サポートオフィスB/B(京都府長岡京市)知的障がい児・者支援に興味のある方必見!そのやりがいとは!?【前編】
こんにちは!
「レンタル人事」でございます!
今回、お邪魔させて頂いた事業所は、京都府長岡京市にあります
【サポートオフィスB/B】さんです。
知的障がい児・者に特化した訪問サービスを行っているとのことで、
その詳細についてインタビューを実施しました!
是非、最後までご覧ください♪
●事業所概要
●インタビューを受けていただいた方
●福祉業界に興味を持ったきっかけ
<高山>
まず、お2人が福祉業界に興味を持った理由を教えていただきたいです。
<鳥井さん>
母親が知的障がいの方のボランティアをしてて、その施設から声をかけていただいたっていうのがきっかけですかね。
あと小学生の時に、出席番号後ろの人が知的障がいの方やったんですよ。
何するにも少し遅いというか、 みんなと一緒に行動できひんから、「席の前の人と後ろの人が助けてあげてね」ということで、知的障がいの方に縁があったというのもあります。
<大坪さん>
直接的なきっかけは、子どもがちょっと仮死状態で生まれた影響で、少し右半身に麻痺が残ってしまって。
何とかしてやれへんのかなって、色々勉強する中で、学校に入り直したんです。
それが29の時かな。子どもが3歳か4歳ぐらいだったと思うんですけど。
学校3年間行って卒業して、最初は『肢体不自由』の子どもさんに関わりたいなとは思ってたんですけど、 就職したところで、自閉症の方にすごく縁があって。
そこで仕事をしてるうちに、すごく興味を持ってきて。
最初はそんなのがきっかけやったんですけど。
私も小学校の時に知的障がいを持った男の子とよく遊んでたんですよ。
自分の中であまり垣根がなかったというところで、なんとなく今の利用者様に繋がっていったのかなと思っています。
でもこの仕事を辞めたいと思ったことは1度もない。
それで、今20数年目になります。
それまでは、企画やテレビ関係の仕事をしてたんですけど、でも今の仕事が自分に合ってたっていうか、非常に楽しくて。
辛いことも色々あるんですけど、心から離れたいなと思ったことは一度もないっていう感じです。
●知的障がいに特化した事業を始めた理由
<高山>
福祉業界の中でも、高齢者の介護とか色々種類があると思うんですけど、なぜ知的障がいの方に特化した事業を始められたのですか?
<鳥井さん>
端的に言えば、高齢者や身体障がいの方に縁がなかった。
知的障がいの方に縁があったというのが大きいですかね。
あと自分自身(知的障がい以外に)興味がなかった。
<大坪さん>
やめてー。それ言おうと思ったのに(笑)
<鳥井さん>
高齢者や身体障がいの方も支援者がなくてはならない仕事ではあるんですけど、やっぱり知的障がいの方に興味があった。
関わっていくうちに、支援を提供した上で結果を出してきはる面白みがある。
興味が先というのはあるんですけど、共に育っていける知的障がいの方の支援ができればっていう感じですかね。
<大坪さん>
私も一応ケアマネの資格とかも取ったんですけど、やってみて興味が薄いんです(笑)
知的障がいの方達って、うちの事業所でもそうなんですけど、言葉を持ってる方が本当に少ないんですね。
持っていたとしても、本心を自分の言葉にして伝えることができないとか、色々あるので、「そういった方の代弁をしてあげたい」と仕事をしていく中で強く思っていて。
肢体不自由児、重度心身障がい児、いろんな方に関わってきた中で、自閉症の方への支援が「やったらやっただけの結果が出る」ので1番面白かったですよ。
どうしても自閉症の方の支援って、知識と対応できる現場でのスキルが合致しないと、どんだけ情熱があっても、「知識だけ」や「スキルだけ」の支援しかできないんです。
そこを自分で学びながら、実践を繰り返して調整していく中で、やっぱり面白いから好きなんやなっていう風には思っています。
結果が出やすいだけじゃないんですけど、知的障がいの方って、教えたら教えただけのものをちゃんと身につけはるんですよ。
<大川>
結構吸収力あるんですか?
<大坪さん>
そうですね。ただゆっくりです。
1回、2回で覚えられたら、私らいらないですし。
何百回、何千回みたいな感じで、その子のペースで一緒に乗り越えていってあげる。
乗り越える方法を提示していってあげる感じです。
その乗り越える方法を一緒に考えながら接するのがすごく楽しい。
だから事業としても特化というかだんだんそうなってきたのが実情です(笑)
●業務の中でやりがいを感じたエピソードを教えてください!
<高山>
業務の中でやりがいを感じたエピソードを教えていただいてもいいですか?
<鳥井さん>
薄紙重ねるみたいにずっと同じことを支援してて、それがある日突然ぽろっと言葉に出たり、態度に出たり、表情に出たりする時が1番よかったなと思いますよね。
些細なことで嬉しいのは、名前を早く覚えてくれて、みんなそれぞれの言いやすい名前で呼んでくれたりとか。
全然違う人見てても、「とりいさん」って言ってたり(笑)
あっちにもこっちにも「とりいさん」って言うてるやんって(笑)
そういうのがすごい嬉しくて、なんか続けてるって感じですよね。
<大坪さん>
私は昔支援した自閉症の男の子とのエピソード。
その子歩くのが大好きで、ずっと歩くんですけど。その日は、おやつを買う時に、「カルパス」っておやつの「袋入りが欲しいよー!」ってずっと言うてて。
その子しょっぱいもんが好きだから、袋のやつを買ったら量が多いし、「またお母さんと相談しようねー」と言ってたんです。
結局、普通のやつをいくつかコンビニで買ったんですけど、川沿いで「袋入りのカルパスが欲しいよー!!!」って叫んでて。
公園に行っておやつ食べている時に、どうもよくよく話を聞くと、カルパスの長いやつがあるらしい。 そっちが欲しかったみたいで。
「それ(長いカルパス)あるの。私知らなかったし、ごめんね。」って謝って。
そしたら「僕がそういう風に叫んでしまったから、僕のこと嫌いになった?」って聞いたんですよ。
自閉症の子がそんなこと言うことないんです。
私涙出て、もう嬉しくて、「嫌いなんか絶対ならへん」って。「何があっても味方だから」って。
もう、みんな敵ばっかりって思ってるから、世の中のことが分からなくて。
「音過敏」の人とかもいるんですね。
普通は、車の音とかいろんな音がしていても、私の声を聞こうと思ったら、そこだけにフォーカスして聞けるじゃないですか?
でも、自閉症の子って、それができない子がいるんですよ。
そんな中で、その子一生懸命説明してて、「大坪さんはもう絶対あなたの味方だから。叫んだのには理由があるし、大坪さんが知らなかったから、お互い誤解だね」って。
「ごめんね」って謝ったら、その子も「ごめんなさい」って言って。
もうなんかね、自閉症の子がそんなん言うんやと思って。
すごいポーカーフェイスの子が多いんですけど、でも実際はやっぱ心の中に私たちと何も変わらない感情があって、それをアウトプットするのが下手な感じなんですよ。
それをなんかいい形でね、引き出せたらいいなって、その時にすごく強く感じて。
だから、みんなしれっとしてるけど、しれっとしてなんか悪いこともしたりするけど、でもそれに至る感情があるから、そこに心を寄せないと、いつまでたっても「その子の世界にアクセスできない」っていうことを学ばせてもらいました。
●利用者様との関わりで意識していること
<大川>
利用者様と関わる中で、意識されていることを教えてください。
<鳥井さん>
私の中では、障がい者だからなんでも許されるっていうのではないと思うから、この世の中で生きていくには、「社会のルールを踏み外さへんこと」も支援の中では取り入れていること。
変な話、障がい者だからスーパーのものを勝手に食べて「私は障がい者なんで」っていうのではないですよね?
やっぱり犯罪というものがついてます。
だから、被害者にはさせない。あわよくば加害者にもさせない、なってほしくない。
やっぱり自閉症の人とか知的障がいの人は『他害』っていうところがあってね。
本人はそんな気はないんですよ。でも、通りすがりの人をパーンと叩いたりとか、車のドアをドーンと開けて隣の車傷つけたとかっていうのもあるので、世の中のルールの中で生きていく力をつけてほしいなとは思ってますね。
<大坪さん>
それはもう一緒で。
ただ、その世の中のルールっていうのは見えないですよね。
「視覚優位」って言うんですけど、自閉症の子たちって、見えるものに引っ張られるんですよ。
だから、絵に書いたり、文字読める子やったら文字で教えたり、「見える形」にすることを意識しています。
並ぶ時も立つ位置がマーキングしてあると分かりやすい。自閉症の方は前に詰めたいので、何も言わなければ前にぐっと詰めていくけど、「丸マークのとこに立っといて」って言ったら、絶対そこに立ちます。
それを構造化って言うんですけど、構造化の際たるものは交通ルールですよね。
赤信号は停まるとか、そういう世の中のルールを1つ1つ教えていってあげることがやっぱり大事で。
だって、教えてないのにできるはずがないので。
だから私たちと何も変わらないです。
知らないことは知らないし、「なんでできひんの?」って言われるのが多分とっても辛いと思います。
お母さんに「じゃあ教えましたか?」って私は聞きます。
聞くと「いや、これぐらいできるでしょ」って。
「いや、そうじゃないんです。これはこういう風にやるんだよってことを最初に教えてあげて、少しずつやればできますよ」って。
信号で止まれない子が1週間ぐらいかかったけど止まれるようになりました。ブァーって走っていく子は、1番最初に「ヘルパーさんと手を繋がないと外出はできません」って約束して。
そしたら気持ちは早く行きたそうやけど、手を離さずにいてくれるし。
それってよく考えたら小っちゃい子ってそうでしょ?
体の暦年齢と実際の発達してる年齢に差がある。この差が大きければ大きいほど「障がい」になる。この乖離(かいり)が大きい場合は、なかなかちょっと難しいんです。
だから、「世の中の仕組みってこうなってるんだよ。だからあなたは今ここでこういう行動が望まれてますよ」ってことを必ず教えます。
先にお伝えしておくと、律儀やからなー。頑張らはりますね。
<高山>
言ったことは絶対守る感じですか?
<大坪さん>
説明責任を果たしたらきちっと守ります。
「大丈夫?」って聞いたら「大丈夫!OK!」って。
<鳥井さん>
逆に言うたら、私たちは嘘をつけないです。
裏切れないです。
<大坪さん>
やから約束は絶対守ります。
できない約束はしません。
<鳥井さん>
「そのうち行こなー」も言わないです。
行くんやったらいつ行くか伝えて、行かないんやったらもう行きません。
白か黒です。
みんなご飯とかでも「そのうちいこなー」ってよく言うでしょ?笑
<大坪さん>
ほんで立ち消えでしょ(笑)
(知的障がいの方は)ずーっと待ってるからね。
だから、できる約束しかしない。
でも何回も言うけど。私ら普通の生活と変わらないんですよ。
ただ、それがちょっと、なんていうのかな、設定が違うだけでね。
何も変わらんなっていうところで、そこをより丁寧にやっていくことを大切にしてますね。
〜おしらせ〜
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