テクノロジーの原理 「VR」 by エシモの備忘録
【この記事を読み終えるまで 約5分】
これはテクノロジーの原理を理解して、少し先の未来を見据えるシリーズです。第4弾は「VR」。それでは、レッツ備忘録!
1.VRはどんな必要性を解決するために誕生したのか
→現実の窮屈な世界から解放させる必要性
・直訳:VR(Virtual Reality)=仮想現実
コンピュータで現実に似せた仮想世界を作り出し、あたかも現実世界にいるような感覚を体験できる技術のこと。
VRで実現される世界は大きく2つの特徴がある
⑴物理的移動が不要になる
⑵人類史上初の国境がない街が誕生する
5G時代の到来によって、今までは現実の世界でしか生きていけなかった人々にもう一つの世界が与えられた。それがVRだ。VRは実際に生身の人と顔を合わせて会う必要はない。それぞれ好きなアバターを選び、様々な幻想的な空間を体感できる。VRのデバイスさえあれば、実際に移動しなくても仮想空間上の都市で世界中の人と会える(しかもSNSでの会話ではなく、実際に会って話しているような体験の意味での「会える」だ)。つまり、移動の必要性がなくなる。
これが何を示すかというと、多くの人にとってVRが日常空間に変わる可能性が高いということだ。
VR上では生身では絶対できない遊びも体験できる(空を飛んだり、深海に潜ったり、ミクロの世界に飛び込んだり、過去の歴史上の都市空間にタイムスリップしたり……楽しそう!!! 😂)。
「これなら今までのRPGゲームと一緒ではないか」という人もいるかもしれない。
違うのだ。
VRの世界ではコントローラーの操作でキャラクターを動かしていた今までのゲームとは異なり、実際にアバター目線で自分たちがVRの世界を360°体験でき、私たちの身振りにアバターも呼応する仕様のインタラクション(相互作用)なのだ。飲む、食べる、嗅ぐ以外の人間のアクションはVR上で体験可能だ。
移動が不要で、国境も無くなった街に何が求められるのか。しかも、自動翻訳機能がより進歩すれば言語の壁も無くなる。VR上ではコミュニケーションを取れる人が70億人以上に増えるのだ。これはチャンスとしか言いようがない。人々に普遍的に求められるもので差別化に成功した者に莫大な影響力が集まるだろう。
現実世界では様々な制約がある。家に住むにも、移動するにも、仕事をするにも、常に周囲の目を気にする必要があり、ルールにも縛られる。しかし、VRはアバター越しの世界なので、こういった制約から一切解放される。もちろんアバターの向こうには生身の人間がいるので、人としてのマナーは必要だが、現実世界と比べれば、大きく解放された世界なのだ。
2.それは最も効率が高いことか
移動コストを削減するためのもっとも効率的な方法は「移動しないこと」だ。電車もバスも使わずにVRのデバイスをつけるだけで、会社の仲間と会えるなら、仕事の会議だってVR上ですれば良いだけのこと(今のスカイプ会議でも十分だが)。自宅にいながらVRデバイスをつけて世界中、過去、未来、宇宙空間にまで飛べるとしたら、あなたは現実世界と仮想世界、どちらを選びますか?
3.VRの現状
2020年5月の現状は、まだVRは発展段階だ。2016〜2018年頃に過度な期待のピークを過ぎ、今は静かに啓蒙活動を行なっている状況だろう。まだ先行者利益は得られる時期だと思う。YouTubeに今から参入するより、弱者としてはVRの世界で特定の分野のシェアをとったほうが活躍できるのではないか。今月のゴールデンウィークに「バーチャルマーケット」というVR空間での100万人規模のイベントが開催された。コロナショックで現実世界が沈黙を守る中、仮想世界では多くの人が集まり、ショッピングや観光を楽しんだ。
また、VR空間で結婚式まで挙げる人々も出てきた。彼らは早くも現実世界から仮想世界に日常生活の主軸を移しつつあるのだ。今はまだ、ギーク(オタク)たちが集まって賑わっている段階だが、あと5年もすれば5Gの浸透と共にほとんどの国民がVR世界を体験することになるだろう。
VR技術はエンタメだけでなく、産業界、医療界にも革命を起こしている。
日本政府は2050年までにAI・AR・VR・ロボットの活用により複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットによって社会を支える未来を目標に掲げている。
つまり、国としてもVRがオシなのだ。今からあなたのやることはYouTubeを見ることではない、VRデバイスをポチることだ。
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