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「暮らし」の社会課題

リノベーションに関わる仕事を4年ほどしています。
目の前のお客様の理想の暮らしを一緒につくっていくというのはとてもやりがいがありますが、もう一歩踏み込んで、社会課題について。
いま、主に2つのことに関心を寄せています。

交通事故で亡くなる人よりも多い、『家庭内事故死』

毎年交通事故で亡くなる人よりも多くの人が家庭内で亡くなっています。
その数交通事故死者の約2倍以上。
交通事故に比べるとニュースになりづらいですが、大きな問題です。
そしてその9割以上が65歳以上の高齢者。
僕が関心を持たざるを得なかった出来事が2つあります。
ひとつは、自分の祖父がお風呂で溺れかけて、それを機に施設に入ることになってしまったこと。
もうひとつは妻の祖母がヒートショックにより溺死したこと。
両方共とても驚き、深い哀しみに襲われました。
それを機に家庭内事故について調べてみると、同じように家族を家庭内事故で亡くした人のなんと多いことか。
住宅に関わる仕事をしていながら、無知だったことを恥じました。
これを読んでくれている方も他人事ではありません。
高齢化、未婚率、離婚率の増加、出生率の低下で、これからどんどん65歳以上の高齢者が増えます。そしてひとり暮らしの高齢者が激増していきます。
自分自身も含め、自分の家族、親戚、友人がそうなる可能性は高くなる一方です。

失われた500兆問題

「日本人は500兆円損している」と聴くとどう感じるでしょうか。
500兆円というと日本の1年のGDPと同じくらいです。
日本国内で1年稼いだお金がそのままそっくり消えてしまっているのです。
どういうことかというと、現在日本国内の不動産の資産価値は400兆円ですが、本来投資額から換算すると900兆円あるはずだったのです。これはスクラップ&ビルドという習慣や、約20年で価値がほぼ0になってしまう税法が関係しています。
まだ使えるのに、古いからという理由で壊され、新しいものが建ち、それを買う人がいる。このループを長い間続けていった結果、損失は約500兆円まで膨れ上がりました。500兆円あれば、家庭内事故死を防ぐ対策に使えたかもしれません。スマートハウスなどのテクノロジーに投資をして、まずひとり暮らしの高齢者に普及させたり。目先の利益を取り続けてきたばかりに、大きな損失を被っている状態です。

統合した知が必要

これら2つの問題はリノベーションの仕事をしている僕にとっては直接関わりがあるものの、個人でできることとしては、インパクトは非常に小さい。法律、政治、業界、テクノロジー、医療、会計、マーケティング、クリエイティブなど、あらゆる知を統合してかからないと解決できない問題です。本来死ななくてもよかった多くの人が命を落とし、本来あるべきだった資産が500兆円も損失しているということ。自分事としてみるならば、自分の親が風呂で溺れて死んでいるのを目の当たりにするのを想像しみる。久しぶりに通帳を見たら、本来あるべきの金額から1年の年収分損失しているのを想像してみる。絶対イヤなはず。

すぐどうこうできる問題ではないですが、一人でも多くの人が興味をもって、問い続けることが解決の糸口になるのではと思い、noteに書きました。リノベーションを中心に、マーケティング、ファイナンス、アートについて発信を続けているのは、最終的にここに繋げたいという思いがあるからです。もし「家庭内事故死」、「失われた500兆円」に少しでも興味を持ってくださったらシェアして頂けると嬉しいです。

30年後には、「家庭内事故死」は「家庭内幸福死」に。「失われた500兆円」は「創出された500兆円」へと変わっていることを目指して。

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