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ちばぎんカップ 柏レイソル戦

 こんにちは、私です。
 ちばぎんカップ優勝!!やったね!!!小林新体制のお披露目試合を勝利で飾ることができました。
 見て分かる通り今年のサッカーは去年とは180度違うものです。課題も多く見られ、質ももっと高めていかなければいけませんが、ビルドアップの工夫やプレスのデザインがされていましたし、ここから完成度が高まっていくことを期待しています!

ちばぎんカップ
柏レイソル 2-3 ジェフユナイテッド千葉

スタメン

・ミスを誘ったハイプレスと守備の課題

 去年までの尹体制とは違って、守備でも攻撃的にいき高い位置までプレスをかけるシーンが多くなりました。このハイプレスは去年よりもデザインされていた印象で、実際にプレスから相手のミスを誘って得点を奪うことができました。ただ、アンカーにフリーで前を向かせてしまう場面も多く、もっと突き詰めていく必要があります。
 ハイプレスが良くなっていた一方で、裏ケアはこれからの課題になると思います。

①得点を生んだハイプレスと修正ポイント

 ジェフ守備時の形は4-4-2。2トップでアンカーをケアして相手のCBにボールを持たせるような守備をしました。スイッチが入ると図のように片方のFWがアンカーを消しながらボールホルダーに寄せて、もう片方はアンカーを監視。SHも結構高い位置を取っていましたね。

 22分のシーンでは狙い通りのハイプレスができていたと思います。小森が右サイドを切りながらGKへとプレスをかけて、呉屋はアンカー監視。相手の右CBには見木がプレス、相手の右SBへは矢口がズレて出て行ってボールを奪いました。ファーストディフェンダーがサイドを限定し、ボールサイドの選手は前へ、後ろは横へと全体でズレていく理想的なハイプレスでした。
 これと同じようなプレスが得点に繋がったのが2点目の呉屋のゴールです。

2点目 呉屋のゴール

 見木が22分と同じようにCBの立田へと寄せて矢口も連動してSBを牽制。小森はアンカーをマークし、出し所のない状態を作りました。GKへのバックパスを狙っていた呉屋も素晴らしかったです。このシーンも狙い通りに嵌めることができました。柏が勝手にミスったのではなく、ジェフが狙い通りに嵌めてミスを誘って奪ったゴールです。
 このシーンは柏にも問題がありました。まずは立田の体の向きです。立田は相手と正対してボールを持つことができておらず、ジェフにとっては出し所を予測しやすかった。また、あそこで後ろを向いてもたついくのはさすがにアウト。顔も上がっておらず、バックパスを狙っていた呉屋を把握できていませんでした。立田のプレーはあんまり観たことないのですが、この試合のプレーを観ると後ろから繋いでいく方針であるのなら立田は合ってない気がします…

 さらに、柏はIHが落ちてくることが少なく、アンカーが消されると中へのパスコースがほとんどない状況になっていて、これは解説の佐藤大さんにも指摘されていました。このような現象は後半のジェフでも起こっていて、アンカーが消されている時はIHが落ちてきてパスコースを作ることが必要です。
 1得点目に繋がった、失った後の見木が絞ってアンカーにプレスをかけてボールを奪い返したシーンも良かったです。近いところを埋めてプレスをかけたこのシーンから四局面の一つであるネガトラの整理をされていることがわかります。

 ハイプレスはデザインされていてかなり良かったですが、アンカーにフリーで前を向かれてしまうシーンも目立ちました。これは修正していかなければいけませんし、もっと突き詰めていく必要があります。
 18分のシーンでは呉屋がアンカーを放してしまい、アンカーにフリーの状態で前を向かれてしまいました。その他にもアンカーをフリーにしてしまって、簡単にライン突破や前を向かれる状況を作ってしまうことがいくつかあったため、これはハイプレスの修正ポイントの一つです。

②裏ケア

 裏ケアと相手が3バックに可変した時の対応には課題が残りました。
 どんどん前に出て行く分、後方は手薄な状態になってしまいます。特に鈴木大輔の裏や脇のところはリーグ戦でウィークポイントになりうると思います。鈴木大輔は1vs1の対応は上手く、観てて安心感がありますが、スピード勝負だと負けてしまうことが多い。実際に後半33分の柏のシュートシーンは鈴木大輔が武藤とのスピード勝負で負けて前に入られてしまっています。
 前に出て行って潰すのは得意分野ですが裏ケアは苦手分野の鈴木大輔は、今シーズンのジェフのアグレッシブな守備に合うところ・合わないところの両方を持ち合わせていると言えます。裏ケアでやられ過ぎていたら田邉を左CBに置くと思いますが、対人の強さとリーダーシップを考えると欠かせない選手です。小林監督がこれからどう起用していくか注目です!
 

・発展途上のビルドアップ

 ビルドアップはまだまだ発展途上って感じでしたね。ミスから危ないシーンも生まれましたし。ただ、去年よりも整備されていて選手の役割も明確化しているのは大きな進歩。起用された選手の組み合わせも良かったですし、今後に期待です。

①攻撃時の立ち位置と運び方

 ジェフの攻撃時は松田が中に絞ってIB化し、右から松田・新井一耀・鈴木大輔の3バックに。中盤は熊谷がアンカー、田口が右IHのように振舞って、左SBだった矢口が高い位置を取ってWB化して3-1-4-2のような可変をしていました。
 まず、田口がIHのような振る舞いをしていたことでCB(IB)-WB(WG)の中継地点を作れるようになったため、去年頻繁に起こっていたCB-WBが遠すぎて繋がらないといった現象は右サイドではほとんど起きませんでした。
 また、15分のシーンではIH化した田口を活かしてうまく相手を崩すことができました。

15分

 新井一耀から松田へと繋ぎ、松田はハーフスペースでフリーだった田口へ。

15分

 田口が時間を作って追い越した末吉へパス。末吉は縦に仕掛けてクロスを上げようとしますが、相手にブロックされてしまいました。
 呉屋と小森で2CBを、末吉でSBをピン止めするような形になったため、前へ飛び出した田口がフリーでボールを受けることができました。飛び出した田口の判断素晴らしかったです。
 最終的には末吉が縦に仕掛けてクロスはブロックされてしまいますが、松田もハーフスペースでフォローをしており、サイドで3vs2の数的優位を作ることができました。シュートまでは持っていけませんでしたが、厚みのある攻撃ををすることができた素晴らしいシーンでした。

 トップの呉屋や小森がライン間に降りてボールを引き出すようなシーンも多く見られ、チームの決まり事・原則が今年はしっかりと仕込まれているように感じました。ただ、シュートの本数が少なかったり、クロスが合わなかったり、繋ぎのミスが起きたりなど、まだまだ攻撃・ビルドアップは発展途上でここから完成度を高めていくことが求められます。

②熊谷の降りる動き

 熊谷は攻撃可変でアンカーの役割を任されていましたが、最終ラインに降りすぎていて、その動きに合わせた他の選手の立ち位置の修正もあまりうまくいってないように感じました。

 アンカーが相手FWの後ろにいることで、ファーストディフェンダーとなる相手FWが動きにくくなるという効果があります。

 ただ、柏は1トップで守備をしてきたため、降りて2CBを作り1トップの脇から起点を作っていくのは効果的。問題なのは熊谷のポジションに誰が入っていくかです。

 基本的にここには田口が入ってきていましたが、田口が別のポジションにいてアンカーがいないことも何度かありました。また、熊谷降りた時に松田のタスクが明確化されてなさそうだったので、動きすぎない・降りすぎないということをもうちょっと熊谷に徹底させるべきだと思いました。

 もし熊谷を最終ラインに降ろすなら、松田には図のように中盤化させるタスクを与えなければいけません。

37分

 37分のビルドアップのミスから最終的に熊谷のファールを取られたシーンは、松田のポジションを熊谷が奪ってしまっている状況になっていました。松田が3バックの右、熊谷が中盤のタスクをこなしていれば、図のような相手の前プレに屈する状況にはならず、ミスは起きていなかったと思います。

・最後に

 他にも3バックに可変した相手への対応や左サイドのCB-SBが遠すぎることなどを書きたかったですが、時間がなかったので省略します…
 課題もありますが、戦術的な整備は進んでいるように思っています。前プレからミスを誘って得点を奪うことができましたし、この成功体験がとても大事!ビルドアップにも工夫は見られましたし、これからさらに良くなることを期待しています。
 開幕長崎勝ちましょう!


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