【変な家シミュレーター】レビュー|顧客の事なんか考えるな!某動画をオマージュしたパズルゲーム
「変な家」という動画をご存じだろうか。書籍化、映画化もされているので本・漫画・映画でその名を聞いた作品を人もいるかもしれない。
端的に説明すると不可解な不動産物件をテーマとしたヒトコワ系の動画作品なのだが、本作はその作品を元に作られたコメディ動画「察しの悪い雨穴」を題材としたパズルゲームである。
ホラー要素は一切無いため、ホラー作品が苦手な人も安心してほしい。逆に「なんだこの物件は」と笑ってしまうのでホラーが苦手な人も安心プレイできるぞ!
察しが悪すぎるセリフに思わず手が震える
オマージュ元の動画「察しの悪い雨穴」の笑いどころである、あからさまに変な部分には触れない雨穴(本作での名前は雨月)は健在。しかもフルボイス。
元動画にもあった「人間ぶっ殺しゾーン」「大麻を育てる部屋」「テロリスト塾」には微塵も触れないし、「ボス部屋」「〇ックスをしないと出られない部屋」といった動画にはなかった変な部屋も全スルー。それどころか、部屋の名前を口に出したうえで「普通…だなぁ…」と言い出す始末。お前の普通を教えてくれ。
しかもこの雨月、たとえプレイヤーが何もしてなくても毎秒発言をする。1プレイにかかる時間は10分程度なのだが、めちゃくちゃ雨月によるすっとぼけた発言を聞く羽目になるので腹筋を持って逝かれまくる。
正直自分は緩い語彙と声質のせいでゲーム後半はちいかわの仲間キャラクターに見えてきていた。(見た目は敵側のそれだが)
無駄な空間を作りまくってハイスコアを狙え!
本作のゲーム性はブロック状の部屋を敷き詰めていく、若干テトリスのようなパズルゲームだ。しかし隙間なく埋めて行けば良いわけではない。少し特殊な二つのルールを駆使してハイスコアを狙っていくのだ。
一つ目のルールは外周に面した部分に何もパネルを置かずに右下の受話器を取ると対象の場所が外壁と認定されてしまい次の階以降そこにパネルを置けなくなってしまう。気を付けないとドンドン使えるスペースが少なくなってしまうので、まずは外周を隙間なく覆うように配置したいところだ。
そしてもう一つが外周がパネルに囲われた中に何もない空間がある状態で受話器を取ると「変なスペース」という範囲に指定される……というルールだ。このスペースは階を跨いで重なっているとボーナスが加算される。
外壁と認定されないよう外周はきっちり埋めつつ、なるべく「変なスペース」を広く、多く重ねて10階分の間取りを作成していくことが高スコアを稼ぐやり方となるのだろう。
ちなみに部屋の配置や割り振り方にはボーナスも減点もない。寝室がなくてもいいし、各部屋がドアで繋がってなくてもいい。なんだったらボーナス目的で1階から10階まで真ん中に吹き抜けを作るという奇抜な建築もアリだろう。この際、快適な家に住むなどというナイーブな考えは捨てよう。
そんな変な間取りを構築しつつ、高スコアを獲得するゲーム「変な家シミュレータ―」はunityroomというサイトにて無料で遊ぶことが出来る。
パズルが苦手な人も雨月のすっとぼけた発言を聞くだけで面白い作品となっているので、ぜひプレイしてみてはいかがだろうか。