2023 夏 物価高騰に係る緊急アンケート
食料品や日用品、光熱費等をはじめとする物価高騰の動きが、コロナ禍で影響を受けたまま回復できていない困窮子育て家庭に打撃を与えています。キッズドアでは、物価高騰とコロナ禍による困窮子育て家庭の家計、子どもの生活や学習、保護者の心身や就労等への影響を把握し、今後どのような支援が必要かを検討するため緊急のアンケート調査を実施しました。
アンケート調査概要
目的:物価高騰とコロナ禍による困窮子育て家庭への影響を把握し、今後どのような支援が必要かを検討すること。
対象:キッズドア・ファミリーサポート登録世帯
調査期間:2023年5月30日~2023年6月6日
回答数:1,538件
調査結果まとめ
回答者の基本属性
世帯構成は「母子世帯」が9 割。
2023年の世帯所得(予想)は「100~200万円未満」が約4割と最多。全体の8割超が世帯所得300万円未満。
貯蓄額として最も多かったのは「貯金はない」(35%)であり、半数超が貯蓄額10万円未満。全体の45%が「借り入れがある」と回答。
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物価高騰の影響
物価高騰の家計への影響は、「とても厳しくなった」(80%)、「やや厳しくなった」(19%)。
日々の食事への影響は、「物価高騰の影響の方が深刻」との回答が6割、「どちらも同じくらい深刻」が約4割。物価高騰はコロナ禍以上に困窮子育て家庭の生活に打撃を与えている。
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日々の食事への影響
2人家族の約4割は、現状、1か月の食費2万円未満で生活。3人家族で約半数が1か月の食費3万円未満で生活。
日々の食事の変化では、「外食を減らした」(69%)、「おやつを減らした」(66%)、「肉・魚を減らした」(64%)、「野菜を減らした」(51%)など、子どもの健康や成長に必要な栄養が十分にとれていない可能性も。
「子どもに食べさせるために親の食事を減らしたり抜いたりしている」(54%)も半数超。保護者の健康への悪影響も懸念。
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夏休みの食事の不安
全体の9割超が子どもの夏休みの食事について不安がある。
不安の具体的な内容は、「子どもに栄養バランスの良い食事を与えられない」(88%)が最も多く、次に多かったのは「子どもに十分な食事を与えられない」(60%)。キッズドア が2021年に実施した調査と比較すると、回答割合は46%から60%に増加。
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物価高騰の子どもへの影響
全体の約6割が去年の夏と比べて子どもの成長や生活に何らかの悪影響が出ていると回答(「悪い影響が大いに出ている」(19%)と「悪い影響が出ている」(40%)の合計)。
悪影響の具体的内容は、「子どもにとって必要な栄養がとれていない」(60%)、「友達と遊びに行くのを減らした」(43%)、「体験活動が減った」(43%)など。
中学生または高校生の子どもがいる家庭のうち約4割が、経済的理由で部活動に入るのを諦めた、途中でやめた、お金のかからない別の部活動に変更したといった経験が「ある」(41%)と回答。
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保護者の気持ちと体調
保護者の現在の気持ちでは、「大きなストレスを感じる」(68%)、「未来に希望が感じられない」(65%)との回答が多数。「自分を無力だと感じる」(59%)・「イライラしている」(56%)も半数超、「孤独を感じる」も45%と半数に近く、多くの保護者がネガティブな気持ちを抱いていることが分かる。
保護者の現在の体調では、「常に疲れを感じる」(83%)が8割超と最も多く、「よく眠れないことがある」(62%)が続く。「特に健康上の不安はない」との回答は4%と低い水準。
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賃金上昇の現状と見込み
去年の夏と比べて「賃金上昇しなかった」との回答が8割超。
今後半年程度での賃金上昇の見込みも「賃金上昇見込みなし」が約8割。
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※調査結果の詳細については、認定NPO法人キッズドアのウェブサイトよりご覧ください。
https://kidsdoor.net/wp-content/uploads/2023/12/note_2023_B.pdf