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兵庫県知事選挙は民主主義の白蟻

 次々ある地方議会選挙に立候補し続ければ、ヘイトも、脅迫、威力業務妨害もオールOK。しかも、反権力ではなく、冷笑的愉快犯的な無責任な、一種の選挙版漫才芸人。なにか昔、ビートたけしや、明石屋さんまがテレビでやってたことが公選法という「安全地帯」を利用して行われている。

少し立花孝志氏を評価しすぎているが、そんなところか。

 例えば、郵政民営化を旗頭にした2001年の小泉純一郎政権の登場に国民は欣喜雀躍し、昏迷を極めていた自民党は大勝した。あれほど森喜朗のバカさ加減に国民が辟易していたにも関わらずである。
 「民意」の重さを語るうわべの綺麗事が政治家、マスコミから語られるが、ファシズムも民意で「選択」されたことを思い出す必要がある。阪神間の住民は、六甲山系の麓の中小企業経営者のブルジョワ、阪神電車沿線の「プロレタリア」に分かれるが(単なる妄想かも)、この「プロレタリア」層は左翼ではない(これは確か)。斉藤候補の裏にいた倫理法人会、統一協会から動員された人々が街頭の客寄せの「撒き餌」になった。立花孝志氏が誰に使嗾されているのかは不明だが、ベクトルは反「サヨク」であること、反「反差別」であることは間違いない。自民党、体制には絶対に向かわない。彼の「NHKをぶっ壊す」という政権放送が流れ始めたのは、第二次安倍内閣時代で百田尚樹がNHKの経営委員を退任した後、2016年の東京都知事選からだ。

今回の兵庫県知事選では「情報弱者」は、you tubeやSNSの情報が正しいというレーニン的な「曲げすぎた鉄棒」の状態になった。

 デジタル化された「オルレアンの噂」の様相を呈し、SNSによる煽動、「民意」なるものを扇動し、さらに、街頭化することで、桜的な撒き餌となる動員された客寄のための人だかりの偽装が、「情弱な民」を誘蛾灯のようにおびき寄せた。
 ひょっとして、絵を書いたのはこの上山たちかもしれない。自然発生的ではなく(民意ではなく)、扇動、誘導、妄動が計算されて作り出されたのか、というのが私の憶測。

 この上山信一のコメントには、明石市、洲本市、南あわじ市、淡路市、を選挙区とし、先の衆議院選挙で、地元明石市では148票差で負けたものの淡路島での得票差で8選した西村康稔の動きには一言も全く触れていない。斉藤知事を、県議会、他候補への攻撃で支援した立場孝志と同じスタンス。「別個に進み共に撃て」(トロツキー)である。

 百条委員会で斉藤追求の急先鋒だった県議が、突然、議員辞職。you tubeみて斉藤がはめられたことがわかったという有権者のインタビューを報道するテレビ。裏で、次に立花孝志氏が立候補を表明したのも先の西村が地盤の南あわじ市市長選(2025年1月19日告示)。次々の供託金を払い続け、選挙への介入、当選の当てのない大量立候補、風俗営業のポスター掲示板、部落差別のヘイター掲示板とかした公営掲示板賃借ビジネス(?)。この前代未聞の選挙ビジネス家のスポンサーは誰なのか。ホリエモンでもそこまでバカではないだろうが、親しいらしい。ひょっとして西村の疑惑の裏金が立花の選挙資金として流れたのだろうか。うがりすぎだろうか。
 この兵庫県知事選挙は、様相を一変したこの一年のSNS選挙の連続した流れの一環としてある。小池の票の目減り分が蓮舫に行くのを防ぐために当選の意思はなかったが石丸が立てられ、ネットを駆使して、小池維持に成功した都知事選。
 さらに、そのネット選挙装置がそのまま、国民民主・玉木に投入され、自公の過半数割れは起きたが、28議席の国民民主との「103万」政策協議で自公が政権を失わなかった衆議院選挙、と同じSNS選挙であり、民主主義を食い尽くす白蟻のように見える。
 日本の民主主義と有権者を、ズタズタにし、弄ぶような都知事選、衆議院選、兵庫知事選。
 ここに台湾、北朝鮮をめぐる戦争的危機、大災害パニック、闇バイトのような社会不安、つまり、トリガーとなる感情的情動的インパクトが起こると、一気に、ファシズムの様相を呈する。そんな危機感が私をよぎる。杞憂的「年寄りの冷や水」であってほしい(意味がおかしい)。

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