第5節 ザスパクサツ群馬戦
こんにちは、私です。
群馬戦は0-1で悔しい敗戦となってしましました。前半の序盤に相手の配置に苦しみ、特に右サイドでなかなかプレスがハマらず、綺麗に崩されて先制されてしましました。ああやって崩されて失点したのは久しぶりだったと思います。今後、他のチームは千葉攻略のヒントとして群馬の崩し方を参考にされるかもしれませんね。
J2リーグ 第5節
ジェフユナイテッド千葉 0-1 ザスパクサツ群馬
・試合経過
ジェフは前節と同じスタメンとなりましたが、システムは3-5-2となりました。ベンチには熊谷と小林が戻り、篠原とサウダーニャが外れました。
前半序盤は群馬の配置に苦しみました。特に右サイドでは誰がプレスをかけるのかが曖昧で後手後手の対応となっていました。7分の失点シーンもジェフの右サイドを攻略されてしまいました。その後も相手の配置に苦労しますが、21分、26分と相手のSB裏を突いてチャンスを作りますが、得点を奪えず。前半は群馬リードで折り返します。
後半からブワニカと小島を下げて、風間と田口を入れます。システムも3-4-2-1に変更となりました。後半はジェフが群馬を押し込む時間が増えます。田口、風間とゲームをコントロールできる選手が入ったことも押し込めた理由の一つとして考えられますが、配置を変えて相手を捕まえやすくなったことが大きいと思います。ただ、群馬も守備を固め、ジェフの攻撃を跳ね返します。77分、87分と決定的なシーンを作りますが、決めきることができず0-1のまま試合終了となりました。
・良くなかった前半
前半は相手の立ち位置に対応できず、守備対応で後手を踏んでしまいました。攻撃に関してもチャンスを多く作り出すことはできませんでした。
①失点シーンからわかる苦戦
前半の守備面での苦戦は失点シーンに表れていると思うので失点シーンについて個人的な見解を書こうと思います。
失点の25秒前ぐらいのシーンです。ここでの問題は開いたSBへのプレスに2トップの一角であるブワニカが行ったことです。ブワニカがSBへプレスをかけたことでボランチが空いてしまいました。また、もしSBがもう一度CBに返すとソロモンのところで1vs4の状況となってしまいます。そのため、ブワニカはSBにプレスをかけるべきではなかったと思いました。
ここではブワニカがボランチを消し、小島がSBにプレスをかけてそれに連動して中盤をスライドさせるべきだったと思います。逆サイドを捨てて圧縮するやり方です。ただ、このやり方だと素早く判断し、素早いスライドが必要ですが小島の方がライン間の選手を消しながらプレスをかけることができる位置にいたためこれがベターだと思います。
ここでトップと中盤のラインの間のファジーなエリアにポジションを取った相手SBは素晴らしかったと思います。これによって、誰がプレスをかけるのかが曖昧になってしまいました。
この2つの図は失点の20~10秒前のシーンです。この10秒間で2回も簡単にライン間にいる加藤に繋がれてしまいました。これは良い守備とは言えないですね。1つ目の図のシーンではブワニカがライン間の選手につきながらSBを監視すべきだと思いました。2つ目の図のシーンでも小島が出るのならばブワニカがライン間の選手を警戒すべきだったと思います。
この10秒間では相手の配置に対する混乱もあったと思いますが、誰が誰にマークするのかが曖昧でしたし、全体的に強度も低かったと思います。また、ブワニカはSBに気を取られ、ライン間の選手のケアができていませんでした。ブワニカは走力がありますが、守備での予測やプレスのかけ方は苦手だと思います。金沢戦では守備面で不安定さがありましたし、それがこの試合でも出てしまっていました。
風間が裏へ浮き球のパスを出すシーンです。ここではジェフの選手が加藤につられて風間がフリーとなっています。小島が寄せるべきところでした。また、この写真でわかる通り西久保は足が揃った状態になっており、準備不足だったかなと思います。
起きていた問題は図のような感じですかね。細江さんと図が酷似してしまいましたが…(笑)SBへの対応の遅れがボランチなどをフリーにしてしまいました。3-5-2の欠点がそのまま出てしまった印象です。システムを変えずにやるのであれば、逆サイドは捨てて中盤がスライドして、小島がSBにプレスをかけ同サイドに圧縮するやり方がよかったのではないかなと思いました。
失点までの一連の流れを細かく見ましたがやはり誰が誰につくのかがずっと曖昧な状態でした。選手の予測や判断、強度の問題もありますが、やはりジェフの配置の問題が大きいと思います。結果論ですが、実際に後半に変更して良くなりましたし、3-4-2-1だったら対応できた失点だったと感じました。
②攻撃面でも苦戦
前半の攻撃に関してはSBの裏を狙ったものが多かった印象です。特に左サイドでは佐々木などのロングボールで裏のスペースを突くことが多く、そこからクロスでソロモンやブワニカ、西久保へといった展開が多かったと思います。ただ、前半の攻撃パターンはそれだけでシュートシーンを多く作ることはできませんでした。私はもっと中盤を経由した素早いサイドチェンジで相手のブロックを揺さぶって欲しかったなと思いました。ただ、見木は前に置いておきたい選手ですし、小島はゲームメーカーというよりチャンスメーカーに近く、右ハーフバイタルのところで活きるタイプであると私は思います。ミンギュに関してはボールを受けた時のターンが後ろ向きになってしまったり、サポートの位置が悪かったりとボランチでのプレーに不慣れさを見せていました。ゲームメイクが得意な選手が出ていなかったため前半はビルドアップの質があまり高くなく、相手を押し込むことができなかったと思います。
・ほぼ勝ち試合のような後半
田口と風間の投入と3-4-2-1のシステム変更により、後半はジェフが相手を押し込む展開となりました。チャンスを多く作り、相手に危ないシーンを作らせませんでした。後半の内容を見ると勝点は拾わなければいけない内容だったと思います。
①ハマり始めた守備
前半に比べると後半は相手に思い通りの攻撃をさせず、チャンスをほとんど作らせませんでした。ボール保持ができたことも要因として挙げられますが、配置変更によりプレスをしやすくなったことが大きいと思いました。
後半はこのようにシステムの嚙み合わせが良くなり、琉球戦のときのような守備ができていました。
実際に57分の守備では図のように風間がSBにプレスをかけ、CBに下げさせると、それに連動して前からプレスをかけ、相手にミスを誘っていました。
このように配置変更をしたことでプレスがハマるようになりました。
②安定したビルドアップ
ビルドアップも前半に比べると安定するようになりました。これは田口や風間の投入や後ろで数的優位で前進できたことが要因だと思います。
田口のゲームメイク能力はJ2で屈指のものですし、風間は収まりが良いため、ビルドアップで落ち着いてボールを動かすことができました。風間は岩手戦で流動性が出ないという課題がありましたが、この試合では流動的に動いて攻撃に絡んでいました。
また、私の個人的な考えですが3-4-2-1は4-4-2に対して相性が良いと思います。この図で示した通り、後ろで3vs2の数的優位が生まれ、ボールを前進しやすくなります。さらに、ボランチが空きやすくなるため、サイドチェンジなどの大きな展開がしやすくなります。57分のジェフのビルドアップでこのようなシステムの相性が出ていました。
③欲しかった末吉塁とボックス内での動き
安定したビルドアップができた一方で後半序盤のシュートシーンはミドルシュートが多かったと思います。真ん中を固められ、思うようにPA内に侵入ができませんでした。このような状況でキーになるのは「幅」だと思います。いかに幅を使って殴り、相手の守備ブロックを横に広げられるか。後半序盤は押し込みましたが、大外のエリアの奥をえぐるようなシーンはあまり多くありませんでした。これはWBの選手の特徴を考えると仕方なかったのかもしれません。西久保や福満は1vs1で相手を剥がすといったタイプではありません。特に福満は普段と違って利き足とは逆のサイドだったためボールが入った時にスピードアップがしにくい状況でした。
これらのことを考えると、この試合では末吉塁が必要だったと思います。末吉はスピードがあり、サイドでの1vs1が得意な選手です。群馬は中央を固めていたため、サイドで剥がせる末吉を使い、大外レーンの奥をえぐることができれば、チャンスをもっと多く増やせたのかなと思いました。
後半の終盤はサイド深くからのクロスが増えました。CBのオーバーラップで攻撃に厚みが出せていたと思います。特に鈴木大輔のオーバーラップのタイミングはめちゃくちゃ上手いなと思いました。
ただ、クロスは相手に跳ね返されるシーンが多かったですね。クロス精度が低いという問題もあると思いますが、ボックス内での動きが悪いことの方が私は問題であると思いました。
クロスが上がるタイミングでボックス内では助走のスペースを空けるような準備しかされておらず、相手のマークを外すような動きはほとんどなかったと思います。特にソロモンはこのような感じで現状では強さはあるけど、怖さはないといった状況になってしまっています。
ソロモンに限らず全体的に相手のマークをかく乱させるようなダイナミックな動きを増やすべきだと思います。ニアに飛び込む動きもあまり見られないため、そういう動きも必要だと思いました。
・最後に
前半は悪い内容だったと思いますが、後半は配置を変えただけで素晴らしい内容になりました。ゴール期待値も2.11あったみたいですし、勝っててもおかしくない試合でした。だからこそ、先制点を取られた前半は非常にもったいなかったと思います。終盤に2つ惜しい決定機がありましたが、ボックス内の動きが良ければもっとチャンスを作り出せたと思いますし、ここは修正すべきところだと思います。
次の栃木も現地観戦です。横断幕があるため朝5時出発となかなかのハードスケジュールとなりましたが頑張ります(笑) 一昨年、カンセキでは真冬ナイターでめちゃ寒い中、ほとんど何もできず負けてしまったので今年は是非勝ってもらいたいです!
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