第 11 回日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構 認定技師試験問題
問題 1 心臓の解剖で誤っているのはどれか。
右心室は左心室の前方に位置する。
右心室の肉柱は左心室より発達している。
左心房は心臓の最も背側に位置している。
心臓は胸骨と第 2~第 6 肋間の背面にある。
心臓のまわりは心内膜と呼ばれる繊維性の袋に覆われている。
正解の選択肢
2. 右心室の肉柱は左心室より発達している。
正解の理由
右心室の肉柱は左心室の肉柱ほど発達していません。左心室は全身に血液を送り出すためにより強い力が必要であり、そのために左心室の筋肉がより発達しています。
間違った選択肢と理由
右心室は左心室の前方に位置する。
正しい。右心室は左心室の前方に位置します。
左心房は心臓の最も背側に位置している。
正しい。左心房は心臓の最も背側に位置しています。
心臓は胸骨と第 2~第 6 肋間の背面にある。
正しい。心臓は胸骨の後ろ、第 2 ~第 6 肋間の範囲に位置しています。
心臓のまわりは心内膜と呼ばれる繊維性の袋に覆われている。
正しい。心臓の外側は心外膜、内側は心内膜と呼ばれています。
問題 2 刺激伝導系で正しいのはどれか。
洞結節→房室結節→ヒス束→右脚/左脚→プルキンエ線維
房室結節→洞結節→ケント束→右脚/左脚→プルキンエ線維
洞結節→房室結節→ケント束→右脚/左脚→プルキンエ線維
洞結節→バッハマン束→ヒス束→右脚/左脚→プルキンエ線維
洞結節→バッハマン束→房室結節→右脚/左脚→プルキンエ線維
正解の選択肢
洞結節→房室結節→ヒス束→右脚/左脚→プルキンエ線維
正解の理由
正常な刺激伝導系は洞結節で興奮が発生し、房室結節を経由してヒス束に伝わり、右脚・左脚を通ってプルキンエ線維へと伝わります。この経路が正しい心臓の刺激伝導系です。
間違った選択肢と理由
2. 房室結節→洞結節→ケント束→右脚/左脚→プルキンエ線維
誤り。刺激はまず洞結節で発生し、房室結節に伝わります。
洞結節→房室結節→ケント束→右脚/左脚→プルキンエ線維
誤り。ケント束は正常な伝導経路ではなく、異常伝導経路です。
洞結節→バッハマン束→ヒス束→右脚/左脚→プルキンエ線維
誤り。バッハマン束は右心房から左心房への興奮伝導路であり、通常の経路に含まれません。
洞結節→バッハマン束→房室結節→右脚/左脚→プルキンエ線維
誤り。バッハマン束を通る経路は心房内伝導に関わりますが、房室結節を通る正しい経路は1番です。
問題 3 頻脈性不整脈の原因となりうる心疾患はどれか。2 つ選べ。
Brugada 症候群
Eisenmenger 症候群
Adams-Storkes 症候群
Bland-White-Garland (BWG) 症候群
Wolf-Parkinson-White (WPW) 症候群
正解の選択肢
Brugada 症候群
Wolf-Parkinson-White (WPW) 症候群
正解の理由
Brugada 症候群は心室性不整脈を引き起こすことで知られ、WPW症候群は副伝導路の存在により頻脈性不整脈を引き起こします。
間違った選択肢と理由
2. Eisenmenger 症候群
誤り。Eisenmenger症候群は、心室中隔欠損症などが原因で肺高血圧を引き起こしますが、頻脈性不整脈の直接的な原因にはなりません。
Adams-Storkes 症候群
誤り。Adams-Storkes症候群は突然の意識喪失を引き起こすが、頻脈性不整脈の原因ではありません。
Bland-White-Garland (BWG) 症候群
誤り。BWG症候群は左冠動脈が肺動脈から異所性に起始する先天性異常であり、不整脈の直接的な原因とはなりません。
問題 4 冠動脈の名称と AHA 分類の区域番号で正しいのはどれか。2 つ選べ。
正解の選択肢
2. 第一対角枝 — #9
第一中隔枝 — #10
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