#4 はじめてのおつかい

レンタル人間になって約一ヶ月半。
これまでに数件の依頼をこなし、問い合わせも20件以上になり、レンタル人間としての自分には需要があるのでは、と少しこなれた気持ちになってきたところに購入代行の依頼メールが届いた。

依頼主は私の居住地から1,000km以上離れたおそらく田舎と言われるエリアに住んでいる方で、私のいる都市圏でしか販売しないグッズを買ってきて欲しい、というのが依頼内容だった。
通販もあるようだが、通販の開始時期が私に依頼をしてきた対面販売開始から2ヶ月以上経ってかららしく、待ちきれなかったのだろう。

購入希望品は、20年以上前に発売されたBLゲームのアクリルスタンド全7種。根強い人気を誇るタイトルのようで、なぜかこのタイミングでアクスタが新発売となったらしい。

指定されたBLグッズショップでそれらを購入し、依頼主宛に発送して今回の依頼はすぐに達成された。

とてもイージーな依頼で、依頼主にも喜んでもらえたのだが、ただの便利屋さんになった気がして特に達成感や喜びはなかった。

レンタル人間なのだから、私の使い道は依頼主の自由で、依頼を受ける受けないはこちらにも選択の余地はある。

初めての購入代行をやってみて「おつかいの依頼ってあんまり面白くないな」っていうことを発見したのが今回の収穫。