男性の育休取得を「すごい」と思ってしまう気持ち、なんとかしたい
こんにちは。今日は子育てにおける、無意識のバイアスについて、男性の育休取得を通して考えてみたいと思います。
夫婦どちらも育休を取って子育てをすることをポジティブに思っていますし、我が家もその予定です。
また、育休を取りたくても取れない環境の方を否定するつもりも、夫婦が納得して片方の育休取得を決めた家族を批判するつもりも全くありません。
ただ、モヤモヤしているのは、男性が「育休を取る」と聞いた時に、「素敵な夫!パパ!」と、私自身、反射的に思ってしまうことです。同じような反応をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
男性が育休を取得することを「素敵ではない」などと否定したいのではなく、女性が育休を取る時には「素敵な妻!ママ!」とまでは思わないのに、同じ行動をしている男性を、なぜ無意識で高く評価してしまうのか、という自己矛盾が今回のテーマです。
1. 育児は誰のものか
「育児は誰のものか」の前に、「親権は誰のものか」という問いがあると思います。多くの場合、この親権については、両親に平等にあるのではないでしょうか。
そうであれば、均等に折半することは現実的でないにしても、前提としては両親ともに平等に育児をする役割を担うことになるのが自然だと思います。
だとすれば、夫が育休を取ることは「すごい」ことではなく、ごく自然なことであっても良いのではないかと思うのです。
2. 出産前後の母体の負担と回復
産前産後休暇はもちろん、母体が出産前の体に戻るまで、半年〜1年はかかると言われています。そのため、育休という形で、しっかり母親の体を休めること、無理をしないことは非常に重要となります。
それでもなお、育休中だからと言って、妻が育児を一手に引き受けるとか、「育休の育児は妻メイン」とまでなると、私はちょっと違和感を感じてしまいます。
3. 子育ては共同プロジェクト
夫が仕事に復帰していれば、時間の融通は利かなくなるのは当然。でも、限られた時間で育児をするのは、夫も妻も同じ。夫婦お互いが育児を平等に分担することを前提に、夫が育休を取るのか取らないのか、という順番であれば、
育休を取り、母体の回復も図りながら、育児をする妻
育休は取得しないが(もしくは育休期間外だが)、限られた時間で育児の役割を果たす夫
という構造になるのではないかと思うのです。
少し概念的な話になってしまいましたが、子育てが母親メインのプロジェクトになるのか、「夫婦共同プロジェクト」としてお互いの強みや時間の制限をやりくりしながら遂行するのかの違いは大きいと思うのです。
4. 男性が育休取得で肩身が狭くならない職場環境も重要
女性の場合、明確に身体の変化と、法律で守られた休暇制度があり、出産予定日に合わせて強制的に休まざるを得ない状況になってくるので、出産や育児に関して休暇を取得しやすいかと思います。
一方、男性の場合、出産育児に関して上記、女性のような法的・生理的強制力までは働かないので、ある種「決心のハードル」は女性と比較して大きいと思います。
また、職場環境によってはまだまだ周りに受け入れてもらいづらかったり、サボりのように捉えられてしまうケースもあると聞きます。
仕事を休むとなれば、休んだ分の仕事を誰かに引き受けてもらわなければならなくなるので、理想と現実の間で悩まれている男性や、そのパートナーの方もいらっしゃるかと思います。だからこそ、夫婦間のみならず、社会全体で男性が育休を取ることが「至極当然」となるといいなと思っています。