見出し画像

R-1グランプリ2024とネタの時間について

注:以下の文章の初稿は2023年10月に書いたものです

原文には加筆修正をせずに再掲します

まず、大前提として本稿はR-1グランプリの主催、運営を否定する意図で書いた記事ではありません。
ピカレスク澤田の一芸人としての考え方、スタンスに基づいて書いた内容であることを予めご承知願います。

先日、R-1グランプリの運営から発表された通り、
2024年から大会の規定が大きく変わります。

従来、3分だった決勝のネタ時間が4分に。
出場資格は芸歴10年以内から無制限に変更されました。

芸歴制限の撤廃については、歓迎というより、従来のルールに戻ったものとして、僕は受け入れています。
その代わり、将来また改めて芸歴を制限するのだけは絶対に止めてほしいですが。

本稿では、主に芸人にとってのネタ時間について詳述します。

正直、ネタ時間の変更に関しては想定内でした。
同じ賞レースでも、M-1グランプリの決勝のネタ時間は4分。
3分というネタ時間はM-1だと3回戦の持ち時間なので、R-1の決勝はM-1に換算すると3回戦なのか?
ネタ時間が長ければ長いほど良い、というわけではないですが、大会のグレードを落としていた一因だと自分は思ってます。

想定内と前述しましたが、ネタ時間を伸ばしてほしい、という願望に近いものがありました。

ネタを作って実演している芸人の体感として、3分は短か過ぎるんです。
(僕は芸人の代表者ではないので、人によって違う、と言われたら反論は出来ませんが)

ここまでは、演者側の視点だけで書いてきたので、ここからは見る側の視点と合わせて書くために、他ジャンルを例に書きます。

音楽、取り分け日本国内の商業音楽を例にすると、分かり易いはずです。
ピカレスク澤田は元·ミュージシャンなので、ある程度は説得力を持たせられると信じます!

日本国内の商業音楽、所謂J-POPのヒット曲の尺(再生時間)の平均はどのくらいだと思いますか?
大多数のイメージは3分でしょう。
しかし、実際は4分前後です。
何故、ヒット曲の実際の尺とイメージの尺に齟齬が生じるのか?

それは、大半のヒット曲の尺の体感時間が3分だからです。
実際の再生時間が4分近くあっても、聴き終わると3分くらいしか経ってないように感じられるー
「良い曲」は短く感じる、言い換えれば冗長ではないということです。

所謂バラードに分類される曲は、テンポもゆっくりで、再生時間が5分を超えるものも少なくありません。
しかし、名曲と言われる曲は、リスナーが途中でダレることなく最後まで聴けます。
5分間という時間を感じさせないからです。

この体感時間の重要性は、他のジャンルのエンタメでも同じことが言えます。
(音楽を例に説明すると言ったのに、もう他のジャンルに飛ぶのかよ!と言われそうですが)

上映時間2時間の映画で、2時間の鑑賞に耐えうるクオリティの作品は、観終わった後に本当に2時間きっかり経ったとは思えないはずです。
体感としては1時間10分くらいでしょう。

音楽でもお笑いのネタでも、良い作品は実時間より短く感じられるものなのです。
しかし、限度はあります。
1分のコンテンツを30秒に感じさせるのは、ほぼ無理です。
良い感じに短く錯覚させられる時間の最低値が約4分なのです。
良質の4分のコンテンツが体感では3分。
この1分のギャップは作り手と受け手のギャップでもあるのです。

念のために述べますが、作り手の方が偉いという話ではありません。

···ここまで書いてから1年半以上放置してました

タイムラグは大きいですが、2025年現在の方がむしろ有意義な記事だと思ったので、そのまま公開しました。

最後まで読んで下さった方、ありがとうございます!









いいなと思ったら応援しよう!