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ロジャー、ジョンインタビュー(Mirabelle誌 1974年初夏?)
QUEEN RULES
… for their girls, their clothes and their super selves
クイーンのディーコン・ジョン(※原文ママ)はタイトなウェリントンブーツとレインコートが好きかもしれませんが、それらを身につけることはありません。私がこのグループと会った時、彼らは黒を強調したヴェルヴェットとサテンの服を着ていました。クイーンは着るものにとても気を使っています。特にフレディ。彼のステージ衣装は本当にエキゾチックです。ミスター・マーキュリーが日中に白い長手袋をすることはないとディーコンは断言しましたが、私は完全に納得したわけではありませんでした。
「フレディは誰でも買い物できるような店では何も買わない」とディーコンは明かしました。「彼の服は完全にオリジナルじゃなきゃならないんだ。彼はずっと服に興味があったけどね。ロジャーと二人でケンジントンマーケットで服のストール(※小さなショップ)をやっていたけど、いいものは全部自分用にキープしていたと思うよ!」
私はロジャーの素敵な薄手のシャツを褒めました。彼は「これすごく古いんだ」と言って縫い目を引っ張ってみせましたが、確かにややすり切れていて補修が必要そうでした。ロジャーがとびきり大きなブルーの目の持ち主だという噂は本当です。ふさふさまつ毛の重みでまぶたが下がるようで彼はやや眠たげに見えます。彼には女の子に催眠術をかけるために懐中時計を振る必要などないでしょう。
女性の好みを尋ねると、彼らは好きなタイプについてとても明確な意見を持っていました。
「スリムな子!」とディーコンが言いました。「スリムで髪はブロンドなタイプが断然いいけど、性格が生き生きとしていなきゃだめだよ」。ディーコン自身は大変もの静かですが、ほほえむと顔全体がぱっと明るくなります。フレンドリーで優しい彼には快活な女の子がお似合いでしょう。
ロジャーもまた性格を重視しています。「基本小柄な子がいいけど」、としばらく考えて言いました。「でも深みも必要だ。フレディの好みはすごくエキセントリックなタイプ。芸術家肌の子とか。僕もそういう子が好きだ。おとなしい子が好きなのはブライアン。彼はペンギンも好きだよ!」。何かつながりがあるはず、でもそれは水かきのある足へのこだわりではないわよねと私は思うことにしました。
時間がある時彼らは何をしているのでしょうか。特別に興味のあるものは?「そうだな、古い劇場に興味がある」と話し好きなロジャー。「ディーコンは電子機器に夢中だよ」。「夢中じゃないよ」とディーコンが反論しました。「遊べるおもちゃが好きなだけだ。アメリカにいた時にすごくいいステレオを買ったよ! フレディは才能豊かで、何かデザインするのが好きなんだ。『Queen』のレタリングやセカンドアルバムのロイヤルクレストは彼の手によるもの。実はアルバムジャケットのデザインには全員が興味を持っている」
仕事以外の時フレディは何をしているのでしょう? 彼には答えるチャンスがありませんでした。私の質問が終わる前にロジャーが即答したからです。「彼の趣味は鏡を見ることだよ!どんな時でもめかしこんで決してやめない。僕たちは時にフレディの着替えのためだけに待ったりする。彼の服は極上の悪趣味と言われるものだね」
この先数か月のグループの予定は?「秋に3作目のアルバムが出る予定」とロジャーが続けました。「8月ごろレコーディングして、9月はまたアメリカに行きたいと思っている。この前のツアーはまるまる1か月キャンセルしなければならなかったから」
「アメリカでの僕たちはスタートしたばかり。上を目指している時っていいものだよ」とディーコンが言いました。「あるレベルに達したら、違う考え方をして何か別のものに発展していくだろう。僕自身はこの業界のスタジオやレコーディングといった面にすごく関心がある」
ここまでの歩みを彼らはどう感じているのでしょうか? グループの気持ちをディーコンがまとめました。将来について彼らはとても楽観的なようです。「今の僕たちはライブバンドで、ツアーがとても楽しい。僕たちの出し物では優雅さと気品がとても重要で、Mirabelle(※この記事が掲載された雑誌)にライブ中の写真があと何枚か載ってほしいね。全員次のアルバムのレコーディングを楽しみにしている。フレディはそれ用にもう何曲か書いているよ」
これ以上何が言えるでしょう?クイーンが向かう先は時間が経てばわかるはず。ロジャーがランニングシューズを履いているのに私は気づきました。ですから彼らはきっと、そこへ早く到達することを目指しているのでしょう!
ジュリー・レインボー
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