アンプのヒューズが切れたら(真空管アンプ編)
今回は、私が実際行う、修理屋さんの作業の一部を説明します。ヒューズが切れて機器が停止した場合の修理です。
このような認識、経験のない方が多いかと思いますが、アンプは使用しているといずれ内部部品が故障します。
その内部部品、故障時に起こる現象は様々です。これが、発煙、発火などの危険を引き起こす可能性があります。
この危険を回避するために、ヒューズがあります。ヒューズは機器の異常により大きな電流が機器に供給されようとしたとき、ヒューズ自身が切れることで機能を安全に停止します。
ヒューズの仕様は非常に厳格で、各国が安全規格をもって管理しています。日本では「電気用品安全法」がそれにあたります。もちろん「電気用品安全法」が管理しているのはヒューズだけではないですが。故障時に危機が安全に停止できるというのは製品をつくるうえで大切なことです。
非常にざっくりした例ですが、何をどう扱っても正常であれば最大 4A までしか電流を流さないアンプが、5Aの電流を流そうとしていたら、その機器は何らかの異常状態です。このときに4Aのヒューズが切れて機器を停止させてくれます。
ですので、ヒューズが切れた時、ただヒューズを交換して電源を入れてはいけません。「ギターアンプを現場で使うから予備のヒューズを用意しよう」なんて考えは間違いです。ヒューズが切れた場合はなぜ切れたのかを検証し、必要な箇所を修理する必要があります。
さて、この記事ではそのヒューズが切れたときの修理方法、一部を紹介します。よくある、ヒューズが切れたときの対処法です。もちろん切れた原因がこれ以外の場合もありますから、さすがにこれが100%の解決法というわけではありません。でもこのフローで解決できることはまあまあ多いと思いますよ。
私自身、もう回路と、アンプと向き合って20年以上のキャリアになりますが、未だに"想定外"がありますので面白いものです。
まず、大切なことなので、最初に言っておきますが、製品を開けて回路に直接触れることは基本的にメーカーがオススメしないどころか、「やめてください」と禁止している危険が伴う行為です。くれぐれも "自己責任"にて作業してくださいね。私も注意事項は説明しますが、責任は持ちません。
特に真空管アンプは高電圧を扱います。ゴム手袋を装着しても感電のリスクはなくなりません。というか、私は、ゴム手袋自体に感電を回避する機能はないと思っていますのでゴム手袋をつけてません。
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