行きたくなるオフィス。"市民イベント開発型"の空間を作った話
サイボウズ株式会社名古屋オフィスのコジロウです。こんにちは。
ボクの細かな紹介はコラボスタイルさんのオウンドメディア「ワタシゴト」の記事を読んでいただければと思います!
この記事は、コラボスタイル Advent Calendar 2024に参加して書いています。
1.2024年は、コラボスタイルさんと一緒に作ったサイボウズ名古屋オフィスがオープンした年です
弊社、サイボウズ株式会社は「チームワークあふれる社会を作る」を理念に掲げている会社で、本社は東京日本橋にあり、名古屋・大阪・松山・福岡・仙台・札幌・広島などに日本国内では拠点展開をしています。
ボクはサイボウズの名古屋オフィスに所属して2020年から営業として勤務しています。
2023年に、愛知県は名古屋の栄に位置していました旧名古屋オフィスから退去し、同じく栄に建設予定となっていた「中日ビル」さんに移転することを決めて名古屋オフィス移転プロジェクトを社内で発足しました。
2023年春に、移転プロジェクトの最大のパートナーとなる、PM/ワークプレイス設計をしていただく専門企業さんを複数社から選定しまして、コラボスタイルさんに決めました。
(※愛称込めて、以降は「コラボさん」と表現します)
そこから半年以上の検討期間を一緒に走り抜け、2024年1月に移転開始、2024年2月に開所式を迎えて新しいサイボウズ名古屋オフィスをスタートさせました。
2023年にコラボスタイルさんと一緒にこうしようああしよう、ああでもないこうでもないと設計してきたオフィスが、2024年に開業してどうなったのか、この記事では書いていきます。
2.コラボさんと一緒に何を設計したのか?
コラボさんと作ってきたワークプレイスの設計の良さはたくさんあるのですが、1番大事なのは、改めて本当に「私達サイボウズは、何をしたい会社で、何を世に言いたくて、だからそれを表現するオフィス(場所)ってどうあるべきか?」ということを何度も何度も丁寧に考え"させて"くれるところだと思います。
もちろん、下回りと言いますか、魅力的な提案テーマの提示や実直な設計パースの進行、工事手配のスムーズさ、家具選びのセンスの良さ…などなどワークプレイス設計のPMをお願いするべき企業として実施するところが1つ1つどれも期待を超えてきてすばらしいのもあります。
でも振り返って、一番良かったのは上記、「丁寧に考え"させて"くれるところ」ですね。
ボクらが何を目指す会社で、どんな空間にしたかった、だからオフィスには細かなところ1つ取ってもこの設計にした理由がお話できる、というところに多くの時間を割きました。
こちらが直ぐに回答を用意できなくても「いいんですよ、サイボウズの移転プロジェクトの皆さんや他のメンバーの方の意見も聞いて、納得した答えをまた聞かせてください」って笑顔で時間を託してくれる。
こうして欲しい、ってこちらが出した要望に対してしっかりと答えを持ってきてくださったのを、「すみません…いただいた設計を見ることでまた考えが変わりまして…こういう形にやり直してもらえたりしますか….」って言うと、苦笑いしたコラボの酒井さんが「うーん、やりましょう!そのほうが納得感ありますもんね、まぁ手配済みですけど」ってまたやり直してくださる。
「前回、イメージを変えたいということだったので3案作ってきました」とサラリととんでもなく高品質なデザインを出してくる山本さん。
「それは良いですね、でもボクだったらこうしますよ」って愛あるYes,butを差し込んでくる松本さん。
場作りとイベント運営をコラボベースを通じて背中で見せてくれる藤井さん。
設計提案モンスターが揃ったチームでした。
こんなこと、選定の時点でオフィス設計の大枠のテーマは決まっているのだし、こちらも要件は出してからRFPをしている。
設計する方としては、顧客企業のありたい姿なんてすっ飛ばして、決まった提案テーマに沿って細かな設計をしていかないと、予算も時間も大変なことになるしかなかったと思うんです。
PM側は、きっとPJ始まってから「根本から一緒に考え直していきましょう」って普通やりたくないこと。
しかも我が名古屋オフィス。言ってみれば「地方拠点」です。本社総務が決めたことに少ない予算で従っておいてよ、という扱いになってしまう地方拠点の会社も多いのではないでしょうか。
それでも私達はコラボさんと一緒にここに時間をかけました。
これが本当に良かった。
単純なオフィスの機能性が良かったり、デザインがおしゃれなだけのオフィスでは、開業後の今、たぶんすぐに慣れて飽きちゃって、ここまでサイボウズ名古屋オフィスのことをボクは愛してないと思います。
大小問わず、オフィスにあるものはどこを取っても「これはなぜこれにしたのか?」が話せるし、それは会社がどうありたいのか、来場者にどう感じてほしいのかがいくらでも語れる。
だから開業後もオフィスの維持ができるし、実装手段がちょっと違ったところは大事な思いに沿って拡張・アップデートをしていける。
そしてますます愛情が湧いていく。
2023年/2024年を通してコラボさんと設計したのはとても本質的な「うちにしかできないオフィスのあり方とはなにか?」だったと思います。
3.それができたのって、コラボさんと仲の良いサイボウズさんだったからでしょう?
で、このオフィスづくりがうまく行った話は、サイボウズがコラボさんとオフィシャルパートナーの関係で、同じSaaSメーカーでもあるから、もともと近い企業同士の話であって、人としての仲の良さや事業理解が高いからなんじゃないの?とも思えなくはない関係性のある会社だとは思います。
しかし実は、ワークプレイス事業におけるPMの酒井さんやデザインメンバーさんとは、弊社各メンバーは必ずしも以前からの深い関係があったわけではありません。
この移転プロジェクトを通じて出会い、ゼロから関係構築して、お互いの気持を理解していったと言っても言い過ぎではないと思います。
また、最近ではコラボさんは、側島製罐さんや中日ビルさんのオフィスも手掛けられており、コラボさんと他業界の会社さんも同じくこう言った良さを感じて「コラボさんとやってよかった」と話されています。
だから、コラボさんと同業界の会社だからできたんだということではないと感じています。
(もちろん同業界だからこその良さもありましたよ)
異業種でも徹底的にあり方と向き合ってワークプレイスを作っていらっしゃるの、これは本当にすごい。
4.2024年、新しいオフィスでは何がおきた?
さて、2024年のアドベントカレンダーではありますので、2023年の設計の話はここまでにして、ここからは2024年の開所以降、この1年で起きたことを書いていくことにします。
結論先に書くと、「とんでもない量のイベントを開催することになり」「市民イベント開発をすることになった」のです。
設計はコロナ禍の後半にやってきたので、まだまだコロナ禍がいつ明けるかも不安定で、その未来にはお客様がリアルに回帰するのか、社員は出社を必要とするのか、何も見えていない時期でした。
そういうテーマもじっくり議論しました。
リアルイベントは新オフィスでは何回ぐらい、どんな形式で、何をやるのか・やっていきたいのか。ハイブリッドもやるのか。来場した方には何を感じてほしくて、わざわざリアル会場でやるのか。
社員は出社するのか。Webで業務はできる業種で環境も整えたのに、出社して就業する意味はなにか。出社したオフィスで社員が得てほしいこととはなにか。
だからオフィスがオープンするときには、完璧に計画できていました。
設計のときに「こういうイベントをやります」と決めて準備してきたイベントを、想定通りに新オフィスで開催し、呼びたかったお客様が来場くださり、期待通りの反応をいただく。
社外の方を呼びたい自慢のオフィスにする。
こんな気持ちの社員がいるから、それを満たすこういう働き方と体験をして、また家に帰り、また出社もしたいと思ってほしいと思って設計したことがそのまま機能し、「新オフィスになって出社もしたくなりました」と言ってくれました。
自宅より快適な体験をするオフィスを作る。
スタートしていきなり達成できました。
そうやって、2024年初期に自信と充実感にあふれてスタートしたんですね。
そうすると起きるんですよ、あれが。みんなの発信欲。
「サイボウズの名古屋オフィスに行ってきたよ」
「うちのイベントもこのスペースで開催したいと思います」
「そんなオフィスが名古屋にできたんだ、行ってみたい」
ってのが増えましてね。
旧サイボウズ名古屋オフィスも個人的には嫌いではなかったんですが、こんなに社内外から行きたい・行ってきたと発信されることはそれまでありませんでしたから、とても誇りに思いました。
あのとき、設計で話していたことだーって感じるたびに、"松本さんありがとう、酒井さんありがとう、山本さんありがとう、まゆさんありがとう"って、色んな場面でコラボさんの仕込んでくれたことが浮かんできて感謝してましたね。
そうすると起きるんですよ、あれが。みんなのコラボ欲。
こんなテーマのイベントはサイボウズ名古屋オフィスで開催できたりしますか
こんな大型イベントを名古屋でするんですが、一部をサイボウズ名古屋オフィスでもやってもらえませんか
ずっとやってるうちの業界のイベントがあるんだけど、一緒にコラボ開催しようよ
ってのが増えましてね。
あくまでも営利企業でSaaSを中心に販売しているサービス提供メーカーのオフィスではありますので、何でもかんでも場所貸しをしているわけではないのですが、それにしても魅力的で一緒にコラボしたいなーって思える方々からの声掛けが連続しまして、「う、うん、そんなテーマで共催したことないですが、面白そうなんでやりましょう」って何度言ったか覚えてないぐらい言いました。
(もちろん真面目で実直なSaaS機能やパートナー企業を紹介するセミナーや勉強会もたくさん開催しましたからね!)
例えば…
①「新米がとれるのでオフィスで米たいて無限に食べよう」ってkintoneのユーザーでもある米農家さんに提案いただいて開催した"無限めしコラボ"
②春日井製菓さんのプログラムに参加して、オフィスでナカモさんの味噌、デラハタラクさんの玉ねぎ、ミツカンさんのポン酢を味わった"おかサマ"
③長年のサイボウズ愛をじっくり語っていただき、どうしてもサイボウズで開催したいんだと言う熱意で開催したママライフバランスさんとのセミナー
④ボクも大好きなヘラルボニー作家さんに作品展示をしていただいて開催したイベント
⑤出会ってすぐに開催を決めたコモンビート流チームビルディング術のセミナーでまさかのオフィスでミュージカルトレーニングの体験
⑥わざわざ土曜日に集まって、ファミコンをオフィスに寄贈いただく
などなど…
真面目なBtoB向けSaaSの提供メーカーですよ、うち。
相談に来ていただくみなさま、おおいに弊社理念「チームワークを溢れさせる」をいろんな角度で解釈していただき、様々な予想を超えるコラボレーションをしていただきました。
楽しくて仕方がないオフィスになりました、コラボレーションいただいた皆様ありがとうございました。
※この章が長くなりすぎたので割愛しますが、新オフィスに対する社内からの反響も大きく、他のオフィスに勤務する社員も「名古屋オフィスは一度は行きたい」「この間行ったけどほんと良いよね、名古屋」と色んなところで言ってもらいました。
5.市民イベント開発ができるオフィス
kintoneというノーコードツールを主力製品にしている我が社なのですが、このサービスは、いままでシステム開発・DX・情報化が情報システム部門さんや専門業者が行うものになっていた世界観を変化させ、一般的な業務部門さんや必ずしもITの専門知識がない方にもDXや業務改善にシステマチックに取り組んでいただくための側面を持つツールです。
このことを「市民開発」と呼んでいたりするのですが、今のサイボウズ名古屋オフィスは市民開発ならぬ「市民イベント開発」ができるオフィスになりました。
どういうことかと言いますと。
多くの会社ではオフィスは総務さんとかが代表して決めて、あり方や設計の細々したことまで含めて現場の人が理解していることや思いを持つことなんてあまりないのではないでしょうか。
「オフィスなんてパッケージ化されていて、私達は使うだけ」って思っていませんか。
一方で、コラボさんとの設計を通してできたオフィス。
ボクはワークプレイス担当でもないし総務でもない、イチ営業マンですから、一般ユーザです。
それでもオフィスに思いと考えがびしーっとあるので、作ってもらった「パーツ」を組み合わせて、こういう使い方をすると良いのではないか、こう変えたらもっと良くなるぞ、それは方針から離れるのでやらない方が良いな..とかとか考えながらオフィスとワークプレイスを活用できるんですね。
これもはやkintoneがデジタルに対して提言していることと同じなんじゃないかと思っているんです。
誰かに与えられたパッケージや専用品も場面によっては良いけど、ノーコードの市民開発ツールがあると、一番業務をわかっている現場の社員が自ら作り上げ、業務改善欲が上がって、グイグイ進んでいきますよって。
機能云々も良いんですけど、やっぱり業務改善に必要なのは改善欲ですよって。
まさにボクら、現場で市民イベント開発やってました。
ありたい姿と改善欲を持った現場社員が、オフィスを与えられてからもああしたいこうしたいと議論し、それができる環境に整えていき、新たな価値を生んでいく。
コラボさんは「デジタルワークプレイス事業」と「ワークスタイル事業」を掛け合わせ、リアルとデジタルの両方の空間をうまく組み合わせてワークスタイルを変革させている会社です。
弊社はデジタルワークプレイスたるグループウェアやkintoneを展開してきて、これを使った社内業務・社外連携は十分に効果発揮しているのですが、名古屋オフィスができたことによって、その良さがリアル空間にも拡張できていまして、いわゆる"kintone界隈"がいつも感じていただいていたような"サイボウズさんの目指す世界観"が、身を持って体感できるリアルな場所にできた自負があります。
kintoneユーザーでなくとも、サイボウズ名古屋オフィスに来て体感いただくことで、kintoneがもたらすものの一片を感じてもらえるようになったと思います。
ボクが求めていたオフィスは、この形ですね。
コラボさん、本当にありがとうございました。
6.誰でもできるわけではない、コラボさんとのオフィスづくり
これ、コラボさんにこんな章項目名つけて良いのか許可取ってないです。
コラボさんの思いと違ったらごめんなさいw
でもボクはそう思ってます。
一緒にやらせてもらったオフィスづくり、そしてそこからの活用って、一言で言えば「大変だけど楽しい」の連続です。
自分の会社のことや、顧客・メンバーへの思い、活用イメージを本当に徹底的に考えたいと思っている会社じゃないと多分無理です。疲れます。
出来上がってからも大変です。
設計の時に「がんばらずに今のままで良いんじゃないですか」って多分ならないので、きっと、設計時に考え抜いて設定したチャレンジ目標に新オフィス使って挑戦するとか、社内の改革を起こすとか、変化を生みたいって話になると思うんですよ。
だからそういうことがまず先に熱意があって、手段としてオフィス作りを選ぶような組織ではないと、これもたぶん無理です。
なんか見た目はおしゃれなオフィスができて、新しい家具に囲まれたけど、社員の気持ちもやってることも今までと変わらないなってことになるかと思います。
そろそろ書きすぎてきたので終わりにしたいと思いますが、そういうことですので、ここまでもう絶賛を重ねてきたコラボさんとのオフィスづくりの話でしたが、「みなさんオフィスを作るとき・リノベするときはコラボさんに相談しましょう」って安易な推薦では終われません。それは違う。
まず皆さん、そこに会社愛はあるか。場所への思いはあるか。
そういうところから考え始めてもらって、楽しく熱意持ってやっていけそうであれば、コラボさんに相談してみましょう。
すごいですよ、きっと丁寧に話し合ってくださって、また新しい形のオフィスになって期待を超えてくると思います。
それでは!
サイボウズ名古屋オフィスでいつも皆さんをお待ちしています!