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ジョンインタビュー(Music Scene誌1974年5月号)

Queen’s Fairy Feathers Master Stroke 
& other goodies from 
John, Freddie, Brian and Handsome Roger

words: Tony Jasper
picture: Mike Putland


6部屋ある自宅の壁を、スターポップグループや歌手たちについての大量の記事でほぼ埋め尽くしたイカれたポップコレクターの話がある。かつては有望だったが今はホテルのおまると人参の皮むきがキャリアとなった孤独で落ち込んだ者たちが彼に手紙を書き、自分たちが絶賛された昔の記事のコピーを頼む。それをホテルの客たちに見せるのだ。

Popswop誌が「かわいいジョン、ゴージャスなフレディ、スーパーロジャー、そしてもちろんハンサムなブライアン」と書くところのクイーンは、奇妙だが感動的なそのシーンの一部にはならないだろうと私は思う。彼らのアルバム「クイーン」の音楽的な強さと15,000枚以上の売り上げは、長く続く未来を示唆している。モット(※・ザ・フープル)と一緒にツアーをしたクイーンは温かい反応を勝ち取り、今はかなり良い発売中の新アルバム "Queen Ⅱ” を引っ提げてヘッドライナーとして初の英国ツアー中だ。

新アルバムは「すごく費用がかかっている」とジョン・ディーコンは言った。それは純粋に4人が完璧さにこだわったからだ。「かなりの大作だ。相当複雑だけど、決して退屈なややこしさではないと僕たちは思っている」と彼は言い足す。

そのこだわりは現ツアーのPAシステムの選び方も同じだ。最終的な決断までに彼らは3種類を試した。小道具と照明にも同様に時間がかけられ、衣装はザンドラ・ローズに作らせた。

音楽から着るものまですべてにクオリティを追求するクイーンの姿勢が、短命な音楽シーンでの息の長い活躍を保証するとの示唆はなるほど少々古風に思える。リハーサル不足でギグの時間も短い多くのグループの靴に喜んでキスをするロックファンが大勢いるのは確かだ。しかしその愛は常に、グループに音楽的な欠点があると気づいた時に終わるのだ。

私はクイーンの独自性について話すようジョン・ディーコンに頼んだ。「ギターサウンドだ ― ブライアン・メイを、彼のステージやスタジオでの仕事ぶりを、聴いてほしい。フレディは歌い手としての何かを持っている」

「僕たちが制作に費やす時間もそうだ。それは最初のアルバムでわかるし、2作目はさらなる労力が必要だった」

「2作目ではギターの多重録音、音響効果、ベル、たくさんのピアノ、ロジャーのパーカッション、すべてを自分たちでやっている。レコーディングに最初から最後まで関わっているんだ」

「ミキシングにも全て行く。プロデューサー任せにはしない。ミキシングが終わった後も、僕たちはアルバムがカッティングされている2週間をトライデントで過ごした。レコーディングとかで最も危険な段階というわけではないけれど、とても多くの労力と時間をかけた後で何かがうまく行っていないと分かったら最悪だから」

「続いてアートワークを慎重に。セカンドアルバムのカバーを見てほしい。ミック・ロックによる写真で、とても効果的だ。僕たちはすごく気に入っている。下部にはクイーンのクレストを配置したんだけど、きっちり正確であるよう確認した。EMIは僕たちをすごくうるさいと思っている気がするね」

「アルバムの片面はホワイトと呼ばれていて、もう片面はブラック。衣装にも同じ色を使っている。僕たちは自分たちがやることには惜しまず時間をかけている。このアルバムにはすごく金がかかっているよ」

「僕たちのサウンドについて話していいかな。スタジオとステージで完璧を目指して頑張っている。クイーンの音楽はファンキーな曲と本当にハードなロック曲のミックスで、すべてを貫いているのはメロディーだ。これまでは熱狂ってレベルで白熱したものが多すぎだったかもしれない。それで今は、静かな作品もいくらか融合させようとしているところだ」

「セカンドアルバムについての続きだけど、サイド1はステージではイントロに使う "Procession" で始まって "Father & Son" (※原文ママ)に続く。"Procession" は多重録音のギター曲で "Father & Son" から抜き出したメロディラインをアレンジし直してある」

「最初のサイドの曲のほとんどは互いにつながっていて、主にフレディ作(※原文ママ)。全体としてはよりバラエティとコントラストに富んでいる。ファーストアルバムは全体を通してとてもヘビーだったと思うけど、今回は例えば "Sunday (※原文ママ) One Day" がある。ブライアン作の軽めのナンバーだ」

「”Fairy Feather (※原文ママ)Master Stroke” はタイトルから想像されるかもしれないものとは違う。テートギャラリーに展示されている絵画を題材に、描かれている登場人物たちに焦点を合てている」

「”Funny How Love Is” はとてもスタジオ的な曲で、パーカッションが多用されている。ステージではどうもうまくいかないみたいだ。"March Of The Black Queen" は6分ととても長く、リハーサルにすごく時間をかけてきた曲だ」

クイーンがトップに立ち続ける可能性のまた別の一面は「今で3年一緒にいる」ところによる。プロのグループとしての存続期間は18か月だが、"Jesus" や "Son & Daughter" のような曲の演奏には初期からの歴史があるのだ。

「最初の頃はそういう曲やファーストアルバムの他の曲をいくつかやっていた。当時持っていた機材はひどかったな。その頃の僕たちは自分たちの曲の価値を証明するためにアルバムを作りたかった」

「全員がカレッジに在学中だったんだけど、ある幸運に恵まれた。僕たちはウェンブリーにあるスタジオに通って音を出していた  ― そこの防音設備のテストのためだ。その見返りに3時間のスタジオタイムをもらえたんだ」

「それでデモを5曲作った。"Keep Yourself Alive", "Doing Alright", "Great King Rat", "Jesus", "Son & Daughter" で、僕たちがレコード会社に行くのに十分なクオリティのものだった」

私はバンドに、自分たちには何か新しいものがあると思っていたのかどうか尋ねた。「願わくばそうだね。あなたはトップ・オブ・ザ・ポップスが僕たちの場所かどうかと聞く。僕たちは2月の出演がとても不安だった。僕は出たくなかった。あの番組が伝えるイメージは僕たちの趣味じゃない。決めつけられたくはなかったんだよ。ロジャーは出演に賛成だったけど。ひとつ良いのは番組を見る人の数だね。僕たちの出来は良かったと思う」

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