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第7節 ツエーゲン金沢戦

 こんにちは、私です。
 0-2で敗れ、これで6戦未勝利となりました。この試合も岡山戦と同様に内容では圧倒していて、勝たなければいけない試合でした。チャンス数自体は岡山戦よりも多かったような印象ですが、なかなか入りませんでしたね。相手のGKがゾーンの入っていたのも厄介でした。失点はともに不運なもので今年はそういった失点が多く、本当についてないなと思います。
 内容自体は素晴らしいですし、あとは決めるだけです。1回勝てば一気に好転するんじゃないかなとなんとなく思っています。シュート精度に関しては監督やコーチでどうにかできる問題ではないですし、選手たちは焦りすぎずにプレーしてほしいです。

J2リーグ 第7節
ツエーゲン金沢 2-0 ジェフユナイテッド千葉

スタメン

・内容圧倒も近そうで遠い得点

 内容では相手を圧倒しましたが、勝点3を取ることができず。無得点で終わってしまいました。スコアが逆でもおかしくない試合で、最後のところで力んで枠外、枠に飛んでもゾーンに入っていた白井に止められてしまうなど残念な結果になってしまいました。あとは決めるだけというような内容でしたが、課題も見られカウンターを受ける機会も少なくなかったように思います。ただ、内容は良いので続けていくしかないですし、選手たちの焦りも感じるのでもうちょっと頭をクリーンにして戦ってほしいです。

①CBの相手を釣りだす動きとサイドでの優位性

 立ち位置は岡山戦とあまり変わらずといった感じで、やるサッカーもあまり変わっていません。
 金沢の出方としてはそこまで積極的にはプレスをかけずに構えるような守備でした。そのため、ジェフのCBのビルドアップ能力が問われる展開になりました。

 金沢のようにそこまで前からプレスに来ないチームに対してはCBが運ぶなどをして相手を釣りだす必要があります。この作業をすることで相手のブロックにズレが生まれ、その先の受け手に時間とスペースを与えることができます。

 上の2枚の図のように運んで相手を引き付けることで次の受け手の選手であったり、他のエリアの選手に時間とスペースを与えることができます。

 2枚目の図の後の展開では一耀から受けた松田がさらに運んで相手のSBを引き付ければ、ワイドの田中に時間とスペースを与えることができ、チャンスに繋げることができます。
 このようにCBが相手を引き付ける作業を行うことでその先の展開が楽になります。が、この試合ではこういった作業が少なく、相手を引き付けずに縦パスを出してしまい、次の受け手を苦しめてしまうシーンも何度か見られました。
 わかりやすいのが14分の一耀が縦パスを出したシーンです。

14分

 一耀は前にスペースがあるのにも関わらず、小森への縦パスを出してしまいました。受けた小森はフリックしますが、相手ボールになってしまいます。
 このプレーは先のプレーを考えていないプレーだったと思います。ここで小森に縦パスを通しても相手に寄せられやすく、難易度の高いプレーになってしまいます。

 このシーンで一耀が運んでいれば、相手を釣りだして小林へのパスコースを作ることができますし、無理そうだったら松田に渡して大輔へと繋げて、逆サイドのスペースのある方へとボールを運ぶことができます。
 こういった構えた相手に対してCBが釣りだすようなアクションを起こすというのは欠けていた部分で意識づけが必要です。

 ただ、サイドでの優位性は取れていて、この試合はサイドから、特に右サイドを起点としてチャンスを多く作りました。相手のSBは人に寄せに行くという意識が強すぎていましたし、それに比べてCBなどのカバーはあまりうまくはありませんでした。ここを突いてサイド攻撃で多くのチャンスを作りました。ここは金沢戦の狙いとしてあったのかなと思います。

9分

 実際に9分のシーンでは、小林のパスから田中が右サイドを抜け出し、決定機を演出しました。見木のシュートは外れてしまいましたが、枠には入れてほしかった。
 9分のように田中が裏を取ったり、クロスを上げてチャンスを作るシーンを多く作っていて、この試合の田中はよく効いていました。前半からここで優位に立っていただけに得点が欲しかったですね。

②ニアゾーン侵入とクロス攻撃

 この試合はニアゾーンへの侵入からクロスを上げたり、シュートを打つなどしてチャンスを多く作りました。52分の見木のシュートシーンもニアゾーンへの侵入からによるものでした。
 特に日高がここに侵入してクロスを入れるシーンは多く見られました。

 このニアゾーンのエリアに侵入できれば、相手をボールウォッチャーにさせやすく、ボックス内でフリーの選手が生まれやすくなります。また、ここまで押し込むことでマイナスクロスからのシュートなども狙えます。日高は突破するなどしてここのエリアに侵入し、多くのチャンスを作っていました。
 また、日高はクロスの球質が良く、日高は攻撃において大きな武器となっていますし、今後日高のクロスからの得点が増えていくのではないかなと考えています。
 前節よりもクロスに狙いを感じることができたのは良かったです。前節ほど中に1枚しかいないのに大外からのアーリークロスを上げるという状況は少なかったですし、9分の田中→見木のようにマイナスを使うシーンも見られました。細かいことを言うと先制点献上後の23分、見木がニアゾーンに侵入してからこぼれ球を田中が縦に運んでクロスを上げに行ったシーンはマイナスでフリーの小林を使ってほしかったです。松田や風間が追い越して相手DFをゴール方向に引っ張ってくれているので小林がドフリーの状況でした。もう少し視野を広く持って、マイナスを使う意識を持たなければいけません。

③同サイドへの拘りと”テンポよくボールを回す”攻撃

 何度か書いていますが、この試合も同サイドを崩すことに拘ってしまうシーンが何度か見られました。もっと広いスペースを使って振って振ってを繰り返すべきです。
 例えば、26分のシーンは右サイドを崩そうと試みますが、最終的に小森の田中へのパスがカットされてカウンターを食らってしまいました。このような同サイドを崩そうとするもロストすることが少なくはなかったような印象です。この攻撃は効率が悪く、合理的ではないと思います。

 図のように相手がスライドしきって同サイドが詰まったら、スペースのある逆サイドへと展開することが必要です。スペースの狭い相手選手が集まっているサイドを攻めるのは技術が必要になりますし、難易度が高く、効率的ではないです。広いスペースへと展開することを意識すれば、ロストしてカウンターを受けるというようなリスクを減らせます。

 また、小林監督は試合後に

前半はピッチ状況がかなりスリッピーだったので、もう少しテンポよくボールを回せればとは思いました。

とコメントをしています。これについては少し怖い考え方だなと思いました。
 どういったところでテンポよくと言及しているのかはわかりませんが、テンポよくボールを回すことはそれなりに技術を要します。

 例えば図のように一耀からの縦パスからスピーディに1,2タッチで繋ぐとなると難易度が高く、ロストするリスクも増してしまいます。

 ブライトンでは後ろからのビルドアップで中央の狭いスペースをワンタッチでレイオフを繰り返しながら展開するということが良く見られますが、これはブライトンのカイセドやグロス、マクアリスター、ララーナなどの技術が高いからできることです。このような狭いスペースでテンポよくボールを回すことをジェフが真似するのは無理があります。
 ジェフに限らず、Jリーグのチームでよく見られますが、攻め急いだり、テンポよく回すことを求めすぎる結果、難易度の高いプレーをしてロストし、カウンターを受けることが多いように思います。前述した一耀が運ばずに縦パスを出したシーンもそうですが、ビルドアップでは次の受け手に時間とスペースを与えることが大切になります。攻め急ぐ、テンポよいボール回しを求める結果、ボールをロストし、オープンな展開となってしまいます。
 小林監督がどのような局面のことを指して「テンポよく」と言ったのかはよくわかりませんが、テンポの良いスピーディな攻めを求めすぎることはよくなく、緩急をつけることがカウンターのリスクや選手の技術を考えると大切だよということです。

④交代策の失敗

 この試合では途中から椿と高木を投入し、攻勢を強めようとしましたが、この交代については失敗だったと思いました。
 相手の背後を突く動きで効いていた田中に代わって高木を入れたことで、背後を突くような動きは少なくなってしまいました。また、椿に関しては小林監督からの指示なのかはわかりませんが、ワイドに開くことが多く、日高とポジションが被ってしまっていました。日高は気を使って絞ることが多くなりましたが、やはりここは担当するレーンを逆にした方が良かったように思います。
 交代前までの左サイドは見木と日高がレーンを交換しながらコンビネーションをして活性化させていましたが、椿は張ったままで出した後の動き出しが少なく、トーンダウンしてしまった印象です。この試合現地でゴール裏から観てましたが、椿のオフザボールがあまり良くなく、出場時間が少ない理由がなんとなくわかりました…というか椿は左サイドレーンではなく、左ハーフレーンで活きるタイプだと思いますし、内側で使ってあげるべきではないかなと感じました。ドリブルという明確な武器を持つ椿をもう少し活かしてあげたいですね。

・最後に

 守備について書く時間はありませんでした…(笑)攻撃面に関してネガティブなことを多く書いてしまいましたが、岡山戦と同じように全体的に内容は良く、岡山戦のレビューで書いたような良い立ち位置をこの試合でも取れていました。
 1失点目は質の悪いクロスがそのまま入ってしまった不運なものでしたし(その前の流れが若干緩いなと現地で観ていて思ったが…)、2失点目に関しても見木が直前のシュートを決めていればと感じでしたが、CKは若干風が影響して松田がうまく跳ね返せなかったついていない失点でした。
 打っても打っても入らない理由としては相手のGKが当たっていたのもありますが、良い精神状態でないことが影響していて、勝てていない、得点を取れていないことで選手に焦りがあるように感じます。もう少し気持ちを楽にしてプレーしてほしいです。
 次の徳島戦はかなり重要な試合となりますが、選手たちにはプレッシャーを感じすぎずにプレーをしてほしい!勝ってください!


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