オペアンプ回路設計の基礎と選びかた
今回は オペアンプ という IC (集積回路)についての説明と簡単な使用例として反転増幅回路、非反転増幅回路を紹介します。最後に、オペアンプの選びかたを説明します。
私は高専の出身なのですが、高専の電子工学科では「オペアンプ」の授業と実習がありました。実際、私が自分で回路を作り始めたのはトランジスタでも真空管でもなくこの「オペアンプ」を使った設計が最初です。
オペアンプは原理がよくわからずともパズルを作るように回路設計が簡単で、誰でも同じ回路を設計できるため回路設計初心者には特におすすめです。もちろん、実際プロの回路エンジニアが作る回路にも多用されていて、世の中にはトランジスタのみで作る回路(ディスクリートといいます)よりオペアンプありきの回路の方が多いです。
私たちがよく見るオペアンプは以下のような形状です。これはDIP8 と呼ばれる、よく見る形です。
こんな形のものもあります。もちろん他にもまだありますが、よく使われるのはこのあたりです。
さて、このオペアンプはいわゆる IC (集積回路) の一種なのですが、そもそもIC とは何なのでしょうか?
IC はトランジスタや抵抗などで構成したある回路を小さなパッケージに収めたものです。この小さな黒い物体の中に回路がぎっしり詰まっているそんなイメージで大丈夫です。例えば スマートフォンやPC に搭載されている CPU やメモリなども IC です。
オペアンプに限らず電子部品の仕様を記載したドキュメントを「データシート」と言います。データシートは現在ほとんどのメーカーがインターネット上に公開していますので、例えば「NJM4558 データシート」などと検索すれば誰でも簡単に入手できます。昔は辞書のような分厚い仕様書のファイルから探したりしたものですが、便利な時代になりました。どんな回路が詰まっているのかはこのデータシートに「等価回路」という形でよく記載されています。以下はかの有名なNJM4558 の等価回路です。
ほかにもどんな機能が実現できるのか、どんな使い方をして良くてどんな使い方がいけないのかなどなど、多くの情報が記載されていて、データシートをみているだけで結構面白いです。
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