
音ゲーの断片帳#5 ゲキチュウマイの高難易度楽曲を振り返ってみる
ついにここまできたんだなと。
この画像を見た時、ふとそう思った。

今日11/14(木)、アーケードゲーム『CHUNITHM LUMINOUS PLUS』の、(おそらく)最後の高難易度楽曲アップデートで、最高難易度こと15+楽曲が追加された。作曲者は数々のボス曲を生み出してきたt+pazolite氏、イラストレーターは数々の最高難易度楽曲のキャラクターをデザインしてきたケースワベ氏で、より物々しい雰囲気を醸し出している。
解禁には一定の条件が必要なのだが、その条件がまた大変なもので、簡単に言えば「今いる最高難易度楽曲の半分(4つ)をほぼノーミスノーグッドのスコアを出す」……何を言ってるんだろうか。(99%のプレイヤーが解禁不可能と言えるくらい厳しい難易度となっている。当然自分も無理だ)
ところで、チュウニズム含めゲキチュウマイはプレイヤーのプレイスキルのインフレを考慮し、ここ2年ほどだがかなり攻めた解禁難易度を作っている傾向が強い。(特に、2年前の『オンゲキ』にて当時の(ほぼ)最高難易度をスコア理論値×5してようやく解禁できる楽曲があったが、当時SNSを巡回していたプレイヤーは解禁者が現れるのを固唾を飲んで見守ったことであろう)

あとはmaimaiも1年前に「project raputa」というイベントで「謎解き×高難易度」が高評価を得ていた。(その時の開発秘話が公式HPにて掲載されていたので、興味がある方は一読の価値あり。 https://info-maimai.sega.jp/4953/ )
チュウニズムも、半年前に「特定の条件を踏んで解禁する楽曲(しかも難易度自体相当高い)」があったが、その時も大盛り上がりだった。

こんな経緯で見ていくと「高難易度の謎解き」(『Grievous Lady』とか)で楽曲解禁を盛り上げた『Arcaea』を先駆けにゲキチュウマイも取り入れていったなぁ…というのが分かるが、一方で、昔はよくワンモア(ExtraStageで特定の楽曲で高ランクを出すと出現する楽曲)をやっていたKONAMIが最近はあまり挑戦的な解禁難易度を出さなくなった(覚えているのはDDRの『鳳』くらい)のが対比として浮かび上がってくる。(よく考えてみたらゲキチュウマイくらいの間隔になった、が正しいか)
どちらが是か非かと言われれば、時間がかかっても全員が解禁できるタイプの方が受けがいいのは確かだろう。ただ、万人が挑戦できる楽曲よりかは厳しい条件で勝ち抜いた人たちの褒美として獲得できる方が箔が付くのも、楽曲のカリスマ性を高めている要素となる。受け止め方は人それぞれだ。
自分は、かつて別ブログにて「ボス曲のカリスマ性」について書いたことがある。少し引用してみようと思う。
となると、今後は曲単体のパワーによるものではなくレイドらしく「SNS」をうまく利用したボス曲が話題になりやすいんじゃないかなと思うのです。オンゲキの2曲みたく「全員が特定のプレイヤーが解禁するのを見守りながら楽しむ」、DDRのような「全員が情報を共有して譜面の続きをつなげつつ完走を目指す」と言った、全ユーザーを巻き込んだパフォーマンスが欲しいなと考えています。挑戦した勇者の帰還を待つべく、皆が固唾をのんで見守る。ゲーム制作陣の無茶苦茶な要求に応えようと頑張る人たちがいるんだと。
オンゲキもmaimaiも、ボスに辿り着くまでの過程を皆で共有し、そして達成の瞬間を目の当たりにせんと話題が広がっていく。セガの高難易度演出が年々上手くなっていくなーと思ったところでのチュウニズムだ。
今回のチュウニズムはオンゲキとmaimaiの中間を狙ってきたなと思うが、それにしてもこの解禁方法で最高難易度レベルの更新とは大きく踏み込んできたと感じた。
舞台演出など知らん、強い者だけが挑戦する権利を得る。オンゲキも2年前のイベントで最高難易度を更新したので似た雰囲気があったが、こちらは余韻もなくもはやストロングスタイルと言っても過言ではないだろう。恐ろしいものである。

改めて音ゲーもすげぇ時代になってきたなぁと、つくづく思うのであった。
ところで、同日収録でniconicoジャンル初のMASTER15の『What's up? Pop!』は、AIR PLUSで収録された高難易度楽曲『Dengeki Tube』を思い出させる。難しいはずなのに何とも不憫よ……。
あとは、今回追加された『Forsaken Tale』だが、譜面内容は自分は一切見てないし、自分の手で解禁するまでは情報をシャットダウンしていくことにした。こういうビッグなものは出来るようになるまで箱の奥底にでもしまっておくのが得策と言うものだ。
しかし、いつになった出来る難易度まで下がるかな……2ヶ月経ってしまうかもしれないが、ワクワクは消えないものだ。