27歳OLが一級建築士に総額30万で合格した話[勉強方法]
こんにちは。
不動産会社勤め、独身27歳OLです。
1年のうち300日ぐらい飲み歩いている酒飲みです。
私は1級建築士試験にR5学科・R6製図合格しました。
資格合格にかかった費用は総額約30万円。
車が買えるほど資格学校に支払った・・・という話をよく聞く中、コスパ良く合格出来たので勉強方法をnoteに記そうと思います。お役に立てれば幸いです。
それでは本題に入ります。
まずは総額約30万円の詳細はこちら。
資格合格費用詳細
次に学科・製図試験の勉強方法を記します。
◯学科独学勉強方法
学科は過去問7年分を5周。
やったことはこれだけです。
購入した市販の教材は4冊のみ。
・過去問スーパー7
・スピード学習帳
・N分野別問題集
・S法令集
教科書(スピード学習帳)は過去問の解答解説でわからない部分だけ読むというサブ的に使っており、1周読みきっていません。
教科書を1周以上読み込んでから練習問題に移るという方法が一般的かもしれませんが、
教科書を読むだけではインプットしているようで実際は理解出来ていないので、問題を解く中で実習として落とし込んでいく方が効率がいいと思います。
学科の勉強はいきなり過去問を解くというやり方で開始。当然、1問もわかりません。
そこから試験直前には、過去7年分5周目はどの年どの教科も満点を取れるまでひたすら繰り返し過去問を解きました。(5周もしてると回答を覚えちゃうというチートあり)
5周というのは目安で、この状態を目指せれば何周かは関係ないです。私はこの状態になるのに5周かかりました。
試験前3ヶ月の勉強時間は、
平日3時間、
休日7時間程度だったと思います。
夜飲みに行くこともしばしば。
通勤などの移動時間を効率良く使い、勉強時間の総量をいかに増やすか。とよく言われますが、私は通勤時間や隙間時間に勉強はしません。
なぜなら数十分の間、集中し切れない環境で勉強をしても実際インプットは増えておらず、勉強している気になるだけだからです。
その時間は自由時間と割り切り、好きな音楽や動画楽しんだ方が良いと判断していました。
独学で質問できる人がいなかったので、
1番苦戦した構造の特に構造計算問題はyoutubeに助けられました。おすすめは「建築士たぬき」さんです。
また、Nオープン模試を一度受けたのですが、
その際に周りの目を気にせず溜まっていた質問を聞きまくりました。
学科は独学で合格される方も多いと思いますし、
過去問をこなせば問題なく受かる試験という感覚がありましたので、予備校に通学する必要はないと考えます。
この試験の鬼門は製図だと思うので、
そちらを重点的に記述したいと思います。
◯製図勉強方法
製図試験は8/1から勉強開始、50枚製図を目標に2.5ヶ月やり切りました。
結果、試験2日前に50枚目を製図し目標達成しました。
50枚目標に製図することをお勧めします。
この試験、大事なのはインプットではなくアウトプットです。
製図試験の独学は難しいと判断し、T製図本科八重洲コースに通学。
8/14スタートで毎週日曜日の9時半から19時半まで計10回の授業がありました。
授業中に製図1枚、その週で3枚、1週間で4枚ペースで最後2周は2日に1枚ペースで描くとちょうど50枚になります。
T製図本科を選んだ理由はコストと立地です。
N、Sと比較して安価でありながら、合格に効果的な内容で不満はありませんでした。
N,Sの営業は粘着質ですが、Tは非常にドライで個性的なA先生が私には合っていました。
A先生は、
という感じ。
結果論にはなりますが、T設計課題で免震構造・階数自由が含まれた本試験と近い課題もありました。
ここからは、心境含めた当日の記録を製図のコツ含めながら公開します。
製図試験 前日~当日の流れ
前日は少し緊張していたのでパッと飲みに行こう!と景気づけに焼肉を食べた後、バーでストレートのウイスキーを数杯流し込んで帰宅。
当日、会場は東京大学駒場キャンパス。
10:45から説明開始となっていたので、10:30ごろ駅に到着すればいいかと思い向かったところ.最寄り駅に製図版を持っている人が一人も見当たらず不安に。
学科試験の時は、各予備校が配布物を配っていたのにそれも一切なし。
会場を間違えていないか不安になりながら校舎内を歩いていると、試験会場の文字を見つけ一安心。
会場に入ると既に受験者の大半が製図用具の準備完了しており、10分前着は圧倒的に遅かったようです。
変な焦り方をしたので、30分前には試験会場に到着することをお勧めします。
ちなみに、会場に時計はありませんでした。
時計はたまたま持っていて助かりました。時計必須です!(当たり前か)
準備している間にあっという間に説明が始まり、いざ試験開始。
試験問題「建築学科の大学校舎」を見て、
個人的サプライズ要素
・階数設定自由
・西側道路ロータリー(道路法上の道路)
・建築学科校舎で建築学生の教材化となる建物
・道路が南北ではなく東西→採光を隣地からとるとなると採光補正係数検討必要
・免震構造指定
若干のサプライズはありながらも免震構造と階層自由はT課題でもあったので順調にエスキスが終わり、この時点で1時間半。
再度問題文との整合を取り、開始2時間あたりから製図開始。割と順調。
いつも通り作図を1時間ほど進めていたら、、事件勃発しました。
やはり順調にいくはずがありません
階数自由だったので文面通り解釈し、基準階4層6階建で計画していたのですが、断面図に6階建が入らない。
基準階平面図と断面図の図面被りという事態が起きました。その瞬間、斜線に当たっているor容積オーバー、いずれかの法規無視をしているからだと思いました。
なので、再度法規関係を確認。
隣地斜線・東側道路斜線・容積OK。
ならなんで図面被っちゃうの、、、
商業地域なのに北側斜線かかるとかある・・・??道路法の道路は引っ掛けで何か制限ある・・・??他に大きな見落としある・・・??
など頭がぐるぐるしてしまい、ここで30分ほど手が止まってしまいました。
5階建プランやり直しも考えましたが、作図も進んでいたので図面が汚くなると思い、一度トイレに立った後、思い切って図面被りしながら強行。自信が無い図面を描き進める虚しさったらありません。
がむしゃらに書きましたが、不安から手先が震え修正多発。
試験前1か月は作図に3時間かかることはありませんでしたが、本番は作図が終わって時計を見ると残り20分。
手が止まった時間と合わせて4時間以上かけていたことになります。
記述は書けそうなものから製図の合間に書くというスタイルなので、記述時間も込です。
予備校ではまず記述を先に書くという指導を受けましたが、やっと納得いくエスキスが完了したらまずは図面書きたくなりません?
ってことで、勢いに任せて図面を書きつつ、気分で記述も同時に仕上げていくという方法が私には合っていました。
残り20分で絶対にミスがあるという心づもりで図面を確認し、あっという間に6時間半終了。体感あっという間の6時間半でした。
用紙回収まで時間があり、その間に修正している人が周りにちらほらいましたが、私はミスに気付くのが怖くて回答用紙を見られませんでした。
あの時間、書いても注意されていなかったので未完の人は注意される覚悟で回収直前まで描き続けて合格の確率を高める方がいいと思います。
特に手ごたえはなく帰宅。
ツイッターでは製図試験がトレンド入りしており、見ていると自分のミスがどんどん発覚し落ち込みました。
製図試験本番で自覚しているミス
・講堂の面積から控室抜いていない
(控室は除くと記載あり、読み飛ばしていました。)
・記述:建物の建築学生への教材化の回答が的外れ。そもそも教材化の意味がピンと来ていなかった。(未だによくわからない。)
その中でZEBをZEHと書き間違え。Hはhouseだろっ!
・製図室に柱あり→N回答例は柱入っていたので減点にはなっていない可能性もあり。
ちなみに母校の製図室にも柱あったので、無柱空間にしなければいけないと試験中は全く思いませんでした。
6階建て以上を作図した人の中にはGLラインを自分で引き直している人もいたみたいで頭いいなと感心。そんな手は思いつきませんでした。7,8階建てのツワモノもいる模様。
そこから合格発表の12月25日までのメンタルはまさにジェットコースター。
謎の自信がわいてきたり、不安になったり。受験生なんてそんなものではないでしょうか。
これだけミスの自覚がありながら合格していたので、ミス1発アウトではない試験ということがよくわかりました。
製図スピードを上げる方法
製図スピードだけは自信がありました。
前述の通り試験でコケたものの、
本番までの1か月はエスキスから記述時間込みで3時間ぐらいのスピード感でした。早ければいいという訳ではありませんが、速さだけは予備校内でも圧倒的でした。
私が早く作図出来ていた理由は3つ。
①エスキス簡略化
②作図手順の徹底
③減点方式の仕組みを理解する
①エスキス簡略化
予備校によってエスキスの教え方は異なると思います。
私が通っていたTの教えは下記でした。
①エスキス用紙1マス1グリットで要求室、廊下、出入り口等条件整理。2~3パターン検証
②階段・EVの収まり、トイレレイアウトを1/200で検討
③1/400でエスキス
④1/200で精度高めエスキスで窓、植栽まで記載
対して、私が行っていたエスキス手順
①1マス1グリットで検討
③1/400の精度粗目エスキス
以上です。
エスキスA2用紙を4等分程度しか使っていませんでした。
試験本番もエスキス用紙3/4は使っていません。
②については、想定できる10パータン程度を頭に叩き込んでいたので、よっぽどの変化球が来ない限り割愛。
ポイントは、エスキスも定規を使う事。
本番フリーハンドの方も多いと思いますが、私は絶対に定規派です。理由は、定規を使った方が自分も人も見やすい綺麗な図面が書けるから。
確かにフリーハンドは味がある図面になりますし、その方がペースが速くなるという方はいいと思いますが、私は直線をフリーハンドで描くのが苦手で壁1本でもフリーハンドで描いたものなら納得いかず消して書き直すのが目に見えているので、図面だけでなくエスキスから定規を使っていました。
エスキスの特に①ステップは小さい図面で検証することになるので、フリーハンドで少しでもずれていると、よくわからなくなります。
時間ロスをなくすため、エスキス①段階から定規を使用していました。
精度粗目の1/400エスキスで製図し始めると手戻りが多くなり、結果としてロスが大きいというご指摘受けることは承知です。
製図している間も頭は動いているわけなので、無心で通り芯・柱や壁を書いている時に、みんなが1/200エスキスで検証しているような窓の配置や植栽位置を考えていました。
②作図手順の徹底
作図手順はいつも同じ順番とし、機械的に手を動かし続けることで、時間ロスをなくせるよう自分のルールを作っていました。
私の製図手順は下記です。
通り芯→柱→外壁→寸法→要求室名→駐車場・駐輪場→ EV・階段・トイレ→内壁→家具
図面別の順番
3階平面図まで同時進行(通り芯のみ断面まで)→最後に断面1枚
通り芯から寸法まで手を機械的に動かしながら、
1/200エスキスをすっ飛ばしている分、窓配置や植栽位置を考える時間に充てていました。
順番のマイルールを序盤に決め、その通りに製図練習を重ねることで手が勝手に動くようになりました。
ポイントは要求室を早い段階で記入することです。
要求室が一つでも抜け落ちると失格事由となるので、確認できる回数を増やせるよう序盤に記入し、
その都度漏れがないか確認していました。
要求室が家具と被ってしまっても問題ありません。
③減点方式の仕組みを理解する
この試験は減点方式です。
故に余計なことはやらない、描かない。
T通学中、交換採点をする度、特に角番を経験した多年度受験生に多かったのが、要求されていない吹き抜けや中庭などの作図している人です。また、実務的な観点から使い勝手を真剣に考えていたり、階高を無駄に上げてる人もいました。
時間がシビアな上、減点方式という採点方法の中、余計なアピールは不合格のリスクを高める行為でしかないと私は思います。
この試験の作図は実務の図面でも、試験元へのラブレターでもありません。合格することが目的の図面です。
加点はないのですから、
試験元が減点できない課題文に忠実で無駄のない図面を書くことが最優先です。
この意識を持つことが大切だと感じました。
最後に
試験のためにやってよかったこと
をまとめます。
・学科試験
全科目網羅的に理解するまで過去問7年間を5周
学科は本当にこれさえ出来れば受かると思います。
・製図試験
◯50枚製図
インプット<アウトプット
◯エスキスの簡略化で確認時間の確保
試験で4時間近くかけてしまった私ですが、この試験、見直しの時間が一番大事だと思います。
R6製図でランク4が半数近くいたことから、図面の良し悪し以前に漏れがあると採点の土俵にも上がらないという厳しい性質上、絶対にミスがあるという前提で荒探しをする時間を20分は確保しないと落ちる試験だと確信しています。
◯作図手順の徹底
機械的に手を動かし続けることで、時間ロスをなくし、確認に充てる時間を増やす。
◯減点方式の仕組みを理解する
加点はないのですから、
試験元が減点できない課題分に忠実で無駄のない図面を書く
以上です。
読んでいただきありがとうございました。
質問等あればコメントいただけると幸いです。