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トレラン初めておじさんがITJ(伊豆トレイルジャーニー)を走ってみた [後編]

2024年12月8日に開催された「伊豆トレイルジャーニー(ITJ)」に参加し、無事完走しました。この記事は前編の続きになります。

当日(スタートまで)

AM3:00 起床

レース当日はスタートが午前6時のため、準備や朝食、移動時間を逆算して午前3時に起床しました。フルマラソンと同様に、消化時間を考慮してレースの3時間前には朝食を済ませるようにしています。起床後すぐに用意していた朝食を食べました。メニューは、コンビニで購入したおにぎり、オレンジジュース、カステラです。レース前の朝食は、消化が良く炭水化物が多めのものを選ぶよう心がけています。

AM3:10〜 着替えとテーピング

着替えを済ませた後、足裏にテーピングを施しました。普段はあまりテーピングを使用しませんが、今回は長距離レースということで、足のアーチを保持し、足裏を保護するために貼ることにしました。そのおかげで、最後まで足のトラブルはありませんでした。テーピングには「ニューハレ」を使用しています。非常に効果的だったと感じています。

AM4:45 スタート会場へ移動

宿からスタート会場である松崎新港までは、車で約15分ほどの距離です。朝4時45分ごろ、宿を出発し、妻に送迎してもらってスタート会場へ向かいました。松崎新港には駐車場がないため、少し手前の指定された《一般車両降車場》で車を降りました。近くには松崎バスターミナル(アクセスツアーバスの到着所)があり、その近くのファミリーマートで朝食や補給食を購入している人も見かけました。

AM5:10 スタート会場着 荷物預け

降車場から少し歩いて、5時過ぎに松崎新港に到着しました。到着時には、すでに大勢の人が集まっていて賑わいを見せていました。前日には受付を済ませていたため、当日は荷物を預けるだけでした。

荷物預けは、前日の受付時に配布されたビニール袋に荷物を入れ、ゼッケン番号が記されたシールを貼って所定のコンテナに入れるだけの簡単な手順です。係の人がサポートしてくれるため、スムーズに預けることができました。なお、荷物預けは5時30分までに完了する必要があるため、時間に注意する必要があります。

AM5:20 トイレは長蛇の列

荷物を預けてからトイレに行こうとしましたが既に長蛇の列。トイレは宿で済ませてきたので並ぶのは諦めて、体を冷やさないように風の当たらない場所で待機をしていました。

トイレには長蛇の列

AM5:50 スタート直前

この日は強風警報が出ていた安全のためスタートゲートが無くなったとアナウンスされていました。スタートはブロック毎の時間差スタートです。申し込み時のゴール予想タイム毎にブロックに分けられていて、自分はギリギリAブロックでした。(確か10時間半くらいの予想で申し込んだ)

スタート直前の様子

前半戦(スタート〜仁科峠)

10時間切りで完走を目指す

今回は自身初のトレランレースであり、コースを試走したこともなかったのでどれくらいのタイムで走り切れるのか未知数でした。過去のITJの動画や完走した方の記事を見て、今の自分の走力ならおよそ10時間を切るくらいで走り切れそうだということが分かりました。個人的な目標はサブ10(10時間切り)に設定しました。

AM6:00 スタート

6時になりAブロックが一斉にスタートしました。ヘッドライトの明かりが一斉に動き始めます。松崎新港から国道136号に出て少し行った先の道路を左の山側の道に入っていきます。ここから登りが続きます。

最初しばらくは登りのロード

まだ暗い林道をどんどん登っていきました。傾斜はそれほどきつくありませんでしたが、周囲の流れに乗りすぎてオーバーペースにならないよう、意識してペースを抑えながら走りました。15分ほど走ると暑くなってきたため、一度立ち止まって上に着ていたシェルを脱ぎました。

その後、30分ほど走り続けると、次第に空が明るくなり始めました。ロードからトレイルに入り、走り続けますが、ところどころ傾斜が急になる部分も出てきます。そうした箇所では、前を走る人たちが歩き始めるので、それに合わせて自分も歩きました。長丁場になることを考慮し、いつも登っている筑波山のように全力で登ることは避け、力をセーブして進むよう心がけました。

C1 宝蔵院 は想定以上のペースで通過

最初のチェックポイントである宝院あたりまで来ると人も少しまばらになってきました。体調は良くもなく、悪くもなくといった感じでした。C1の宝蔵院の通過タイムは1時間6分でした。自分が想定していたペースはもう少し遅かったので、想定よりかなり早いタイムで宝蔵院を通過できました。

八溝峠まで登り。そこからは林道を登ったり降ったりする

こがね橋まで

宝蔵院を過ぎて八瀬峠までは登りが続きます。この区間を越えると、最初のエイドであるこがね橋までは砂利の林道を下るコースになります。ITJは「走らされるコース」とよく言われますが、確かにその通りで、走りやすいと感じました。こがね橋までの区間は急なアップダウンも少なく、テクニカルな路面もほとんどないため、気がつけば自然と走り続けていました。

八瀬峠からこがね橋まではほぼ下り基調で、スピードを出して走ることができます。一般的に下りは脚にダメージが蓄積しやすいと言われますが、私は下りの方が得意なので、重力に逆らわずテンポよく駆け降りていきました。

A1 こがね橋エイド

こがね橋エイドは橋を渡った先にある

こがね橋エイドにはスタートから2時間46分ほどで到着しました。エイドではコーラとバナナを貰いました。ここのエイドは選手によっては通り過ぎてしまう人もいるようですが、自分は後半までバテないようにしっかりと補給をしました。

こがね橋エイドでの滞在時間はおよそ5分ほどだったと思います。自分で持参したジェルも補給しながら、エイドを後にしました。エイドを過ぎるとすぐに登り坂が始まります。この坂は頑張れば走れそうでしたが、ここで脚を使いすぎると後半に響くと判断し、早歩きで進むことにしました。

こがね橋エイド直後の登り坂。紅葉が残っていて美しい。

二本杉峠まで登りが続く

こがね橋エイドから二本杉峠までは3.1kmしかありませんが、約400m弱ほど登ります。結構急な斜面も多いので、ここでは歩いている人も多かった印象です。自分も結構きつかったので、斜度がある場所は周りに合わせて歩いて登りました。

仁科峠までは走らされる

生命力を感じる大木

二本杉峠を過ぎると細かなアップダウンはありますが、難所もなくただひたすら走らされる感じです。所々で応援の方がいて、力をもらいました。途中コース上の最高地点の猫越岳を通過しましたが、この時はまだ上空が曇っていて景色も見えませんでした。

猫越岳(標高1035m)到着。ここから仁科峠までは2.7km

伊豆稜線歩道の絶景が見えた

猫越岳からしばらく行くと後藤山という小さいピークがあり、そこから下っていくと天城放牧場と仁科峠が見えてきます。上空にあった雲も次第に取れてきて、伊豆稜線歩道からの絶景を拝むことができました。

仁科峠手前からの絶景 富士山もくっきり

走りながらでも、この景色が視界に飛び込んで来ると感動しますね。


後半戦 (仁科峠エイド〜ゴール)

A2 仁科峠エイド

スタートから5時間7分ほどで仁科峠エイドに到着しました。仁科ではちょうどAround Alone28がスタートしているところでした。

仁科エイドの様子

エイドではコーラを飲み、「俺は摂取す(ジェル)」を受け取りました。人がそれほど多くなかったため、トイレにもすぐ入ることができました。本当はうどんも食べたかったのですが、食器を取り出す手間や、Around Aloneの後ろのブロックとスタートタイミングが重なるのを避けたかったため、水だけ補給してすぐに出発しました。

土肥までは強風と疲労でペースダウン

仁科から先も伊豆稜線歩道を走っていきました。ここまでは順調でしたが、稜線上では風を遮るものが何もなく、強風に苦労しました。さらに疲労が重なり、徐々にペースが落ちていきます。Around Aloneの参加者もいたため、追い越す際には気を遣いましたが、自分のペースが落ちていたこともあり、逆に抜かれることも多かったです。この区間は精神的にも体力的にも最も辛かったように感じます。

船原峠を越えると、土肥エイドまでは3km足らずの距離です。エイド手前には緩やかな傾斜のロードもありますが、かなり疲労も溜まっていて、登りはもう走ることができませんでした。

A3 土肥エイド

土肥エイドでは初めて座って休憩をとりました。温かい豚汁が体に染み渡ってとても美味しかったです。ここのエイドにはメダリストを溶かしたものやクエン酸飲料、レッドブルなどもあって助かりました。

土肥エイドの様子 レッドブルは今年初めてだったらしい

エイドで休憩をとり、補食もとったことで少し体力が回復しました。

達磨山を越えてみた景色

土肥エイドを出発し、ラスボスとも言える達磨山を目指します。登りはもう走れないので全部歩きです。脚も疲労で重くなってきていますが、靴擦れや痛みもなく動いてくれました。この辺りではずっと女子の黒ゼッケンの某選手と抜きつ抜かれつ進んでいました。

伊豆稜線歩道と雪を被った富士山

達磨山付近では、ずっと富士山を眺めることができました。達磨山を越えた後は下り基調が続くため、戸田峠までは比較的快適に走ることができました。戸田峠の道路を横断した後は再び登りが始まり、762mのピークを越えると達磨山高原レストハウスまでは下りに転じます。

だるま山高原レストハウスを過ぎると再びトレイルに入り、北又川に沿って下っていきます。一見、ずっと下りが続くように思えますが、細かなアップダウンがあり、さらに登りの林道が現れるなど、心が折れそうになる場面もありました。登りは歩き、下りは走るスタイルで進み、最後に日陰山登山口を抜けると、修善寺温泉街までのロードに入ります。

修善寺温泉までの最後のロード

ついにゴール

最後の修善寺温泉街を走り抜けていきます。地元の人や、温泉に来ている観光客の人も応援してくれたりして力になりました。自分でも驚くくらい脚が動いて、最後は1km5分くらいのペースで走れていたと思います。

修善寺のゴール地点

記録は9時間36分でした。目標としていた10時間を切って完走出来たので初レースとしては100点ですね。

ITJを振り返って

これまでトレイルランの大会に出場したことがなかったため、不安も大きかったのですが、初めてのトレイルランレースがITJで本当によかったです。

大会総合プロデューサーの千葉さんが仰るように、ITJは単なるトレイルランのレースではなく、「トレイルの旅」という特別な体験を随所に感じられる大会でした。前日の荷物チェックや受付の際、スタッフの方々が「よい旅を」と声をかけて送り出してくださったことも、とても印象的でした。

トレイルランニングという新しい世界に一歩踏み出して本当によかったと感じています。また来年も(抽選に当たれば)ぜひ走りたいと思います。

この記事が来年ITJに出る人やトレランに挑戦してみようかなという人の参考になったら嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました!


おまけ:装備一覧

最後に装備一覧を載せておきます。私のようにITJに初めて出るという方や、トレランレースに出てみたいけど何を用意したらいいのか分からないという方の参考になれば幸いです。

装備一覧
  1. トレランザック (パーゴワークス RUSH11R)

  2. ファーストエイドキット(ジップロックに入れてまとめました)

  3. スポーツようかん (井村屋)

  4. スティックバウム (エースベーカリー)

  5. ダウンジャケット (モンベル)

  6. レインウェア (モンベル)

  7. パラチノース×3袋、塩ジェルカフェインジェル経口補水液(粉末)×3

  8. エナジージェル (アミノサウルス、WINZONEなど)

  9. 携帯トイレ(モンベル)

  10. ヘッドライト×2 (Gentos)

  11. ソフトカップ (The North Face)

  12. LEDクリップライト(GOOMAND)

  13. 2RUN、塩分タブレット、芍薬甘草湯、アミノバイタル赤

  14. ソフトフラスク(インナーファクト)

  15. エマージェンシーシート

ジェルは8個ほど持参しましたが、エイドステーションで給食が提供されていたこともあり、実際にはその半分も使用しませんでした。さらに、スポーツようかんもあったので、ジェルの数をもう少し減らしても良かったと感じています。

なお、ここには記載していませんが、ネックウォーマーとアームカバーが非常に役立ちました。スタート直後や稜線で冷え込む場面では、アームカバーを上腕まで引き上げて寒さをしのぎ、逆に暑くなった時には下げて放熱することで、体温調節がとてもスムーズに行えました。

この記事の前編は↓↓↓こちら

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