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Visual Thinking Strategies 009

1:何が描かれているか

対面する二人の女性。
右側の女性は金の髪飾りをして薄い赤色の服の上から紺色の服を纏っている。髪は金色で肌は白い。左手を上げながら右手では台の上に置いてある本のようなものをめくっている。目線は対面する女性を見ている。その女性のすぐ前にある台は白色で、曲線美が美しい彫刻が施されている。
左側の女性も同じく金の髪飾りをしている。白い服で、下は赤いスカートのようなものを履いている。そして羽が生えている。右手で人差し指と中指で「2」を示している。それが数字の2を意味するのか、何を意味するのかはわからない。
右手の女性側には建物がある。床はテラコッタのような色をしており、縁はグレー。壁はモスグリーンのような色で、出隅には白い大判のレンガで装飾を兼ねた補強?のようなものをしている。左手の女性がいる地面は短い草が生えていて、ところどころ花が咲いている。左手奥には、形が違う8本の木が見える。その奥には山々が見え、薄っすらと白くなっている。

2:絵の中で何が起きていて、これから何が起こるか

羽の生えた女性が、何かを伝えようとしていて、それを建物側で座る女性が聴いている。表情から、良い知らせではなさそう。それをもとに、建物側に座る女性が本のようなものを見ながら情報を整理していく。左手は、言葉以上の何かを汲み取るためのものだろうか。
これから、建物側にいる女性は何か重大な決断を下す。場合によっては多くの人が悲しみに陥るような決断。

3:どのような感情や感覚を受けるか

二人の間には共通のイメージが見えているように感じる。
羽の生えた女性が見てきたものとかなり近いものが、右手にいる女性にも見えている。そこで見てきたもの、人々の感情まで把握しているようなそんな表情。羽は一体何を意味するのか。何かの予兆、お告げ、悪い予感、そういった感情を感じる。右側の女性からは動じない強い心をもっていて、安定したどっしりとした印象を受ける。右と左の対比、でも真ん中には共通のイメージが見えているような気がする。一見主従関係のように見えるが、二人は同じ方向を向き、不足を補いあうパートナーのように見える。

製作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ(イタリア)1452-1519
作品名:受胎告知
製作年:1472年 - 1475年頃

VTS(visual thinking strategies)とは何か。どんな効果があるのかについてはこちら。


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