家と土地のお祓い
今日は、いつもお世話になっている葬儀社の方から、古い家のお祓いを頼まれていたので、少々緊張気味で目が覚めました。
これまで色々な、いわゆる事故物件のお祓いを頼まれることがありました。
新聞に載るような、事件のあったマンションのお祓いや、
別荘地で、自死された方がいて、その別荘を取り壊すにあたり、お祓いをしてほしいとか、
アパートで自ら火をつけて亡くなられた場所のお祓いだったり…。
普通のお寺さんなら、お断りするような事を、頼まれるようになりました。
最近、特に多くなっています。
結果として、こういうお祓いが増えるということは、穏やかな状況ではないので、あまり喜ばしいことではありませんが、
お声がけ頂ける、ということは、私のことを信頼して下さるからこそ、ですから、
その事が本当に嬉しくて、有難いことだと思います。
そして、なんとしてもそこで亡くなられた方の魂を、迷わないで、行くべきところにお送りするという、とても重要な役目でもありますので、
しっかり地に足をつけて、揺るがないようにする事に意識を集中させます。
前もっての準備と心構えも必要なので、やはりどこか緊張しますが、取り落としのないように注意することを心掛けます。
皆さんが、家や土地のお祓いを頼まれた時に、これだけは是非やって欲しい事を、コッソリお伝えします(ないか?)。
それは、まず、御供養する事。
その場所で亡くなられた方の事はもちろん、その方の家族や御先祖の御供養、そしてその土地や場所にまつわる全ての方々の御供養をして、お聞き届けいただく事です(これが本当に重要)。
そして、その場所でお祀りしていた神棚や、仏壇の御魂抜きをして、「今までお守り下さって、有難うございました。
お粗末にしてしまい、申し訳ありません。このままにしては、大変失礼な事ですので、どうぞ、元の場所にお戻り下さい。これまでありがとうございました。」という気持ちを込めて、お勤めして、お祓いをさせて頂きます。
その時に用意する御供養の品なども、色々ありますが、お知りになりたい方は、コメント頂ければお答えします(いるのか?)。
今日の場所は、長い間どなたも住んでおらず、廃墟のようになっていた物件を、不動産屋さんが買い、更地にする前に、色々あった場所なので、お祓いをお願いしたい、というお話でした。
その不動産屋さんも、過去に仕事の依頼を受けて取りかかったところ、どうしても状況がスムーズに運ばず、よくよく調べたところ、水神様がその場所にあり、お粗末になっていたことがわかり、その水神様をお祀りするようになったところ、事態があっという間に動き出し、滞りなく進んでいった事があったそうで、
御神仏に対して、とても真剣な方でした。
電気も水道も、もちろん止まっていて、埃とクモの巣だらけの家の中でしたが、そこに簡易の祭壇を作り、お経をあげて、そこで亡くなられた方と、その御先祖様、土地や家屋にまつわる一切の方々の御供養をして、それから一部屋一部屋お祓いをして行きました。
かなり広いお宅で、
この家で、いろいろな事があって、泣いたり笑ったりしながら暮らしていたんだろうなぁ、とか、
この家で、たくさんの思い出が作られたんだろうなぁ、と感じながら、お祓いを進めていくと、
埃とクモの巣だらけになっていた神棚があり、そこには、大黒様と恵比寿様のお姿が、そのまま置き去りになっていました。
手放すにはそれなりの理由があるし、それは致し方ないと思うけれど、
この神棚に、こうしてお祀りしたという事は、何か理由があってのことで、お祀りした方が亡くなったとしても、守っていて下さった神様に対して、やはり「ありがとう」という気持ちは、もっていて欲しかったなぁ、と思ったら、お払いの最中、泣きそうになりました(泣くわけにいかないので泣きませんけど)。
そこで急遽、祝詞を御唱えして、これまでの感謝を込めて、御魂抜きをさせて頂きました。
それから2階に上がり、隅々までお祓いをして、家のお祓いと御供養が終了、
今度は、外にお祀りしてある祠の御魂抜きをさせて頂きました。
約1時間半程で、全てが終了しました。
終わった後、今回お声がけ下さった葬儀社のお店にお邪魔して、お茶をご馳走になり、戻って来ました。
この葬儀社の方々とは、なかなかないご縁を頂いたことから、こうして親しくさせていただくようになりました。
そのことに関しては、次回、触れたいと思います。
長文に最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。