テレビを見ていたら。
たまたまテレビを見ていたら、
NHKで、『サンドの、お風呂頂きます』という番組をやっていました。
お笑いコンビのサンドウィッチマンと、芸能人の方が、行った先でお風呂を借りる番組らしく、
今日は、都内のお風呂屋さんに行き、後を継いだ息子さんご夫婦が、廃業寸前のお風呂屋さんを立て直し、お客さんが連日満員になるまでになった、というサクセスストーリーでした。
人に歴史あり。
息子さんは当時、リサイクルショップを経営していたそうで、立ち行かなくなった実家の銭湯が気になって、奥さんが、銭湯の後を継ぐことを勧めて、そこからが苦労の始まりだった…というお話で、
二人でここまで来るのに、言うに言えない苦労もあったことだろうし、今でこそその苦労も報われているけれど、
一生懸命ご主人を支え、頑張って来られた奥さんが、旦那さんから一度も
『ありがとう』
と言われたことがない、と言っていて、
ご主人の方も、
『心の中では感謝しているのですが…』
という、お約束の返事。
テレビ的には、サンドウィッチマンのお二人に促されて、旦那さんが奥さんに、感謝の言葉を言って、奥さんは、もうその雰囲気だけで泣いている姿に、ゲストの女優さんがもらい泣きをしていたのだけれども。
旦那さんが、奥さんに感謝の言葉を伝える時に、言っていたのが、
『いつも心の中では感謝していたけれど、口に出して伝えたことは、ほぼほぼありませんでした。
いつも助けてくれてありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。』(だいたいこんな感じ)で、手紙でも読むような、
不器用な男の気持ちを表すと、こんな照れた感じになります、的な流れの中、
奥さんは、感極まって、『ありがとうございます』って言っていたようだったけれど(正確に覚えてない)、
普段、気持ちを聞いたことがないから、初めて認められて嬉しかったのは、わかるけれど、
普段怖い人が、ほんの少しの優しさを見せると、すごくいい人に思われるみたいな、
希少価値がつくなら、
普段は全く褒めないで、ある時いきなり相手に感謝の気持ちを伝える方が、お得なのか?、ということではないけれど、
損得の問題ではなく、ひとの良いところを認め、相手がしてくれていることに感謝出来るかどうかが、とても大事だし、
テレビに出ていたご主人が悪い人ではないけれど、やはり、『男として』とか、『男たるもの』みたいな自意識が、どこかにあるのではないか?、と穿った見方をしてしまう自分がいました。
男性は、だいたい「言わなくてもわかるだろう」という思考で、
女性は、「言ってもらわないと分からない」というところから、もうすでに違っています(いい悪いの問題ではなくて)。
自分の父親の年代あたりは、当然、『沈黙は金なり』という発想で、
簡単に言葉にしない、言葉に重みを持たせている(のか?)ような気もするけれど、それは今の時代、通用しなくなっていることで、やはり伝えなければ意味がない。
言葉にして伝えることで、相手が安心したり、信頼してくれたりすれば、こんなにいいことはない、と思います。
まずは身近な方を安心させて、信頼を築いていくことをしていかなければ、と番組を見ていて感じました。
感謝の言葉が、がんばらなくても当たり前のようにサラッと言える人が、ドンドン増えるといいですね。