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2016年K-POP振り返り:事務所の存在感

だいぶ前に書いてオクラ入りになっていた記事です。ぐぐだんの新作がとてもよかったので、アップしてしまいます。すごく読みにくいので、ほんとはしっかり書き直すべきなのですが…

今更ですが、2016年のベスト女子アルバムは、新人についてはGugudanでした。VIXXもすごくよかったし。

というわけでGugudanカムバ記念アゲ、です。

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2016年を振り返ると、K-POPを彩るアイドル事務所の「存在感」にある種の揺らぎが見えた年であったと思います。存在感が弱まったのではなく、強く見えたり、弱くなったように、「揺らいでいる」という感じ。

その「揺らぎ」の中心にあったのは、なんといってもプロデュース101と、そこから生まれたI.O.Iでしょう。

脱事務所の流れ――IOI現象

様々な事務所のショーケースのような様相を呈したプロデュース101、それは一方で事務所の存在感がアピールされたということでもあり、他方で「企画の中心」が事務所の手を離れた=存在感が薄まったということでもあります。このあたり露骨だったのが、チェヨンのMBKエンターテインメントです。既存のアイドルグループDIAを一旦脱退させてプロデュース101に出演させ、人気を博したところでDIAに戻す、という荒業。さすがにこれにはI.O.Iファンによる抗議があったようですが、まさに事務所の存在感の「揺らぎ」を感じさせます。ここまで露骨でなくとも(さすがMBKというか…)、番組で有名になったアイドルを既存のグループに編入したり、新しいグループを結成するといったやり方は、他のグループでも散見されました。ある種のアウトソーシングという感じでしょうか。

さて、I.O.Iの人気は、なんといっても事務所を通り越した企画がヒットしたということで、明らかに「脱事務所」的な現象であったと思います。事務所ベースの女性グループの企画がミニの制服を着た「清純系」へとこぞってなだれ込む中、バラエティーに富む多様でいきいきとした女性像を提示できたのはほぼI.O.Iだけだったのではないでしょうか。

逆に、I.O.Iは、楽曲制作面ではやや「微妙さ」をみせたのも事実です。人気にのっかった「なんとなく」のイメージだけで作られたようなDream Girl、強い女性像を打ち出したものの曲そのものは「焼き直し」のカバー曲Whatta Man、そして少女時代Geeの「おふざけ」的なオマージュに徹したパク・チニョンらによるVery, Very, Very。それぞれ良い曲だと思いますが、事務所ベースの制作に見られる「こんな曲はどうだ!いいだろ!」という意気込みを感じることができませんでした。

これまでの事務所をベースとしたK-POPアイドルのコンテンツ制作には、「こんな音楽を聞かせたい!」という素朴な想いが強く込められていて、私などはそういったところに強く心を打たれていたので、事務所を離れると音楽ってなおざりにされるのかなあ、と寂しい想いがありました。もちろん期間限定というI.O.I特有の制約も関係しているのだと思いますが…。

事務所の制作力の充実――JYPとくらげ

さて、これに対して、事務所が存在感を発揮した側面もあります。そのあたりを強く感じさせてくれたのが、まずはJYPの充実ぶりです。なんといってもTWICEのヒット。これは、いろんな意味でWonder Girlsを想起させてくれます。2007年、新たな時代の幕開けとして、まずトップに躍り出たのは少女時代でもKARAでもなく、Tell Meのわんごるでした。新しい時代の流れを作り出すクリエイティビティ。流行りの少女型とはいえ、TWICEのはつらつとした姿は、「清純」「制服」(征服?)の檻に閉じ込められたような女性アイドルシーンの中で出色だったと思います。

またJYPは他の有名事務所に先んじてワンマン社長に依存しない制作体制を確立するようになってきた点も「一歩先」にいっている感じがします。これについては、前述の「やりたいこと」が見えなくなったという側面もあり評価が難しいところなのですが、ペク・アヨン、ペク・イェリン、パク・ジミンと、着実に楽曲制作能力を持った女性シンガーを着実に育てているという点は、JYPの面目躍如といったところだと思います。

そのほか、事務所として楽曲制作の面で非常に素晴らしかったのが、OMGのWMエンタと、VIXXそして新しくGugudanをデビューさせたジェリーフィッシュエンタです。後者は、本当に楽曲・アルバム制作能力の充実ぶりをびしばしと感じさせてくれました。個人的にGugudanのアルバムは今年デビューのアイドルグループのなかでも1番クオリティが高かったと思いましたし、VIXXの三部作も大量の楽曲制作にもかかわらず高いクオリティをキープしていたのもとても印象的です。

K-POP事務所健在なり!と、感じさせてくれたジェリーフィッシュには、ぜひ2017年にも活躍してもらいたいと思います。




さてさて、つらつらと書いてきましたが、ほかにも楽曲制作に関する変化とか、女性、男性双方にみる流行りのイメージの変化なども、いろいろと興味深い2016年でした。とくに女性については「清純」一色という感じでしたが、何気に男性についても「強さ」の表現が必ずしもヒットにつながらないという状況も見えてきたと思います。全体的に「かわいい化」の傾向が強まった側面がありそうです。それを日本化と捉えるか、原点回帰と捉えるか、といったことも含め、これからの流れに着目していきたいと思います。

それでは。本年もよろしくお願いします。

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