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【アコギ修理】ブリッジ欠損ギターの再生 ⑥(フレット擦り合わせと細部作り込み)
ブリッジの接着が乾くまで他の部分を詰めていきます。まずはフレットの擦り合わせから。
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トラスロッドで可能な限り指板をフラットにしたら、マジックで色を付けたフレット上へオイルストーンを滑らせます。この個体、わずかにネック起きは生じているもののトラスロッドを緩めた状態でフラット、コレは嬉しい。なおギター界隈では聞き慣れないかもしれませんが、オイルストーンとはエンジンのリビルド等に使う油砥石のこと。合わせ面の平面を出すのに使う道具ですが、ぼくはコレでフレットの擦り合わせを行っています。研磨力高いので一瞬で終わっちゃう。削れ過ぎるのが唯一の欠点かも。
ただ今回はフレット高さがそもそも低く、またローポジのフレットには弦が擦れた激しい凹みがあったため、ある程度で妥協せざるを得ません。多少の凹みを残しつつ、フレットの形を整えていきます。
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山の低さがもはやフレットファイルで削れる限界を越えているので、諦めて#320の紙やすりを使い手作業でフレットを丸めます。見た目を頼りに整形しますが最早成立してるかすら怪しい。組んでダメならキッパリとフレット打ち直します。仕方なし。
ここからはひたすら磨き作業、#400,#600,#800,#1000,#1200と番手を上げ、後は金属磨きで仕上げます。
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ハイポジはいい感じですが、
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ローポジはこの有様。まぁ最終どうするかは演奏してから考えましょう。
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遠目に見ればええ感じなんだけどなぁ。
そして指板を仕上げようとマスキングテープ剥がしてたら、
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やはりポロッと取れました。まぁこのタイミングなのはラッキー、瞬間接着剤で貼ってなかったことにします。
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乾ききった指板は汚れを取った上で最近試してるオイルを塗ります。うっすら塗って拭き取りを繰り返す形で。
よく指板にドバドバオイルを掛ける話が出てきますがぼくはしません。アレはどうかなぁ、線路の枕木じゃないんだから。
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しっとりくっきりといい感じ。このオイル、すぐ乾いて匂いも控え目でとても使い易い。一説によると昔のTr○-oi○が実は同じ成分だったとか。まぁ噂ですけどね。
次にブリッジ周りの仕上げ。突っ張りくんをボディに入れて裏押ししながらブリッジピンの穴を開けます。
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ドリルでφ4.5のキリを通した後にテーパーリーマでピンがピッタリ入る様に穴を形作ります。一箇所キメて深さをテープでマーキングしておけば後は単純な作業です。
穴が開いたら次は弦を通す溝をブリッジに付けます。目立てヤスリでゴシゴシ。ブリッジピンをかわしつつ、サドルまで弦が素直に案内される様に溝を付けます。
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こんなもんかな。ウチにあるアコギはどれもココが摩耗して凄い事になっているので参考に出来るものがなく野生の勘で彫ってみました。詳しいひといたらどうすればいいか教えてください。
ペグのメッキの曇りを取ったりもしましょう。
ドレメルにバフ付けてコンパウンドで磨きます。ついでにグリスアップも。ぼくはドライルブとウレア系グリスを併用しましたがこんなのなんでもいいと思います。木に流れないちょう度で少量、大事なのはそれだけかも。
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さて、ここまで来たら後は組むだけ、ですね。