ダメどころか害にもなる音ゲーの努力のしかた 【オトゲラボ#2】
開幕音ゲーと関係ない話で申し訳ないが、とあるブログで紹介されていたハウツー系同人誌が結構安くなったので一気にドバっと買ってみた。(25年2月までの限定セールなので、特にクリエイターとかで気になった方は是非買ってみて欲しい。マンガなのでよりリアルに響いてくると思う)
内容は「プロとして漫画家を目指すために、何度ボツにされようが描き続け「完成」させるには、そして「成功」に近づけるためにはどうしたらいいか」と言うものだ。今まで読んできたハウツー本の中ではかなり具体的で現実的に取り入れやすいものになっているのでかなり参考になった。
というわけで、今回はこの書を使って「害になる努力」を説明していきたいと思う。
過去に自分がやらかし(今も続いてる)ダメな例を挙げて説明しているが「これはやっちゃダメなんだ」が伝われば幸いだ。
1:「害になる努力」とは?
本書の例で説明すると、デビューを目指して描いた漫画の1作目を完成させいざ編集部へ持ち込んだものの、結果はボツ。自らの作品が否定されたわけだがその時に「頑張って描く」ことはするな、と作者は主張する。
そして具体的な例として「テストの一夜漬け」が挙げられているが、一夜漬けは本来悪あがきでしかなく、大抵の場合は散々な点数結果で終わることになる。そして一夜漬けをやる理由は「まぁちょっとは頑張ったんだけどね~」という自己暗示のために行われるにすぎない。
(ちなみに運よく一夜漬けで成功した場合も「なんだよ無駄に勉強しなくて良かったじゃん」と天狗になりどのみち続けるので、一夜漬けがダメだと気付いた時点で直さないと一夜漬け癖がそれ以降の人生でも常套手段となってしまうことが多い(経験則))
これは努力不足と言うよりは長期の見通しが甘いがための自己責任が強い要素だが、ここでダメなのが「努力が足りなかった」と言い訳し、「どうしてダメだったのか」という分析を放棄してしまうことだ。本当にダメだった部分に「努力」という蓋を被せてしまい、改善すべき部分が見えなくなってしまう。
そしてここからが本題だ。繰り返しになるがここでの「努力」は「なんとか頑張ればいけるだろう」レベルの、闇雲でお粗末なものだ。
課題や問題点を見つめずとにかくがむしゃらに頑張るがまたしても不甲斐ない結果に終わり、そんなループを続けるうちいつしか「努力」すら嫌うようになりやらなくなる…これを「害になる努力」と作者は呼んでいる。
(そしてこの恐ろしい現実を、なんとたった1Pに凝縮し表現されている。ページから滲み出るこの生々しさはなんだろうと言わんばかりにリアルすぎて、恐ろしいとまで思った。)
2:自分が過去にやらかし、今もやらかし続けている「害になる音ゲー努力」
そんな「害になる努力」が世の中に存在するわけだが、音ゲーでも恐ろしいことに結構当てはまる部分がある。
分かりやすい例でいえば、IIDXの段位認定やSDVXのスキルアナライザー、太鼓の段位道場だろう。
いわゆる「テスト」に合格するためには何が必要か、課題曲に対してどう対策すれば良いのか、高段位になればなるほど考える必要が出てくる。適切に考えられれば合格は近づくし、逆に手あたり次第上達を目指しても合格が遠くなるケースの方が大半だ。
そうでなくても、特定の楽曲で高スコアを目指すために必要な努力は何なのか、課題は何なのかを常に意識しながら取り掛かる必要がある。
ここからは自分の過去の苦い経験談を交えて話していくが、7年前IIDXの皆伝取得に向けて苦しんでいた時期があった。
皆伝のラスボスこと「冥(A)」の突破が出来なかったのだ。ソフランに加えて微縦連の連続、見切りづらい加速と、対策をしないとよほど天才でない限り突破は難しいものだ。
だが、自分は何をやったか。
ソフランがダメならソフランが見切れるようになろう→すぐ飽きる
高難易度物量が出来るようになろう→成果が上がらず低空飛行
なんか適当にやったら伸びるだろう→伸びない
ぶっちゃけ本質を見ずに手あたり次第それっぽいことをやっては失敗して…を繰り返し、ついには(本質的には絶対いらない)☆12エクハランプ埋め100個とかやりだした。ただ単に「俺うまいはずなんだけどな~」を満たすための、そして出来ないという現実とのギャップを埋めるための自己満足にすぎなかったと今では思う。
この「少しやったナゾの悪あがき」的な行為はひどいことに1年近く続き、アドバイスをもらっていた友達から見放されかけた時にようやく目が覚め、
冥の前半が確実に押せるレベルまでに成長させるため物量ノック(1クレ8000ノーツペース)
冥のソフランに対する特効薬として帽子プラを採用
冥の微縦連のリズムを(せめて前半までは)理解できるように乱ノック練習
ミラーがやりやすいのでミラーを採用
と言った攻略と工夫を1週間続けた結果、キッチリ合格することに成功した。
…とまぁ、これで音ゲー努力の軌道修正が出来れば良かったのだが、自分はやっぱりバカだったようだ。
帽子プラは恥ずかしい→なくても出来るように頑張ります!
ミラーなんてインチキだ→正規合格頑張ります!
なんか1週間で改善できるとか俺思ったより出来るじゃん
なと、折角の成功体験を
工夫したのにズルした感じがあってちょっとモヤっとした
てかちょっと努力すれば俺出来てたじゃん~音ゲー出来る方じゃね?
と、意味不明な勘違いとネガティブ思考で適当に片づけてしまった。
まぁ見事に一夜漬け思考に乗っ取られたわけで、普通に成功体験を素直に喜んでキチンと勝因を分析すればよかったのに…。
こういった経験が重なり、別音ゲーで高難易度に直面する度に
「高難易度も地力パンチ出来るくらいになってから頑張れるもんね」と言い訳をし譜面研究をサボりまくる
回数やると癖がついて分かんなくなるのであまりやらなくなる
いざやったところで出来ないから「ま、まぁ努力が足りないから…」と言い訳しだす
で避け続け、そして行き着く先が短期的に狙いやすい「低~中難易度の高精度チャレンジ」だ。俺出来るじゃんのイキる範囲で永遠ループし、結局本質的な上達はここ10年くらい止まってしまっていると思う。
なんとかうまいっぽい感じを出して今まで凌いできた部分はあるが、気付いてる人は「アホだろアイツ」で見放しているだろう。
改めて見直すと、こんなみっともないことを続けていたのか…書いて恥ずかしい限りだ。
まぁ最悪遊びではあるから死にはしないが、ここまで「害となる努力」を一直線で突っ切ってるとは思いもしなかった。
ちなみに、なんでこんな負のループに入っていったのか…振り返れば「ちょっとやれば出来る」タイプの人間だったので「上手くいかなかった時の現実」を受け入れられなかったこと」がきっかけだと思う。
面白くなくなると次の面白いところへ行く、を繰り返すノマド的生活だと何も成就しなくなってしまう。(下手なりの大器晩成と言えば聞こえはいいが…)
3:まとめ
というわけで、実体験を交えながら「害になる音ゲー努力」とはどういうのかを自戒を込めて書いてきた。
すごく雑にまとめると「無策でただやり込み続ければ道は開けるといったことはなくつらい時こそ課題を見つめ直さないといけないけど、分析を放棄するとロクなことにならんよ」という話だ。
また、何を伸ばしたいのかも明確にしないと中途半端な結果で終わることが多い。最悪の場合、中途半端にやった過程を美化し言い訳し自分を誤魔化し続けることになる。
解決策について、これを書いてる時点では実践出来ていないので(申し訳ないが)方法のみになるが、「適切な分析と対策」を考えなければ始まらないのは確かだ。スタートで間違えたらゴールも絶対に間違える。なので慎重に考えなければいけない。
今後、キチンと成果が出たらその時にまた書こうと思う。
いずれにしても、(特に高難易度で)努力の方向を間違えると伸び悩むどころか音ゲーが嫌いになるリスクすら出てくる。
適当であることをヨシとするならそれで問題ないが、そうでなければ自分のような人が増えないようになれば幸いである。