
レンタルスペースで不労所得は叶うか? 18ヶ月やり込んだ結果報告
こんにちは。レンタルスペースを運営しているヒロセなです。
僕は、ほとんど手間暇をかけずにお金が入る仕組み、いわゆる「不労所得」を作りたくてレンタルスペースを始めました。
レンタルスペース経営は、ちょうど労働と投資の間をとったようなビジネスです。最初に一定の労力をかけ、費用を投資すれば、後はほとんど働くことなく長期に渡って利益を得ることができます。
今日は、約1年間半がっつりレンスペ運営をしてきた僕の経験を踏まえて、どのように運用コストを削減し、不労所得に近づけていったかお話しします。
僕とスペース運営について
本業はエンジニア。普段は、Web開発やSaaS系のtoB事業を展開しています。エンジニアはやりがいがありますが、まとまった作業時間が必要で、突発的なトラブル対応が求められる仕事でもあります。息子と娘が生まれたことを機に家族との時間を大切にしたいという思いが強くなりました。そのため、副業としてレンタルスペース運営を始め、家族の時間を増やしながら収入の安定を図っています。
現在運営しているレンタルスペースは全部で5店舗。東京都心部と埼玉中心部にあります。2023年から副業としてレンタルスペース運営をしており、初年度に年間約750万円の副収入を達成しました。
レンタルスペース経営者同士でつながるコミュニティ「レンスペ民の集い」の運営も行っています。
完全に手間ゼロな不労所得は幻想
不労所得と聞くと、何もしなくても定期的にお金が入ってくると思われがち。でも、実際には“完全に手間ゼロ”ではないですよね。大家さんだって集客や修繕を行なってます。
まあ、どんなビジネスをするにも儲かるための土台作りは必須ですし、その後の運営や情報収集も不可欠。そこで僕の目指す不労所得は、「自分次第で労力を極限まで減らせて、売上が持続するビジネス」を持つことです。
レンタルスペースは不労所得になる?
レンタルスペースは、物件取得・内装・システム設定などの初期準備を整え、物件を時間貸しすることで収入を得るビジネスです。
開業後は予約管理・顧客対応・清掃などの運営業務がありますが、外注やシステム化が可能。全くのゼロとまではいきませんが、着実に自分の手間を少なくして「不労」に近づけることができます。
【実績公開】初期費用と収益の目安
参考までに、僕が運営している5店舗のうち、ある1店舗の初期費用と収益をご紹介します。埼玉中心部にあるマルチスペース(25㎡)で、最大収容人数10人ほど。パーティー、コワーキング、ママ会、ゲーム大会など幅広い用途で利用できるコンセプトの部屋です。
ここの初期費用は、僕の運営する中では最安値の45万円。事業譲渡で譲り受けたスペースで、運良く価格を抑えることができました。運営開始から8ヶ月で初期費用の回収に成功しています。
埼玉の中心部にあるスペースの年間収支(2024年度)

経費は、毎月約9万円。家賃や光熱費、清掃費、プラットフォーム販売手数料などがあります。売上は大体20万円から、高い月で60万円。年末年始や夏休みなどは売上が増えやすい傾向です。利益は大体3万〜10万円。最も高い月で約32万円です。
僕はこういった店舗を5店舗経営しています。もちろん店舗によって利益率や売上はかなり変わりますが、単純に利益が5倍になると計算したら立派な収入になりますよね。
そして次に、どのくらい「不労」なのか。
実は、埼玉中心地は僕が頻繁に訪れるには遠いエリアです。
パーティ利用後の清掃やゴミ捨て、備品の補充などは、近隣に住んでるアルバイトスタッフを雇用することで僕自身の労力を抑えています。また従来利用者から問い合わせが多かったプロジェクターの取扱やWiFiの接続不良などについては、現地のマニュアルを強化することで件数を減らすことができました。
今では、よほどの緊急対応やお客さまからのお問い合わせだけ対応する大家さん状態です。
レンタルスペース運営はどこまで不労所得化(外注)できる?
■ レンタルスペースオープンまで
オープンまでの基本的なステップとそれぞれ外注の難易度を、僕の主観で紹介します。
物件探し →不労化しやすさ△
レンタルスペース開業OKの賃貸物件はあまり出回らないため、見つけるのに結構な時間と労力がかかります。実際に僕もレンタルスペースを始めたばかりのころは、条件に合う賃貸物件が見つからず苦労しました。
ただ、良い不動産業者と繋がることさえできれば、条件にあった物件を優先的に紹介してもらえたりするので、提案された物件の中から取捨選択をするだけ。今では、いちいち不動産屋に足を運んだり問い合わせをしなくても良いので、ほとんど時間がかかりません。
物件探しはほぼ不労にできますが、最終的な物件選定は手離れが難しく、オーナー自身でその都度考える必要があります。
僕が考える物件選定のコツはこちらにまとめています。
コンセプト決め →不労化しやすさ◯
物件のコンセプトは、一般的に物件周辺の売れているスペースを参考にして決定します。物件の売上を左右する重要な要素なので慎重になる必要があります。
まだ経験値が浅く自信がない人は、専門のコンサルに相談するという手も。経験値を活かしたアドバイスをもらいながら決めることで、確度の高いコンセプトに仕上げることができます。
インテリアコーディネート →不労化しやすさ◎
スペースの魅力をダイレクトに左右する要素。競合を研究しつつ、楽しみながらできる人はぜひ自分でトライしてみてください。
実際に運営をすると分かりますが、内装は見た目の素敵さと同じくらい運営のしやすさを考えたコーディネートであることが大切です。レンタルスペースは、利用者のセルフクリーニングが基本。片付けや掃除しやすい家具家電を選び配置ができるか、予備ストックの保管スペースはあるのか、どのサイズのゴミ箱が何個必要かなど、レンタルスペースならではの押さえるべきポイントがいくつかあります。
「コーディネートを考える時間が取れない…」
「内装を自分でやるセンスに自信がない…」
「レンタルスペースならではのコーディネートが分からない…」
という人は、コーディネートを丸ごと外注することもできます。その場合は、レンタルスペース運用に強い信用できる業者を探すようにしましょう。
設営 →不労化しやすさ◎
家具や備品を運び込んで設営をします。車を持っていない場合でも全て通販で購入してしまえば、配達をしてくれるので問題ありません。
塗装や床の張り替えなど大掛かりなことをせず、購入物を設置するだけであれば、自分一人でも進めることができます。
本業との兼ね合いで設営する時間確保が難しそうな場合は、家族や友人にアルバイトでお願いしたり、コーディネートを依頼している業者がいる場合は、設営までお願いできないか相談してみるのがおすすめです。
運営ルール決め →不労化しやすさ◯
予約受付から、鍵の受け渡し、利用規約、清掃(セルフクリーニング)、退室まで、利用客にとって一連の流れがスムーズに行われるようルールを設定することが大切です。
ルールはオーナーが自由に設定できますが、押さえるべきところを正しく押さえておかないと、鍵の受け渡しがうまくいかなかったり、清掃をせずに利用者が退室してしまうなど、事業として致命的なトラブルに直結します。
経験が浅いうちは、予期せぬ出来事が多く不安になってしまうことも多いので、他のレンスペ経営者にアドバイスをもらったり、経験豊富なコンサルに入って教えてもらうことをおすすめします。
■ レンタルスペースオープン後の運営
・集客 →不労化しやすさ◎
レンタルスペースの集客には、主にプラットフォームを利用します。一度掲載してしまえば、特にオーナー側で窓口を設けたり、広告運用などをしなくても、24時間365日システムが自動で集客をし、予約受付をしてくれます。
必ず掲載すべきプラットフォームは、スペースマーケットとインスタベース。この2つを使っていないスペース経営者は見たことないです。スペースオープン後は、早急に掲載しましょう。
こちらの記事で、主要な予約プラットフォームごとの予約実績を公開しています。
・清掃 →不労化しやすさ◎
基本的にセルフクリーニングで運営ができるレンタルスペースですが、不特定多数が利用するスペースのため、床や水回りなどがどうしても汚れやすいです。特に大人数でのパーティー利用が入った直後は要注意。オーナーサイドでも定期的に清掃をしないと、清潔さをキープできません。
このようなときは、アルバイトを雇うことで、自分が清掃に行かなくても大丈夫になります。専門の清掃会社もありますが、基本的に高くついてしまうので、僕はインターネットで募集をかけてアルバイトをしてくれる人を探しました。レンスペ経営者仲間がいれば、清掃アルバイトを紹介してくれることも多いので、案外簡単に見つけることができます。
・お客様とのやりとり →不労化しやすさ△
運用を全て代行会社に丸投げする場合であれば、顧客対応も含めて対応してもらえる場合がほとんどですが、基本的に切り出して外注することが難しい仕事です。
お客さんからの連絡は、曜日や時間帯に関係なく来ます。問い合わせ内容の中には、鍵を無くした、前の利用者がいて部屋が使えない、プロジェクターの電源が入らない、など個別に緊急対応が必要になるものも多く、その都度対応方法を考えて動かなければいけないので、事務的に対処することが難しいためです。
お客様とのやり取りは、オーナー自身がレンタルスペース運営を改善するための貴重な情報なので、なるべくご自身で対応することをおすすめしています。
・リピーターや定期利用の獲得対策 →不労化しやすさ△
レンタルスペース運営をより不労に近づけるためには、リピーターや定期利用者を増やすことが有効です。
リピート顧客で予約が埋まる状態を作ることができれば、とにかく売上が安定します。新規の利用客と違って信頼関係が構築しやすい分、トラブルも起きにくいのもかなり嬉しいポイント。
利用者側から申し出に頼らず、ぜひ積極的に獲得したいところです。スペース内に張り紙をしたり、SNSを活用するなどの方法があります。
リピーターや定期利用者を増やすためのアイディアや工夫については、経験豊富なレンタルスペース経営者に相談してみるのがおすすめ。自分だけでは考え付かない方法を教えてもらえることもあります。僕もいろんな人の知見を借りたいと考えてLINEのコミュニティーを作りました。ぜひご参加ください!
レンタルスペース情報交換LINEコミュニティー
「レンスペ民の集い」
現在(2025年1月)、LINEのメンバーは100名を超えています。実際のやり取りの例はこんな感じです。

「レンタルスペースって今でも需要あるんですが?」
「レンスペを始めるにあたり、どのような調査や準備をしましたか?」
「名古屋でレンタルスペースをしたいのですが実際にやってる方はいますか?」
「予約は概ねどのくらい先まではいりますか?1〜2ヶ月先?それとも1〜2週間以内が多いでしょうか?自分はまだちゃんとはじめられてないのですが。。」
ここには、レンタルスペースの経営者だけでなく、これからスペース運営を始めたい人もたくさん参加しています。ぜひ一緒に不労所得を目指しましょう!