ゴールドマン・サックス大学受験給付型 奨学金 受給生アンケート(保護者編)
2022年度ゴールドマン・サックス大学受験給付型奨学金の受給生の保護者を対象に、2023年4月以降の子どもの進路、受験期間の経験や保護者自身の気持ち、奨学金や伴走支援の感想等についてアンケート調査を実施しました。
※ゴールドマン・サックス大学受験給付型奨学金については、こちらをご覧ください。
https://www.gs-scholarship.com/
アンケート調査概要
目的:困窮家庭の高校生の進路や進学における課題、奨学金や伴走支援の効果等を把握し、奨学金事業をはじめとする支援策の改善・充実につなげること。
対象:2022年度ゴールドマン・サックス大学受験給付型奨学金の受給生の保護者
調査期間:2023年3月13日~4月2日
回答数:500件(回収率86%)
調査結果まとめ
回答者の属性
9割の家庭において世帯年収が300万円未満。
子どもの受験状況及び今後の進路
2023年4月以降の子どもの進路は、4年制大学が約8割、短期大学(3年制含む)、専門学校がいずれも5%。
決定した進学先の受験方法は、一般選抜が40%と最も多く、学校推薦型が29%、総合型選抜(AO入試)が16%と続く。受験した学校数は1校(推薦含む)が約半数と最も多い。
約9割の家庭が経済的理由により子どもの進学に影響があったと回答しており、44%が「塾・予備校に通わなかった、減らした」、39%が「受験学校数を減らした」、26%が「進学のために子どもがアルバイトを始めたり、増やしたりした」を選択。
受験や進学の費用
受験のために有料の塾や予備校を自費で利用した割合は44%。年間費用は「50‐100万円未満」が31%と最も多い。
入学金の調達方法は「親が準備した自己資金」が50%と最も多く、次いで「子どもが準備した自己資金」が17%。
98%が子どもの進学後に奨学金を利用予定。
本奨学金の用途
受給決定後すぐに給付される受験応援金(5万円)の使い道は「受験料」が60%と最も多く、「参考書、テキスト」、「塾・予備校」と続く。
入学準備金(10万円)は約半数が「入学金」に活用。「その他」13%の中には、大学で使用するPCを購入するという回答が多数見られた。
進学に必要な支援
進学に関して必要な支援は、「受験料に対する免除、補助」が73%で最も多く、「高校生への児童手当の支給」が63%、「奨学金支給時期の早期化」が56%、「塾・予備校費用に対する補助」が52%と続く。
子どもの受験が家庭に前向きに影響
95%の保護者が子どもの受験によって前向きな気持ちになったと回答。
子どもが受験をしたことで、自身や家庭によい影響があったという回答は89%。
子どもが受験してよかったと思った場面や内容としては、子どもが将来の夢に近づいた、選択肢が広がった、保護者もよい影響を受けたなどが挙げられた。 関連して寄せられたコメント(一部抜粋)は以下のとおり。
今まで家庭の経済的状況で様々な ことをあきらめさせてしまいましたが、志望していた医学部医学科に合格できたことで、人生までは諦めずに済みました。
うちは私を含め上の子も親も大学進学した者が誰もいません。貧困と低学歴連鎖です。初めて大学進学させる事が出来、心から良かったと思っています。
子供の受験を機に、私も職場の昇格試験を受けてみました。結果は合格し、お給料も少しだけ上がりました。
ゴールドマン・サックス社への感謝のメッセージ
支援を行ったゴールドマン・サックス社に対しては、受験や進学ができたことへの感謝の気持ちが多く寄せられた。また、受験応援や入学準備等の早い時期に奨学金を受け取れることが有用だったとする回答も多く、本支援の継続への期待も大きい。寄せられたメッセージ(一部抜粋)は以下のとおり。
受験のための参考書や塾代など綱渡り状態で日々を過ごしていた自分達にポッと光が灯ったような、そんな温かい安心感もいただきました。
いつもちょうどいいタイミングで必要な受験に関する情報を教えて頂き本当に助かりました。合格グッズも応援していただいているんだと感じて、心強い気持ちになりました。
参考書代や塾代、受験料等受験期間にかかる費用も多い中で進学準備金として早期に支給してくださってとても助かりました。
求められる受験や進学への支援拡充
その他の意見・要望としては、「進学に関し、格差の拡大を親子共々実感している。生まれた環境で進学の道を閉ざされることなく、希望すればどの子供も進学できるようになってほしい」といった、経済的格差が子どもの進路選択に影響を与えている現状を是正してほしいという声が目立った。
調査結果の詳細については、認定NPO法人キッズドアのウェブサイトよりご覧ください。
https://kidsdoor.net/wp-content/uploads/2023/08/note_2.pdf