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セイばあちゃんが暮らす村
三毛猫不動産のちーです。改めて私の自己紹介とセイばあちゃんが暮らしている村を紹介しますわ。私は元々、姪の千夏ちゃんに飼われていて、ここから車で30分位の大きな町に暮らしていたの。セイばあちゃんのご主人が亡くなった時、おばあちゃんを心配した千夏ちゃんが都会の大学に行くことを口実に、私をセイばあちゃんに預けていったの。賑やかな町からここに来たときは、周りに猫仲間が少なくて淋しかったわ。セイばあちゃんは働き者で、天気が良ければ畑にいくし。でも、町では家から自由に出られなかったけど、ここではどこにでも自由に歩ける。足の向くまま、畑についていったり野原を駆け回ったり。田舎は猫にとって意外と住み心地がいいわ。
コホン、猫も年をとると前置きが長くなるのね。でも、レデイに年齢は聞かないで。セイばあちゃんなんて「私は万年60歳」って言ってるし。
Y県S村大谷集落
私とセイばあちゃんが暮らす大谷集落は、山と川に囲まれた大きな谷底にある。昔は渡し舟で対岸と行き来していたらしい。山越えの道路は出来たが、くねくねした山道では町に行くのに時間がかかる。分校が無くなってから、集落を離れる人はどんどん増え昨日ついに、同じころに嫁に来たお隣のみっちゃんが集落を離れ、この集落の住人はセイばあちゃんだけになった。開拓で入植した住民は、お互い助けあって生活し、全盛期には20数世帯約100人以上が暮らし賑やかだったとセイばあちゃんは呟く。
集落を離れても、田や畑仕事のために3世帯の住民が町から通ってきて、セイばあちゃんの様子をみたり、必要なものを買ってきてくれる。だから、淋しくないし、おじいさんのお墓のあるこの集落を離れたくないのだとセイばあちゃんは膝に乗った私の頭を撫でながら話している。この次はいよいよ何故、私が不動産屋を始めたのかをお話しますわ。
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