退団するということ②

退団者には、退団者だけの素敵な輝きがある。
千秋楽が近づくにつれて、その輝きはどんどんと増していく。
それは、大好きな綾凰華さんも例外ではなかった。

お化粧前が真っ白になる、退団1週間前。その頃から、あやなさんが時々泣いているっぽいのが見えた。ご自身で下した決断であっても、寂しいのはきっとそう。
前楽の日のマチネまで、私も涙腺が緩みっぱなしだった。

でも、前楽のソワレで、直接今回の雪組観に行けた史上、いちばんはじけていて、綺麗で、カッコよくて、悪七さんの生き様もカッコよくて、美しくて、晴れやかな笑顔だった。

ご贔屓が退団した時、彼女も「泣かない」ってずっと言ってたけどやっぱり泣き笑いしていて、寂しさもありつつも晴れやかに悔いを残さず退団していった。
それを思い返して、あやなさんの退団と向き合ってみた。

きっと今だって、綾さんは寂しい思いもしていると思うし、私達ファンもめちゃくちゃ寂しい。
でもこの寂しさを自分も何度も味わったし、ご贔屓もこの寂しさをきっと乗り越えたんだ…って。

迎えた、千秋楽。

ライブ配信で観ました。

今まで寂しそうな表情を浮かべていたショーのあちこちで、これまでになく、眩しい笑顔。少しの曇りもない晴れやかな笑顔。
咲さんも仰っていたけど、今までで一番キラキラしていた。
この人は悔いなく去っていくんだ。

自分なりに悩んで、下した決断だった、と綾さん。
どこまでもがむしゃらに綾さんが駆け抜けた日々。

綾さんが作詞した歌詞。

振り返れば 流した涙も 心の中で 今は輝いて

歌詞の通りなんでしょうね。綾さんは、どこまでも宝塚を愛したまま、この舞台を降りていかれるんだ。
退団のご挨拶で改めて確信しました。

寂しいな。
寂しさはやっぱりまだ残ってる。
それはたぶん退団されてからしばらくは続くんでしょうけど。
でも、綾さんの舞台姿に未練がある意味での寂しさじゃなくて、宝塚という世界から退団してしまうということに対しての寂しさなのかな、と自己分析してみる。
わかんない。

でもこれだけは言える。
綾さん、今までお疲れ様でした。愛してます。

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