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テレワーク主体の働き方によって起きたホワイトカラーの働き方への影響

久保田です。新型コロナによって生じた、ホワイトカラーの働き方の変化を書きます。今回は、経済産業省のレポート(新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について 令和2年6月17日(水) 経済産業省)から働き方・雇用の観点から抜粋してみます。

企業側に起きたこと

まず、テレワーク導入率が上がり、打ち合わせがオンライン化されました。
情報共有は、デジタル上でなされるようになりました。

・テレワーク導入率の上昇:24.0%(2020年3月)から62.7%(2020年4月)
・ZOOMの1日あたり会議参加者数は約30倍に p77
・タスク管理が必要になり、テレワーク関連のツールが業務スペースへと変化する

労務管理がメンバーシップ型の時間管理からジョブ型のタスク管理へと変化する必要性が出ました。

テレワークが前提となったことで、労務管理はメンバーシップ型の時間管理から、ジョブ型のタスク管理や成果評価への変化が不可避となりました。結果、ジョブ型のワークスペース・人事システムの整備が必要になっていると言えそうです。

・急激なテレワークの進展を受け、一部の企業では、ホワイトカラー業務の労務管理の在り方を、メンバーシップ型の時間管理からジョブ型のタスク管理へと切り替える動き) p20

そして、ホワイトカラー業務が可視化されると、成果と無駄の可視化が起こり、業務の一部が余剰となって、切り捨てられる可能性もありそうです。
窓際族などはその対象になってしまうでしょう。一方で成果を出している人は正しく評価されるようになるでしょう。

・業務の無駄の可視化をもたらし、メンバーシップ型のホワイトカラー業務の一部が余剰として認識される可能性 p20
・成果で管理するようになり、固定費を減らし、変動費化を好むようになる

働き手の側に起きたこと

働き手の側についてもまとめてみます。
これまで正社員は場所と時間という制約を受けて働いていましたが、場所と時間から解き放たれ始めています。

・地方居住・生活地選択の自由拡大 p15
・都心より生活地に近いワークプレイスにニーズ p78
・在宅勤務の課題(育児との両立、個室・通信環境の確保) p78
・労働市場のグローバル化 p78
・地方への転職希望者は1.5倍に p78

場所と時間から解き放たれたことにより、複業・副業がしやすい状況が到来しました。レペリオで運営しているITエンジニアサーチサービスDISCOVERでも、副業の反応はとても良い印象があります。
また開発案件を見ると、正社員でも副業者も皆オンラインに住むようになり、境目が曖昧になり始めています。

これまでは副業者は、時間と場所の制約があり、リアルな場での打ち合わせなどに参加しずらい、責任ある仕事や情報のキャッチアップの点で、不利でした。しかし、オンライン化されたことで情報の格差は埋まったと言えます。

・新型コロナの影響により、米国では今後5年以内に、全ての仕事をオンライン労働プラットフォームを通じて行う労働者は2倍以上になるとの予測がある。(出所)Upwork社
・特に、今年4月以降、ソフトウェアの開発者・技術者の利用登録者数が急増している。p79

一方で、正社員が副業によりのめり込んで、面白い副業の方が比率が高くなるケースも見受けられました。やはり、正社員と副業の境界線に変化が起きていると言えます。

テレワークや休業等によって発生した余剰労働時間の使い方に新たな機会が生まれている。ルールの整備や明確化を通じた、兼業・副業、フリーランスなどの多様な働き方への対応や、デジタル経済に順応するための学び直しの強化が必要ではないか。p22

参考:新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について 令和2年6月17日(水) 経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/pdf/026_02_00.pdf

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