
第4節 ブラウブリッツ秋田戦
こんにちは、私です。
またも秋田に勝てず…前半からセカンドボールを取り続け、ゲームを支配しましたが、アンラッキーな形で失点。そこからはブロックを崩すことができず、無得点での敗戦となりました(見木が倒されたシーンPKだと思いますが…笑)。やはりビルドアップはまだまだ完成度が低く、もう少し内側を突いていくプレーが必要です。

・秋田対策は「ロングボールの多用」
この試合はロングボールを蹴ることが多かったですが、これは秋田対策だったと考えました。
秋田は強度高くプレスをし、奪ったらFWやDFラインの裏を目掛けて蹴ってきます。また、ソユースタジアムの芝は長めでボールが転がりにくい状態になっています。これらの対策でロングボールを多用したと考えています。

秋田のプレス、スタジアムのピッチコンディションなどを考えてセーフティー重視に。蹴ることで相手のブロックは下がるのでクリアされたとしても押し込んでいる状況であるため、拾いやすく2次攻撃に繋げることができます。また、現時点でのジェフの強みはハイプレスです。この試合では蹴って相手のブロックを間延びさせ、クリアされたボールを高い位置で奪って攻撃を始めることを狙っていたのでしょう。ゲーゲンプレス的な感じですかね?この試合では最終ラインからのロングボール、サイドからのアーリークロスのようなボールを蹴ってセカンドを回収→攻撃開始というのが多く見られました。
今のジェフの前線にターゲットタイプの選手はおらず、この試合は呉屋がターゲットになっていましたが、競り合いに勝ってもらうことを前提にロングボールを多用していたわけではないと思います。相手に難しい状態でクリアをさせて、強みのハイプレスを発動し、セカンド回収で上回るということを狙っていました。
どんどん前に蹴ってくる、強みのハイプレスが効きにくい相手に対してどう戦うのかなと思っていましたが、この試合のようにボールを放棄してハイプレスをしにいったりセカンド回収勝負に持ち込んだりするという戦い方もありだと個人的に思いました。
・ビルドアップの修正と課題
ビルドアップに関してはあまりうまくいってなかったと思います。外へ外へと追いやられ、相手のブロックを最後まで崩すことができませんでした。ただ、前節から修正されているところもありますし、そこまで悲観しなくてもいいと思います。ただ、ビルドアップの改善は必要です。
①田口と小林の立ち位置修正
前節のレビューで田口と小林の位置を逆にした方がいいと書きましたが、この試合ではそこが修正されました。

解説の方は小林→風間の交代後に田口がアンカーに入ったみたいな言い方をされていましたが、スタートから田口アンカー起用だったはずです。やはり田口がアンカーに入った方が展開力やキープ力を活かせますし、小林もIHに入った方が前への推進力やボール奪取能力が活きてきます。小林がサイドでの崩しにもうちょい加わりたいなど課題はありますが、田口小林の2人を起用するのであればこの立ち位置の方が良いように思います。
してほしい修正を小林監督はすぐしてくれるので今後ビルドアップももっと良くなっていくはず。
②日高が入った効果
この試合で日高は決定機に繋がるクロスを2本供給したように、日高が入ったことで攻撃のバリエーションが広がったように思います。
48分に呉屋へのアーリークロス、69分に小森へのクロスと決定機を演出しました。これまでのジェフはクロスからチャンスに繋がることが少なく、得点のほとんどがハイプレスによるものからでした。右サイドは質が伴わず、左サイドに関しては左利きの選手が使われておらず、良いクロスボールが上がりませんでした。しかし、日高はプレースキッカーを担えるように質の高いボールをサイドから供給していました。

12分のシーンでは、日高が粘って見木に繋ぎ、見木から田口へ。田口はダイレクトで呉屋への縦パスを出し、呉屋は上手くターンしてフリーの日高へと出そうとしましたが、相手に引っ張られて体制が崩れ、パスがズレてしまいました。
このシーンのように日高はスピードを活かした攻撃参加も魅力的で、左利きでキック精度が高く、スピードのあるSBは今のジェフにはかなり貴重な選手です。日高の特徴を活かしたビルドアップをして、得点を量産していきたいですね。
③少ないニアゾーン侵入
前節のレビューでも書きましたが、ニアゾーンに侵入していく攻撃が少ないです。大外からの攻撃ばかりで、もっと内を突く攻撃を増やさなければいけません。これが攻撃に停滞感があるように感じてしまう一番の原因であると思います。

大外よりもニアゾーンに入った方がゴールにより近くなり、得点の可能性が高まります。クロスとシュートの2択を持つことができますし、グラウンダーのクロスでも味方に繋がりやすい。大外からのクロスだと浮き玉じゃないと繋がりにくく、ボックス内に競り合いに強い長身選手が必要になってきます。今のジェフには上から叩ける大型FWはいませんし、大外からのクロスはあまり効果的ではありません(FWの入り方は上手いはずなのでクロスの質が伴えば…)。そのため、ニアゾーンに侵入していくことが得点を増やすために必要となってきます。

サイドで旋回をしてニアゾーンを攻略するような形がもっと見たい。ニアゾーンランをすれば囮になり、内側のパスコースも空きます。ニアゾーンランの回数を全体的に増やしていきたいです。

ニアゾーンランと連動してFWが降り、ライン間のスペースを使うのも相手のブロックを混乱させる一つの方法です。
ただ、秋田の選手たちもそう簡単にはニアゾーンに侵入させてくれません。実際にこの試合ではコンパクトに守られ、狙えるような状況になかったことが多かった(ジェフの攻めがスピード感に欠けるのもありますが…)。こういうブロックを固めてくるチームには素早く揺さぶっていくことが必要だと思います。

図のような同サイドが詰まった状態で攻め込むのはかなりきつい。ここで相手の守備が手薄になるのが逆サイドになります。

素早く逆サイドに運べれば、逆サイドで数的優位を作ることができます。ジェフは迂回する際のスピード感に欠けるイメージがありますし、素早い展開を作っていきたいですね。


69分の田口→日高でニアゾーン侵入できたのは良かったですね。ターンしてオープンな体勢を作ることができた田口の上手さで生まれた決定機ですが、コンパクトに守ってくる相手は逆サイドが手薄になるためこういったサイドチェンジはとても効果的です。このシーンのように大きな展開もニアゾーンに侵入し、決定機を生み出すための一つの手段です。
・最後に
アンラッキーな形での失点で敗戦となりましたが、セットプレーに関してはもっとしっかりと対策しないといけません。どんなに良い試合をしてもセットプレーの失点で負けるのがフットボールです。ストーン役だったソロモンがいなくなったことも影響していると思いますが、先に体をぶつけて相手に自由に跳ばせないなどの工夫が必要です。
セカンド回収勝負に持ち込んだ秋田対策は悪くなく、ウィークポイントであるCB脇は群馬戦ほど使われませんでした。ただ、ボールを握る時間が多かったですが、内側を突くようなビルドアップができず、相手のブロックを崩せませんでした。ビルドアップに関してはニアゾーンを使うような工夫が必要です。クロスボールの質などももっと拘らないといけません。進むべき道は間違ってないと思いますし、小林監督はしてほしい修正をしてくれているのでどんどん良くなっていくことを期待しています。
次は大分戦です。大分はスタイルが確立されていてここ数年勝てていませんが(昔はお得意様だったのに…)、ハイプレスが強みであるジェフにとっては相性が良いはず。去年の悪夢のアウェイ大分戦を忘れさせてくれるような勝利を期待しています!大分行って参る!