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【指揮者メモ】指揮者と投資/ショルティの善行

【指揮者と投資/ショルティの善行】

アメリカで投資は普通のことなので指揮者もよくやっている。我が師匠モーリス・ペレスも熱心だった。リーマンで株が値下がりして愚痴を言いまくっていたが、後で持ち直して安堵していた。師匠の師匠バーンスタインにも、どこかの牧場に投資して凄い額の損失を出した話があった。

ショルティは株が上手だったらしく、お金に関するエピソードがいくつかある。若い頃に貧困と迫害をこれでもかと味わった彼は、ユダヤの血もあると思うが、お金の重要性をいつも説いていたと聞く。

しかし、きれいなお金の使い方をしていたらしい。クリスマスに若い演奏家たちが郵便ポストをのぞくと、ショルティからの小切手が入っていて涙したというエピソードが大好きだ。

なぜなら、私も同じ経験を何度もニューヨークでしているから。やはり涙が止まらなかった。寄付の習慣はキリスト教文化の良いところの1つだ。私にはお金を儲ける才能はないけれど、いつか同じような優しさを若い方へあげられる人になりたい。


©伊藤玲阿奈 2024

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伊藤レオナ(在NY指揮者)
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