アーマーガア、コノヨザル、サーナイト、ダイオウドウなど★6レイドでも最強クラスの火力を持つポケモンには最速テラス論は有効打にならないと考えてよいでしょう。現状では両刀のポケモンへの対処が厳しい
デバフ技の習得の関係上、こうげきととくこうを両方下げられるポケモンはほんの一握りであり、その中でも最速テラス理論のお眼鏡にかなうポケモンが極めて少ないため両刀は特定のテラスの場合に限り有効と限られた場面でしか対処できません。
今後技の搭載や持ち物の工夫次第で克服できるかもしれないので要検討です。適正のあるポケモンが少なくタイプに偏りがある
現状伝説のポケモンの開拓は進んでいますが準伝については開拓途中という所で最速テラスの適性が高いポケモンは軒並み電気、炎、ドラゴンへの偏りが強いです。
これも今後の開拓次第といったところです。ドラゴンが多いためドラゴン及びフェアリータイプに一貫して弱い
タイプの偏りの宿命とも言えるものでドラゴンタイプはげきりんをぶっ放してくるポケモンが多い事もありデバフが甘いと最速テラス理論のポケモンが粉砕されないリスクがあるため注意が必要です。
またワイドブレイカーを多用するのでフェアリーテラス相手では完全に機能が停止します。まだ確立に至った数が少なくテラスタイプの対応範囲がやや狭い
今後の開拓次第ではありますが現在の最速テラス理論でも最上級tierのポケモン開拓をしている状況なので対応範囲はまだ狭いというのが現状です。決まればかなりキャリー能力はあるが絶対に誰でもキャリーできる訳では無い
どんなポケモンにでも言えている事ですがテラレイドでのキャリーはゲームシステム上の限界がありますので最速テラス理論を使ったからと言って野良勝率が100%になる保証はできません。サポーターなど味方が攻撃しない場合はジリ貧になりがち
野良ではサポーターに出会う事が稀なためあまり気になる場面が多いわけでは無いですがサポーターを素直に喜べないのが少し残念といった所でしょうか?味方からの妨害行為や破壊行為に弱い
故意でも無自覚でも味方からの妨害行為を切り抜けられるのはやはりサポーターの領分といったところで最速テラス理論では味方に殴られたり場を破壊するなどの妨害行為を受けると瓦解する戦術的な脆さがあります。演出の長い要素を切り捨てる必要が出るため自己回復が悪手になりがち
つまり、かいがらのすずやじこさいせいなどの技、癒しのエールなどの回復は自ら進んで行わないとみなして構いません。
ある意味最速テラス理論では回復より防御受けという野良レイド特有の感覚を覚えることに苦労するかもしれません。戦術の特性上、応援が極めて使いづらい
最短手数で動く関係上応援をする暇はなくエールはもちろんがっちりぼうぎょやいけいけドンドンなども基本的には使いません。
最速でテラスタルを行いバリアを破壊する、この一点に特化します。
最後に最速テラス理論の実際の育成例をいくつか
育成方法は努力値の振り方さえわかっていれば単純ですがアッキのみなどプレイスタイル次第では入手困難なアイテムを一部掲載されていることはご了承ください。(回復木の実などで代用可能)
コライドン
分類:格闘 物理アタッカー
分野:物理、特殊受け
得意テラス:こおり はがね いわ あく ノーマル
苦手:こおり エスパー フェアリー ひこう ドラゴン
構成:AB252 アッキのみ タラプのみ こうかくレンズ
チャージ技:ワイドブレイカー バークアウト
バリア破壊用:アクセルブレイク
サブ技:つるぎのまいミライドン
分類:電気 特殊アタッカー
分野:特殊受け
得意テラス:みず ひこう
苦手:じめん こおり フェアリー ドラゴン
構成:CD252 のどスプレー、とつげきチョッキ、こうかくレンズ
チャージ技:バークアウト(音)
バリア破壊用:イナズマドライブカイオーガ
分類:水 特殊アタッカー
分野:物理受け
得意テラス:ほのお じめん いわ
苦手:くさ でんき
構成:BC252 こだわりメガネ
チャージ技:ひやみず
バリア破壊用:ひやみずレシラム
分類:ほのお 特殊アタッカー
分野:物理受け
得意テラス:くさ むし こおり
苦手:いわ じめん ドラゴン
構成:BC252 のどスプレー、とつげきチョッキ
チャージ技:ワイドブレイカー ハイパーボイス(音)
バリア破壊用:クロスフレイム、あおいほのおゼクロム
分類:電気 物理アタッカー
分野:物理受け
得意テラス:みず ひこう
苦手:じめん こおり フェアリー ドラゴン
構成:AB252 アッキのみ
チャージ技:ワイドブレイカー
バリア破壊用:クロスサンダー、らいげき
サブ技:りゅうのまいレックウザ
分類:ドラゴン 物理アタッカー
分野:物理受け
得意テラス:ドラゴン (剣舞込みならフェアリー、はがね以外)
苦手:いわ こおり フェアリー ドラゴン
構成:AB252 アッキのみ
チャージ技:ワイドブレイカー
バリア破壊用:げきりん
サブ技:つるぎのまいバドレックス白
分類:こおり 物理アタッカー
分野:特殊受け
得意テラス:くさ ひこう じめん ドラゴン
苦手:ほのお はがね いわ むし あく ゴースト
構成:AS252 タラプのみ
チャージ技:バークアウト
バリア破壊用:ブリザードランス
サブ技:つるぎのまいバドレックス黒
分類:ゴースト 特殊アタッカー
分野:特殊受け
得意テラス :ゴースト エスパー
苦手:ゴースト あく
CD252 のどスプレー とつげきチョッキ、こうかくレンズ
チャージ技 バークアウト(音)
バリア破壊用 アストラルビットミュウツー
分類:エスパー 特殊(疑似物理)アタッカー
分野:物理受け
得意テラス:かくとう どく
苦手:むし あく ゴースト
構成:BC252 のどスプレー アッキのみ
チャージ技:ひやみず サイコノイズ(音)
バリア破壊用:サイコブレイク サイコキネシス
あとがきと今後の課題
野良の現状を踏まえて最速テラス論を提唱したわけですが、まだ野良レイドの立ち回りとして良くも悪くも「攻撃面」しか理論を確立できていないという部分が課題です。
最速テラス論および準最速テラス論をより扱いやすい理論にしていくためには
もう少し多くのポケモンで汎用的に使用でき
動きはどのポケモンでも基本は変わらないという共通のルールのもと
しっかり実践的な野良レイドで通用し、対応範囲を広げなければいけない
という様々な改善が望まれるポイントが存在します。
自己強化をガンガン行ってきたり、状態異常や特性で圧力をかけてきたりと最速テラス論が通用するメンツより数段手強い★6レイドはわんさかいますし最速テラス論では現状ギミック対策においては歯が立たないのが実情であるため、今後は「サポート行動を含めて手数を詰めた場合、対応範囲は広がるのか?」というのが今後の課題となってくるでしょう。
また最速テラス論ではポケモンへの要求スペックが文字通り「伝説のポケモンレベルの種族値」という高ハードルな状況になっており、600族や準伝説やパラドックスポケモンなどでも無回復ではやや足りないというのが現状です。
アッキやタラプを持たせて積み技を1度だけ解禁する「準最速テラス」の場合であれば耐久値が足りるようになるのか?「HB、HD」などがアリか?積み技込みでテラスタルのスピードと火力は足りるのか?という検証も必要になってきます。
また検証ができ次第、記事の追記および新しい記事として投稿していこうと思いますので気長に待ってもらえればと思います。
それでは