ハナの独り言

　こんばんは、私の名前は山田ハナです。今日、S村の大沢集落に猫のレオと母の叔母の家に引っ越してきました。河川敷で見かけた箱の中から鳴き声が聞こえたので開けてみたら・・・アパートはペット禁止だと分かっていたけど青いつぶらな瞳で見つめられたら、きっとあなただって思わず連れ帰ってしまうと思います。小さなうちは良かったのですが、体と共に鳴き声を大きくなり、隣の住人から大家さんに連絡が行き、猫をとるか引っ越すかと言われ思わず「引っ越します」と言ってしまいました。実家では兄が結婚し私が帰る場所なんてないのに。大家さんからは３か月の猶予をいただいたので、親にも相談しペットを飼えるアパートを探し回りました。
　大家さんから引っ越すように言われたころから不思議な夢を見るようになりました。山と川に挟まれた小さな集落でレオと楽しく暮らしている夢です。最初のころは朧気で、ああ、こんな場所でレオとのびのびと暮らせたらと思っていました。が、夢の中の風景が日ごとに鮮明になってくるのです。そんな時、母の叔母から大沢集落で一人暮らしをしているセイばあちゃんが心配だから、無料で空き家を貸すからという話が舞い込んで来たのです。仕事も上手くいっていなかったこともあり、田舎で少しゆっくりしてきたらという母の言葉でここに引っ越してきてびっくりしました。毎晩、夢で見ていた風景と同じです。お隣のセイばあちゃんはいい人で、引っ越したばかりで大変だろうからと夕飯をご馳走してくれ、お風呂まで使わせてくれました。
今日は、レオとゆっくり眠れそうです。